そば殻の枕 | やまとうた響く

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日々の出来事や想いを綴っています。エッセイ風に書けたら素敵なんだけれど。

今朝職場でちょっとした驚きの出来事があった。シーツ交換のために、ある利用者さんの部屋に入るとシーツの上にそば殻が散乱していた。もうかなり年季の入ったそば殻の枕に穴があいてそこからそば殻がこぼれ落ちていた。


修繕が好きな私だけれどさすがに年季が入りすぎて破れた穴を塞いだところで布がもうどこもかしこも破れそうで捨てることにした。散乱したそば殻をきれいに片付けシーツの洗濯をした。


そうしていると、その人の担当職員が、今日○○さんの枕破れてましたか?と尋ねてきたので、もう捨てちゃったよ。新しく買ってあげてね、と言うと、やっぱり枕だったんですね!と納得した様子だった。


と言うのも今朝の夜勤明けの昨年入って二年目になる若い職員が、その担当職員に、今朝○○さんの部屋に起こしに入ったらシーツの上に朝顔の種みたいなものがいっぱい散らばっていたんですよ!その時は忙しくて後で片付けようと思っていて、それからまた部屋に行ったらすでに綺麗になってたんですけど何だったんでしょう!?と、まるで不思議な怪奇現象にでも出くわしたかの様な口ぶりだったそうだ。


その担当職員は朝顔の種みたいなもの!?と思ったけれどすぐにそば殻だな、と思ったものの現状を見ていないので私に尋ねてきたのだった。それでやっぱりそば殻だったんだ、と納得したのだ。


それにしても朝顔の種みたいなものとは!😆 まるで不思議な出来事かの様に思ったらしいけれど全く不思議な怪奇現象でもなく、枕が破れてそば殻が散乱し、私が素早く片づけただけのことだったのだけれど、その若い職員がそば殻を知らなかったと言うことに私は驚いたのだった。


二十歳そこそこの子は、すでにそば殻の枕を知らない世代なのだ、と言うことに。その子の親世代は四、五十代だろうから知ってはいてもその子の家ではそば殻の枕を使ったことがなかったのだろう。


私は幼い頃からそば殻の枕だったから今もそば殻の枕が好きで愛用しているけれど、今は枕は人の健康を左右する重要なアイテムとして研究もされ多くの健康志向の枕が出回っている。首の角度などあらゆる研究がなされて快適な睡眠による健康を追求されてきているようだ。


私も健康オタクだから枕の重要性はよく理解しているし、自分も肩こり首こりがひどいので過去にはいろいろ良いと言われている枕を試したことがあった。でもなんとなくCMなんかで言うようにはぐっすりとは寝付けなくて結局はそば殻の枕に戻ってしまった。


そば殻の枕が健康に一番だとは全く思ってもいないし、もっとよく人間の仕組みを研究した枕は沢山あると思っているけれど、ただ私はそば殻枕が好きだし一番楽に眠れる、と言うだけだ。


そんな私には当たり前の普通の枕を知らない世代の登場にちょっと驚いたのだった。知らなければ確かに朝顔の種に似てはいるし、不思議なものを見た!と言う感覚になるんだな、と後で可笑しくもあった。


けれど最近はほんとにそば殻の枕はお店でもあまり見かけないかもしれない。でもなくなっては欲しくないなぁ、と思う。せめて私が生きている間は。まぁ今使っている枕は死ぬまで使えるかもしれないけれど。


ちなみにそば殻の枕は砕けて粉がでてくる、とか虫が湧く、とかデメリットもあるらしいけれど、過去に一度もそんなことはなかった。もっともよく干したり布団乾燥機にもかけたり、夜の大切なお供なので大事にしているけれどね。



これかーさんの枕ニャ。一緒に寝るのニャ!