<日本語学習者は英語をどう開音節化するか : 英語を母語としない初級学習者の場合>
一方、トルコ語は 開音節言語というわけではないのに なぜか 子音が連続したり 子音で 終わったりするのを ときどき避けるような傾向があって ちょっと笑ってしまいます. ひょっとして 古代のトルコ語は もっと開音節的だったんでしょうか・・・.
典型的なのは tren, Trabzon のように tr- で 始まる単語が tir- となる場合でしょうか. この場合、表記上は tr- のままですので、tir- と 発音しない人も いるかとは思いますが. 日本語だったら tor- と なるところですかね. 最近は tur- とする人も いそうですが.
おなじような現象は 語尾にもあって、borek, zeybek などの語尾が ッキ と聞こえることがあります(日本語でも stick を ステッキと 言ったりしますね). いわゆる ince な母音(i/e/Ü/ö:前舌母音)のあとに k が 続く場合に そうなるのかなと思うんですが、実際には e の場合が 一番はっきりしている気がします. kalın な母音(a/ı/o/u:後舌母音)では そうならないですね. 逆に 一部の方言とか アゼリ語とかでは kalın な母音のあとの k は ドイツ語の achlaut (Bach の ch)のように 発音されたりしますね. yok, artık など. 東京外大のサイトで <子音調和>と 呼ばれているのは このことを 言ってるんでしょうか.
もうひとつ 面白いのは 語頭に st-, sv-, sk-, sm- などが 来る場合ですね. tr- と 同じやり方で 子音の連続を 避けようとするなら s の後ろに 母音を挿入するのが 自然ですよね. 日本語でも sut-, suv-, suk-, sum- など u を 挿入しますよね. ところが なぜか トルコ語では あろうことか s の前に i を 挿入することで s を 別音節化して 音節内で 子音が連続してないことに してしまうんですね. こうしてみると トルコ語は 単語中の子音の連続を嫌うのではなく 音節中の子音の連続を嫌うということになりますね. ちなみに この場合には その他の例と違って 文字表記も 変更されます.
steam -> isteam -> istim
skeleton -> iskeleton -> iskelet
Schweiz -> İsvaits -> İsveç
Sverige -> İsverige -> İsviçre
Stamboul -> İstamboul -> İstanbul
Smyrna -> İsmyrna -> İzmir
İzmir が İsmir でないのは m に 影響されたんでしょうか.
イズミルの犬は 安心しきってます^_^;
