映画と城と桜 | やまとうた響く

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日々の出来事や想いを綴っています。エッセイ風に書けたら素敵なんだけれど。

前回の記事から映画繋がりになるけれど、もう一本少し前の映画もテレビで観た。前回の二本とは打って変わった戦国時代の、のぼうの城、と言う映画だった。




画像はお借りしました

一番最初のシーンが衝撃的だった。備中高松城が水攻めで落とされゆく場面が映し出された。


手前でそれを見て笑っているのが赤い陣羽織の織田信長、そして石田三成、豊臣秀吉(まだ木下藤吉郎)の面々で、CGによる息を飲むような、壮大かつ怖ろしいシーンだった。

岡山県民の私は備中高松城も関わる映画なのか、と期待したけれど、最初のこの落とされゆく場面だけで、実際には今の埼玉県の忍城が主体の映画だった。後にこの忍城も水攻めに合うさわりのためのシーンだった。

村人にのぼう様と慕われる野村萬斎さん演じる城主と、豊臣秀吉側の石田三成率いるの軍勢20000に対して500と言う勝負は目に見えた戦いに挑み、最後は開城はするも、唯一落とされなかった城として語り継がれることになったストーリーで、エンターテイメントとしてとても面白い映画だった。

ただ、私はこの映画でずっと疑問に思ったことがあった。それは自分の長い 間の勘違いのためなのだけれど、私は最初のシーンの備中高松城を日本一高い山城で、天空の城と言われている城だと思っていた。そんな城を水攻めなんか出来るわけがないのでは、と映画を見終わるまで思っていた。

そこで早速検索して、私は岡山県民になってもう40年以上になろうかと言うのにずっと勘違いしていたことに初めて気づいたのだった。

日本一高い天空の山城は、備中高松城ではなく、松山城だった。



高松城と言うのはこちらで、湖のすぐ近くの平地の城だった。これなら水攻めが可能だ。



雲海に現れる天空の城と言われているのは松山城だった。松山城は毛利軍によって兵糧攻めで落とされたのだった。

長い間すっかり勘違いしていたことがようやく事実にたどりついたのだった。

過去には血みどろの闘いに明け暮れた城ではあるけれど、今は城と言えば桜がよく似合う。沢山の人々の血を吸ったであろうに。ひとつの映画として充分楽しんだけれど、今の世も昔も闘いは理不尽で多くの農民も巻き込んだ痛ましいものだ。そんなことがあったのか!?と言うように桜で彩られ、今年もそんな季節がやってくる。

せっかくだから今年は高松城か、松山城あたりに行ってみようかな、などと思う。松山城の雲海も見てみたい。9月下旬から4月上旬が見頃らしい。

けれどなんといっても天空の山城。途中までは車で行けても頂上までは歩くことになるだろうし、観光客も多いらしい。手術後歩くに不自由はなくなったけれど、山の上り下りは厳しいかもしれない💦

やはり地元か!実はうちから車で10分から15分程度の所にも城がある。正式には城がかつてあった所で、今は城跡だけで、近年櫓だけ新設された。


津山城と言って、かつて一度も闘いに巻き込まれたことのない城だ。本能寺の変で討ち死にした森蘭丸の弟の森忠政により平山城として築城されたと記されている。

闘いに巻き込まれたことのない城がなぜないのか!?とーさんは昔、戦争の時に標的にされないように城を壊したのだ、と言っていた。地元民のとーさんが言うのでずっとそうなのか、と思っていたけれど、実は明治になって廃藩置県により、城がことごとく壊され石垣だけが残されたと記されていた。とーさんも祖父母に聞かされたのかもしれないけれど、大きな勘違いをしていた。地元民でもね。

それにしてももったいないことだ。けれど戦争時にはやはり爆撃を受けたりしたかもしれないし、壊される運命だったのだろう。


まだ在りし頃の津山城 明治7年ころまでは存在していたのに。

その後城跡は鶴山(かくざん)公園として1000本の桜が植えられ、桜の名所100選にも選ばれている。







近いしここに行けよ、と言う感じだけれど、シーズンになると人人人でごった返し、最寄りの駐車場にはとても停められない。さくらまつりのシーズンには少し離れた総合体育館の駐車場から巡回バスを出さなくてはいけないようなことだ。それに山城と言うほどではないけれど、上まで行くには長い石段もある。近くて遠いのだ。

とーさんなど、人混みが大嫌いだから決して行かない。昔現役警察官の頃は警備で行っていたけれど、桜より人ばかりを見ていただろうし、その影響か、人の多く集まる所が嫌いらしい。桜を見るのは好きだから毎年山奥の人のいない所には桜見物に出かける。

とは言え、人で賑わう花見も私は好きなんだけれど、流石に鶴山公園には足が向かない。けれどずいぶん前に友人3人で行ったことがあった。まだ膝も痛めていない頃でお弁当を用意して楽しいひとときだったことを思い出す。

ただ鶴山公園の夜桜は何年か前にとーさんと行ったことがあった。夜なら昼よりマシだろうと言うことで行ってみた。駐車場に停めることもできた。今より(手術後はよくなっているけれど)膝の方もマシだったのだろう。人はやはり多かったけれど、ごった返すほどではなく程よい夜桜見物を味わった。以後だんだん私の膝が悪くなり行くことはなくなった。







今年は膝の手術もしたし、ちょっと出かけて行きたい気分になる。どこでどんな桜を見ようか。行ける時には行っておかないと、そう思う年齢になった。ただ鶴山公園には行かないだろう。今年も車から眺めるだけになりそうだ。それでも充分美しい地元の自慢の城跡公園(鶴山公園)と桜だ。近県の方なら一度は見る価値はあると思う。(人、多いけど)







映画のラストに流れる曲がなんともいい!