Banbi通信 VOL.348 | 初鹿明博オフィシャルブログ Powered by Ameba

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国民には知らされていない重大な真実…

 辺野古が完成しても、普天間は返還されない!?かも

 

玉城デニー新知事が誕生!

 9月30日の沖縄知事選挙で、立憲民主党を含む野党側のオール沖縄が支援した元自由党衆議院議員の玉城デニー氏が、政権側が支援した候補者を大差で破り、新知事に就任したことはご存知だと思います。玉城新知事は就任早々、安倍総理と面会し、選挙で示された県民の沖縄に新たな基地は作らせないという意志を伝え、辺野古新基地建設に断固反対する旨を伝えました。

 しかし、政府は辺野古に新しい基地を建設するというこれまでの方針を1㎜も変えることなく、10月17日に防衛省が行政不服審査法に基づく形で国交相に対抗措置を申し立てたのです。この方法は2015年に県が埋め立て承認を取り消した際にも行いましたが、国民救済を趣旨とする制度を権力の側である政府が用いたことに対し、専門家らから批判が相次ぎました。訴訟に訴えるという手段もあったはずですが、どちらが勝ったとしても、控訴、上告と続き、時間がかかることと裁判所がどのような判断をするか予測がつかないことから、批判覚悟で、政権内で処理出来て早く結論を出せる今回の手法を選んだのでしょう。

 選挙が終わったら、どのような結果が出ようと何らかの対抗措置を取ると思っていたので、驚きはしませんが、改めて、安倍政権は沖縄の民意には聴く耳を全く持っていないのだなと確認出来、民主主義を軽んじている政権なのだと確信しました。

 

辺野古が完成しても、普天間は返還されない?

 さて、多くの方は周囲に学校や住宅が密集している普天間飛行場が危険だから、普天間飛行場を返還してもらうために、代替施設として辺野古に新たな滑走路を作る計画が進められていると思っているでしょう。そして、辺野古新基地建設に消極的ながら賛成している方の中に、普天間を固定化させる方が、いつ大きな事故が起こってしまうか分からないから、辺野古に基地を作ることは止むを得ないのだと主張される方が多くいます。

 しかし、これは真実を知らない方の主張で、普天間の返還の条件を素直に読むと、辺野古が完成しただけでは普天間は返還されないようになっているのです。

 実は辺野古が完成しても、普天間は戻ってこない、普天間が返還されるためには、更に沖縄県民が受け入れ難い条件が付けられているという事実があることが知られていないのです。

 普天間返還の条件は2013年に日米両政府が嘉手納基地より南にある6施設の返還・統合計画を発表した際に示されたもので、返還条件は8つあります。

 そのひとつに「普天間飛行場代替施設では確保されない長い滑走路を用いた活動のため、緊急時における米軍による民間施設の使用を改善する」というものがあるのです。

 これだけだとどういう意味か分からないと思いますので、解説すると、現在の普天間飛行場の滑走路は約2700mありますが、辺野古に新たに作られる滑走路はオーバーランを含めても1800mしかないのです。

 米側はここを問題視しており、大型機が緊急時に着陸出来る場所を確保するように日本側に求めた結果が、民間施設つまり民間の空港を緊急時に米軍が使えるようにするという条件を付けたのです。

 現状では、この民間施設がどこなのかは全く明らかになっていませんし、そもそも、このような条件が付けられていることも多くの国民、いや、国会議員ですら知られていないのです。

 つまり、現状では緊急時に米軍が使える2700m級の滑走路を持った民間施設が決まっていないので、辺野古が完成したとしても、返還の8条件の1つを満たしていないので、普天間は返還されないのです。

 そんなことはないだろうという方もいるかもしれませんが、この条件が履行されることが必要だというのは政府も認めざるを得ず、昨年の参院外交防衛委員会で、沖縄等米軍基地問題議員懇談会の会長代行である藤田幸久議員の質問に対して、当時の稲田朋美大臣は「普天間の前提条件であるところが整わなければ、返還とはならない」と素直に答弁してしまったのです。

後で慌てて、そのような事態は想定していないと取り繕いましたが、条件が整わなければ普天間は返還されないのです。

 

那覇空港が狙われている?

 この条件を満たすためには米軍が緊急時に使用できる民間施設を決めなければなりません。この条件を満たせる民間施設は限られていて、沖縄県に2700m級の滑走路がある空港は那覇空港と宮古島市下地島空港のふたつしかないのです。

 恐らく、沖縄の玄関口である那覇空港を想定しているのでしょうが、沖縄県民の反発が予想されるために明らかにしていないのでしょう。

那覇空港は現在、航空自衛隊も使用する軍民共用空港になっています。今年の6月には管制官の指示を無視して航空自衛隊のF15戦闘機が滑走路に進入し、着陸準備に入っていた民間機が着陸を停止するという重大インシデントが発生しています。

 米軍機が使用できるようになると同様のことが頻繁に起こりかねず、大きな事故の危険もあり、沖縄県民にとってはとても受け入れ難いことではないかと感じます。

 辺野古の基地建設にあたって、政府は普天間の危険性の除去、沖縄の負担軽減ということを強調しますが、辺野古が完成したとしても、普天間は返還されない可能性があり、返還されるとしたら那覇空港が危険な状態になるというように、沖縄の負担軽減には全くなっていないのです。

 条件にあるのは緊急時だから、那覇空港の使用を認めても、使われることは滅多にないと主張するのかもしれませんが、そもそも、この条件で緊急時の定義がされておりません。

 緊急時というと例えば朝鮮半島で有事があった、近隣諸国で紛争が起こった等の異常事態だけを指すと考えるかもしれませんが、飛行中の航空機に異常があり、不時着の必要があるという場合も緊急時として米側は主張する可能性もあります。昨年末から、米軍機の不時着や不時着水が相次いでいます。このような形で米軍機が那覇空港を使用することになるとしたら、沖縄県民はどう感じるでしょうか?

こういう重大な問題を政府はきちんと説明せずに辺野古の工事を強引に進めようとしているのです。そして、与党の議員の多くがこのような 条件が付けられていることも知らずに辺野古の基地建設に賛成しているのです。

 米朝首脳会談により北朝鮮の非核化が動き出しています。非核化の目途が立ち、米朝が終戦協定を締結することになれば、北東アジアの安全保障環境は大きく改善し、その結果、沖縄の基地の位置付けも大きく変わります。

 そもそも、昨今の戦争・紛争の現状を考えると米海兵隊のような部隊の必要性に疑問があります。

 沖縄に米海兵隊はいりません。