Banbi通信 VOL.281 | 初鹿明博オフィシャルブログ Powered by Ameba

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安保関連法案が強行採決
 「違憲」の政府案は撤回を!

 1960年7月15日、連日国会をデモ隊が取り巻く中で、安保条約を批准したことにより、国民世論から強い反発を招き、混乱状態を作った責任を取って、岸信介内閣が総辞職をしました。
 それから55年経った今年、同じ7月15日に安倍総理は祖父である岸信介元総理の無念を晴らそうとしたのか、衆議院の特別委員会で安保関連法案が強行採決されました。
 民主党議員がプラカードを持って委員長席に詰め寄り、怒号が飛び交う中で、与党は強引に採決に臨みました。
 採決の前日、安倍内閣の閣僚のひとりである石破茂・地方創生相が記者会見の場で「国民の理解が進んでいるかどうかは世論調査の通りであって、まだ進んでいるとは言えない。あの数字を見て、国民の理解が進んだと言い切る自信はない」と発言。
 また、安倍総理自身も採決の数時間前の質疑の中で、「残念ながら、まだ国民の理解は進んでいる状況ではない」と答えているにもかかわらず、戦後70年歩んできた我が国の専守防衛、平和外交路線を大きく転換することになる今回の法案を強引に採決したことは言語道断であります。
 そして、分からない奴は何を言っても無駄だから理解してもらう必要はないのだと言わんばかりの姿勢に民主主義の危機を感じます。
 これは、安倍総理だけの問題ではなく、自民党という政党が、異論を挟む報道の規制すべきだという発言をする議員がいるように多様な考えを認めることが出来ない、非常に狭量な政党に自民党が変わってしまったということではないでしょうか。
 自民党内にも今回の安保関連法案について批判的な議員もいるはずです。しかし、村上誠一郎議員以外表ではっきりと反対だと言う議員はおらず、採決でも村上議員と若狭議員の二人が欠席しただけで、明確に反対の意思表示する議員はおりませんでした。
 もはや民主主義の政党とは言えない酷い状況に陥っていると言わざるを得ません。

 さて、我々、維新の党は、7月8日に維新の党の独自案を国会に提出したばかりで、全体の審議時間は100時間を超えたとはいえ、我々の独自案の審議時間は多く見積もっても6時間程度であったことから、まだ十分に審議が尽くされていないとの思いで、委員会では反対討論はして、独自案には賛成し、政府案の採決については他の野党と同様に退席して、抗議の姿勢を見せることとしました。
 私たちの案は、憲法学者の小林節慶大名誉教授などから「合憲」とのお墨付きをいただいているモノとなっていて、ほとんど全ての憲法学者が「違憲」だと断じている政府案とは明確に異なっています。
 我々、維新の党は、北朝鮮の脅威、中国進出による緊張が高まるなか、日本の安全保障体制の見直しは急務だと考えています。
 しかしながら、立憲主義の国である以上は憲法の範囲を逸脱することがあってはならないと考えて独自案を作りました。
 また、政府案では、国民の多くが不安に感じている尖閣諸島近海でのグレーゾーン事態に対応出来る法整備は何一つありません。このような近くを守ることについては何もせずに、存立危機事態や重要影響事態と政府が認定すると、中東やアフリカ、地球の裏側まで自衛隊を派遣することが出来るような中身になっています。
 これに対して、我が党の案は、我が国近海で発生するグレーゾーン事態については領域警備法案を民主党と共同提案し、武力攻撃事態という我が国に武力攻撃が発生する事態についてのみ自衛権を発動が出来ることとしています。また、PKOなどの後方支援活動も、武器弾薬の提供は禁止、活動地域も非戦闘地域のみに限定、派遣範囲もこれまでの周辺事態法を維持して我が国の周辺に限定しています。
 このように、維新の案は、近くをしっかり守って、遠くまでは出ていかないことを基本としています。
 憲法にも適合しているし、自衛隊の派遣や武力行使について歯止めがしっかりかかっているのは我々の案の方だと自信をもって言えます。
 立憲主義を守り、報道の自由、言論の自由、そして、何よりも我が国の民主主義をまもるためにも、衆議院で強行採決したことに対し、厳重に抗議すると共に、政府案を撤回させ、我が党の案の成立を求めて参ります。
 舞台は参議院に移りますが、諦めずに、政府案は廃案に追い込むように与党議員にも働きかけて行こうと考えています。