Banbi通信 VOL.315 | 初鹿明博オフィシャルブログ Powered by Ameba

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その場しのぎの虚偽答弁は許さない

「そもそも」に「基本的に」という意味は無い!

 

 先月、私が出した教育勅語を教材として使うことについての質問主意書に対して、「教材として使うことは否定しない」という答弁を閣議決定したことが一つのきっかけとなって、質問主意書に注目が集まっています。

 質問主意書とは、衆参議員が委員会や本会議での質問とは別に、政府に対して文書で質問するもので、この答弁はそれぞれの担当部局で作成されたものを、最終的には全閣僚が出席する閣議で決定します。

 答弁が閣議決定されるということは、政府の公式見解としてその後の内閣に引き継がれていくことになるというかなり重いものであります。

 この閣議決定が安倍政権になって非常に軽く考えられてしまっているのか、それとも、意図的なのか、過去の政府答弁や閣議決定と明らかに反することを決定するようになっている一方、反論出来ない批判や回答に窮するような質問には、真正面から答えない逃げの答弁をするようになっています。これは数の力に任せた安倍政権の驕りの象徴だと感じています。

 こうした中、また私の質問に対して真正面から答えない、とんでもない答弁が戻って参りました。

 13日、土曜日の朝日新聞、毎日新聞の二紙で取り上げていただきましたが、安倍総理が答弁で使った「そもそも」についてです。

 既に紙面やネットでご覧になった方も多いと思いますが、政府は、『「大辞林」(三省堂)に「(物事の)どだい」との意味が記されており、「どだい」には「基本」という意味がある』との答弁書を決定し、「そもそも=どだい=基本」という「三段論法」で首相発言を正当化したのです。

 この記事が土曜日の午後にネットで配信されてから、私の事務所への電話やメール、SNSの書き込みで「くだらない質問するな」「時間の無駄だ」「税金の無駄だ」などという批判が寄せられました。このような批判をして来た方が質問文までちゃんと読んだのか定かではございませんが、ちゃんと質問文を読み、私の質問意図を理解していただければ、非常に重要な質問であったとご理解いただけるものと思っています。

 なぜ、私がこのような質問をしたのかを記していきたいと思います。

 私は「そもそも」をどういう意味で総理が使ったのかを問うている訳ではありません。総理が誤用したにもかかわらず、その場を取り繕う為に、辞書を引いてもいないのに、「念のために辞書で確認した」と嘘の答弁をしたと思ったので.それを確かめる為に質問主意書を出したのです。

 ことの発端は、1月26日に衆議院予算委員会での我が党の山尾しおり議員の共謀罪の対象となる組織的犯罪集団に関する質問に対して、安倍総理が「そもそも罪を犯すことを目的とする集団でなければならない」との答弁です。

 この答弁に対して、4月19日の衆院法務委員会で先の質問をした山尾議員が、「そもそも」は「最初から」の意味で、当初オウム真理教は宗教団体だったので摘発対象外か、と矛盾を突く質問をしたところ、何度も辞書で調べてみたと言い、「山尾議員は最初からという意味しかないと思っているかもしれないが」「基本的なという意味があることも知っといていただきたい」と言っているのです。しかも「念のために辞書で調べてみたんです」と発言した時、総理は山尾議員を小馬鹿にするように笑いながら発言し、それに応じるかのように議場の自民党議員が大笑いするという状況だったのです。

 是非、衆議院TVというHPに過去の委員会に動画が残っているので4月19日の法務委員会、山尾議員の質問の47分頃から数分間をご覧下さい。

 ここまで質問者を馬鹿にするように自信満々に発言しておきながら、実際には辞書で調べていなかったとしたら、皆さん、どう感じますか?

 実際にいくら色んな辞書を引いても「そもそも」=「基本的に」と記載のある辞書は出てこないのです。

 国会答弁で総理が嘘をつくことを許していたら国会は成り立たなくなってしまいます。国会は言論の府であり、議論を戦わす場であります。その前提として、嘘をつかないという事があるのは当たり前の事です。

 安倍総理はあのような辞書で調べたなどという言い繕いをせずに「本来に意味にはなかったのかもしれず、使う単語を誤ったかもしれないが、自分は「基本的に」という意味で使った」と答えれば済んだはずです。

 だから、私は質問主意書を出して、安倍総理は本当は辞書を引いていないと思い、それを確かめる為に、使った辞書がどこの出版社のなんという辞書かを尋ねたのです。

 最近、安倍総理は批判を受ける事を極端に嫌い、「民主党政権の時はこうだったじゃないか」とか「そんな事したって民進党の支持率は上がりませんよ」とか逆ギレしたような答弁をしたり、今回のようにその場限りに言い逃れをしようとしたりと真摯に議論を戦わそうという姿勢がありません。

 この態度は官僚にまで伝播しており、森友学園の問題では、佐川理財局長が理財局のパソコンは一定期間がくると自動的にデータを消去し二度と復元出来ないシステムになっていると、誰も信じないような答弁をしてしまうようになってしまっているのです。

 黒塗り資料に虚偽答弁、このような事がまかり通ってしまったら、日本の民主主義は崩壊してしまいます。

 我が国は議会制民主主義の国であって、安倍総理を頂点とする君主制の国ではありません。総理大臣だからと言って何をやっても良い訳ではないのです。

 総理夫人が公務員の秘書を私的な用事にも連れ回し、総理のお友達は優遇される、これでは民主国家と言えないのでは。

 まさに、今、日本の民主主義の危機だと感じています。

 是非、この思いを共有していただきたいと思います。