阪急電車 片道15分の奇跡 | やまとうた響く

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日々の出来事や想いを綴っています。エッセイ風に書けたら素敵なんだけれど。

先日テレビで阪急電車 片道15分の奇跡、が放送された。一旦 録画をして仕事休みの今日ゆっくり観た。この映画は今から11年前の映画で、私は過去にDVDだったかで観たことがあった。当時もいい映画だったと思ったけれど、あれから10年近くたって再び観てもやはりいい映画だった。いい物は時代を超えてもやはりいい。




当時はまだみんなガラケーで、ファッションもこんなだったんだ、と10年ほどで変わるものだとまた別の角度からも楽しめた。さらに芦田愛菜ちゃんがまだ7歳くらいで可愛かったこと😍

内容は特にドラマチックなことは何もないのだけれど、文字通り阪急電車に乗り合わせた全くの見ず知らずの7人の人生が少しずつ交錯して、まるで関わりのなかった人の阪急電車を通したわずかな関わりがそれぞれの人生に少しだけ光を射していく。

私が今回心に残ったのは、戸田恵梨香さん演じる女性が南果歩さん演じる女性にかけた言葉だった。

戸田恵梨香さんが演じるのは、顔だけが取り柄のろくでもない男と別れた女性で、南果歩さんが演じるのは、息子のPTAの付き合いのある母親達との付き合いに辟易しながらも誘いを断れない女性だった。

あまりのストレスに胃を痛めた女性に戸田恵梨香さん演じる女性が、価値観の違う人とは辛いと思えるうちに離れとった方がええねん。無理して合わせて一緒におったら自分もそっち側の価値観に慣れてしまうから。

この言葉が心に響いたのは数日前に学生時代からの友人からラインをもらい、介護施設での仕事のことで相談されたからだった。彼女の施設は個人の典型的な家族経営の施設で、福祉法人の施設で長年働いてきた私からみたら信じがたい完全アウトな施設だった。

経営中心で、全く利用者さんや働く人のことは考えない施設のようだった。結局辞めることにしたのだけれど、私も辞めることを勧めるし、辞めることを選んでよかったと思う。

人手が足りないのに、友人が仕事ができるのをいいことに、できるじゃん!みたいに友人にどんどん仕事を依存して出来るだけ人員を増やさずに済まそうとしていて、このままでは友人、頑張れば頑張るだけ心身共にすり減っていくばかりだった。

戸田恵梨香さんの言った言葉がまさにそのまま彼女に伝えたい言葉だった。ずっと我慢して頑張っていても、こういうものだ、と辛い状況に慣れていくのが一番怖い。自分をすり減らしていることに気づかなくなる。貴女の職場は異常だよ!普通じゃないよ!そんな感じのことを伝えたけれど、その後押しのような、メッセージのような台詞だったのだ。これから友人も新しい道を生きていって欲しいし、そうできると信じている。

映画は時にこうして自分の人生と重なることがあるものだ。映画ではこうして7人の人生に少しずつ光が差していく。その全部を記事で語れないけれど、宮本信子さんと芦田愛菜ちゃんのおばあちゃんと孫も、つい私と孫のうたと重ねて観てしまった。

けれど私と違い宮本信子さん演じるおばあちゃんはかっこ良かった!電車の中で人の迷惑を顧みず大声で喋る一団!まさに南果歩さん演じる女性のストレスの元であるPTA軍団に毅然と説教するおばあちゃん!





驚いて見つめる孫!


一団を撃退したおばあちゃんに拍手を送るたまたま乗り合わせた二人。この二人も主人公だ。





誇らしくおばあちゃんを見つめる。芦田愛菜ちゃんの演技が可愛くも素晴らしい。

7人の人達皆の人生が少しずつ明るく動き出し観ていて気持ちのいい感動に包まれた。


顔だけのろくでなし男と別れる手伝いをしてくれた友。そうそう、ガラケーはパキッと半分に折れるよね!気持ちいいだろうなぁ、やってみたい!


水の入ったコップにチャポン!スカッとするなぁ😄

宮本信子さんと中谷美紀さんのストールもなんとも素敵だった。これから秋に向けて是非真似したい。こういうところも映画の醍醐味だ。


中谷美紀さんも演技が光っている。素敵な女優さんだ。

お洒落なかっこいいおばあちゃん!

電車にたまたま乗り合わせただけの人達とのささやかな関わりが人の人生を変えていく。ほんとにささやかで、誰もが意図した訳でもなく全力で力を貸したわけでもなく。


そして戸田恵梨香さんと中谷美紀さんの最後の言葉が効いている。悪くないよね、この世界も!みんなの人生が少しだけ明るく動き出したけれど、それでも人生はまた暗い影を落とすことだってある。そうハッピーだけで終わることもないだろう。でも小さな奇跡は起こるし、ハッピーだね!じゃなくても悪くないね、と言って生きられたらいいんじゃない!?そう思わせてくれた映画だった。この映画を見れたことも、悪くないよね、そう思える。