Banbi通信 VOL.312 | 初鹿明博オフィシャルブログ Powered by Ameba

初鹿明博オフィシャルブログ Powered by Ameba

初鹿明博オフィシャルブログ Powered by Ameba

籠池氏、証人喚問で爆弾発言連発!

安倍総理の100万円寄付は本当か~森友学園問題の真相は解明できるのか?

 

 2月8日の朝日新聞のスクープから始まった森友学園問題が佳境に入って参りました。

 先週木曜日、24日に衆参の予算委員会で森友学園の籠池康博理事長の証人喚問が行われ、嘘をついたら偽証罪に問われる状況の中で、これまでは明らかになっていなかったことも含めて、爆弾発言とも言える発言を籠池理事長が繰り返したのです。

 参議院の予算委員会のメンバーが現地調査を行った際に、籠池理事長が安倍昭恵夫人を通じて安倍総理からと100万円の寄付を受けたと発言したことに対して、自民党が「安倍総理を侮辱した」と参考人ではなく、嘘をついたら偽証罪に問われる証人喚問を実施することになりました。与党の思惑としては、マスコミの前では威勢のいい籠池理事長といえども証人喚問の場ともなれば緊張して思うように話すことが出来なくなる、質疑を繰り返すことで矛盾が出てきて、籠池理事長というのは大嘘つきで、嘘つきの籠池理事長が小学校の設立が上手くいかなくなった腹いせに大嘘をついただけだとの印象を付けようとしていたのでしょう。しかし、実際に行なった結果はいかがでしょうか?

 籠池理事長は終始冷静さを保っており、証言に矛盾はなく、堂々と証言しており、偽証罪に問われてまで虚偽の証言をしたとは思えませんでした。

 籠池氏の証言の中で最も注目を集めているのは、経産省から内閣府に出向して安倍昭恵夫人付きとなっていた女性職員が、籠池氏からの要望事項を財務省に照会していたということです。証人喚問で証言した後、籠池氏のもとに送られてきたFAXを公開したので、さすがに官邸も否定することは出来ず、この職員が個人で行ったことで決済はしていないとしつつも、財務省に照会し、回答を得て、籠池氏に返していた事実は認めました。

 翌日の参院予算委員会で問われた安倍総理は、照会はしたけどゼロ回答だったから忖度もなく問題ないと答えましたが、本当に問題ないのでしょうか?

 まず、安倍総理はこれまで自分と昭恵夫人が森友学園の小学校認可や国有地の購入には一切関与していない、もし、関与していたら総理大臣どころか国会議員も辞職すると明言していたのです。今回、明らかに昭恵夫人は土地の購入について関与しているのでは?夫人付きの職員の自らの意思で行ったということにしようと思っているのかもしれませんが、そんなことがあり得るのでしょうか。昭恵夫人からの指示があって動いたと考えるのが自然だと思います。全く関与していないと断言していたのですから、ゼロ回答だったからいいんだとはならないと思います。

 そして、ゼロ回答であったのかも疑問です。FAXの2枚目に具体的な要望事項について、それぞれコメントが付されていますが、その4番目に、「工事費の立て替え払いの予算化について」という項目があります。籠池理事長は、森友学園の財務状況が厳しいから工事費用を国に一旦立て替えて欲しいと要望をしていたようですが、この回答が以下のようになっているのです。「平成27年度での予算措置が出来なかったため、平成28年度での予算措置を行う方向で調整中」となっています。つまりは、この段階では予算が付く場合もあれば、付かない場合もある。しかし、総理夫人サイドから照会があったので忖度して予算化した可能性もあり得えます。断定的にそうだとは決めつけられませんが、可能性は否定できないと指摘させていただきます。やはり、昭恵夫人も証人喚問に応じる必要があるのではないでしょうか。

 そして、この段階ではゼロ回答であったとしても、森友学園には総理夫人が応援していると財務省に伝わったことになり、その後の対応の中で、忖度して国有地の売却を森友学園側に有利に進められた可能性も否定は出来ません。

 籠池氏自身も工事の途中で廃棄物が出てきてからとんとん拍子に進んでいったことを認めているのですから、当時の財務省の担当者や交渉に当たっていた森友学園側の弁護士の証人喚問無くしては真相解明には至らないと感じます。

 もう一点、注目すべきは大阪府の動きです。今回の問題の本質は二点です。なぜ国有地が破格の値段で売却されたのかということと、小学校を作るには土地を所有していなければ認可されないはずが、賃貸で認可相当になった、この二点について政治家の口利きがあり、行政手続きが歪められたのではないかということです。

 この後者の小学校の認可、つまりは大阪府の私学審の決定に政治家の力が加わっていたのかということがもう一つのポイントだと思います。

 今回の証人喚問で籠池氏は複数の政治家の名前を挙げ、相談していたことを明らかにしました。具体的に動いていたとされたのはお亡くなりになった畠さんという大阪府議の方ですが、それ以外の方々がどの程度関わっていたのかは不明です。そして、認可を出す責任者の松井知事がどう動いたかも不明です。

 しかし、籠池氏が「今だから言えること。既に事務局である大阪府、松井一郎からの意向が私学審議会に圧力となってあったと私は認識している。」「政治的背景があった」と発言したことは重いと感じました。質問に立っていた維新の会の下地議員も動揺したのか「松井さんはあなたが学校が出来るようにはしごをかけた。はしごから落ちたのはあなた自身なんですよ」と松井知事が便宜を図ったことを認める発言しました。

 このやり取りを聴いて、籠池理事長も松井知事と直接会ってはいないと言っていますので、間に誰かが介在はしているのでしょうが、多くの方は松井知事も設立認可に大きく関わっていると感じたのではないでしょうか。

 昭恵夫人をはじめ名指しされた方々は籠池氏の証言を否定しています。どちらかが嘘をついていることになりますが、物証がないことは悪魔の証明でどっちが正しいのかを証明できません。

 こうなるともう一方の当事者は嘘をついても罪に問われないような状況で反論するのではなく、籠池氏と同じ条件、つまり、嘘をついたら偽証罪に問われる「証人喚問の場」で真実を明らかにすべきです。それ以外に、真実に辿り着く方法はありません。

 与党は真実を明らかにするために、安倍昭恵夫人、松井一郎大阪府知事、財務省の関係者の証人喚問を直ちに認めるべきです。