Banbi通信 VOL.274 | 初鹿明博オフィシャルブログ Powered by Ameba

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高校生諸君! 他人事ではないぞ
 選挙権、18歳に引き下げに!

 現在20歳の選挙権を18歳に引き下げる法案が今国会で成立する見込みとなりました。
 維新の党を含む与野党6党が今国会で成立を図ることに合意し、衆議院に公職選挙法の改正案が提出されました。
 若い世代の投票率の低下が深刻で、その打開策として投票年齢を引き下げることとなった訳ですが、果たして効果は如何程なのでしょうか?
 20代の投票率は常に全体の投票率を下回っていますが、1967年には7ポイントの差だったものが、昨年の衆院選では全体の投票率が約52%のところ20代は約32%とその差が20ポイントに拡大しています。
 この数字を見て率直に感じるのは、投票率を引き下げたところで若い世代の投票率が上がるとは思えず、新たに加わる18歳、19歳も20代と変わらず3割程度しか投票に行かず、結果として、全体の投票率を引き下げることになるということです。
 投票率を引き上げることを目的にしながら、結果として投票率が下がってしまったら本末転倒なので、法案を成立させる以上は、若い世代が投票に行く気になるような対策をしっかり取ることが必要だと感じます。
 そもそも、若い世代が政治に無関心なのは、教育は政治的に中立であるべきとの理由から学校教育の中で、政治の重要性についてきちんと教えていないからだと私は感じています。
 中学や高校で公民や政治経済という科目はあっても、地理や歴史に比べて軽く扱われているのが現実で、また、その中身も何世紀も前の思想家の書いた本の題名を覚えたり、三権分立などの外形的なことを習うだけで現実生活との関連性を見出しにくいことが中高生の関心を引かずに政治嫌いをもたらしているではないかと感じています。
 また、マスコミの報道でも政治家のスキャンダルばかりが報じられていて、我々の生活に深く関わることを議論しているとの報道がほとんどなく、政治家は悪い人たちの集まりのように若い世代の方々に思われているように感じます。
 これでは、積極的に選挙に行こうという意識にはならないだろうと思うのです。
 私自身としては、28歳で初めて都議選に立候補し、32歳で初当選し都議になり、若い自分が議員になって駅頭などで活動をしていけば、きっと同世代の方々が関心を持っていただけるのではないかと思い、15年間通勤通学時間の駅頭活動を続けてきましたが、結論から言うと、あんまり効果がなかったと言わざるを得ません。残念ながら江戸川区は全体の投票率が低いこともありますが、ここ数年20代の投票率は20数%しかありません。
 選挙権を引き下げるのに合わせて、中学、高校で民主主義において主権者は自分たち自身であるということを自覚させるような主権者教育を行なう必要があると考えます。また、家庭の中でも家族でニュースを一緒に見たり、食卓での話題に最近の政治について取り上げる等、大人が意識していくことも大事だと考えます。
 そして何よりも大事なことは我々政治家が襟を正して、政治不信を払拭する努力をすることが必要だと感じます。
 そして、興味を持った方が、自分の選挙区の議員がどういう活動をしているのかを知ることが出来るようにHP、SNS、そして、街頭活動などアクセスしやすい環境を政治家の側が作っていかないとならないと思います。
 区議会議員選挙が近づいてきているので、現職のみならず新人の候補予定者も駅に立ちだしていますが、ただ突っ立って頭下げている方もいますが、そうではなく、自分が何をしたいのかどんな政策を実現しようと考えているのかを皆さんに知らせることをして欲しいものです。そして、選挙の前だけやるのではなく、常日頃から活動の報告に励んで欲しいと感じます。
 この法案が通れば、現在高校2年生の方の中にも来年の参議院選挙に投票することが出来る人が出ます。若い諸君も他人事と思わず、自分のことだと思って政治に関心を持っていただきたいと思います。

生活保護
 娘のアルバイト代
  不正受給ではない

 生活保護に関して画期的な判決が出ました。高校生だった長女のアルバイト収入を申告せず生活保護費を不正受給したとして、川崎市が約32万6千円の返還を求めたのは違法だとして、父親が決定の取り消しを求めた裁判の判決が3月11日、横浜地裁で出され、父親の請求を認め川崎市の決定を取り消しました。
 この長女はアルバイトによって高校の修学旅行費用を捻出したり、大学の受験料に使ったりしており、裁判長は「これを申告せずに生活保護を受けたことを不正だと断じるのは酷だ」と述べております。
 ご存知の無い方も多いと思いますが、生活保護を受給している方がアルバイトなどで収入を得るとその金額を保護費から減額されます。これは保護世帯の子どもが働いて収入を得た場合でも同様で、これを申告しないと「不正」受給とされるのです。現在、不正受給の約45%はこのような働いて得た収入の未申告となっており、その中に高校生の子どものアルバイト代の申告漏れも含まれているのです。(次は年金の未申告が約20%)
 生活保護世帯の高校生が学費や進学など将来の自立に向けた費用を貯蓄することを目的にアルバイトしても、それが家計の所得に組み入れられ、保護費を減額されることになってしまうと貯金も出来ず、進学も諦めざるを得なくなる場合が生じ、貧困の連鎖を断ち切ることが出来なくなってしまいます。
 生活保護世帯の子ども達が貧困の連鎖を断ち切って自立した生活を営むようにするためにも、アルバイトによる収入を世帯の収入に合算せずに子ども本人のために使ったり、貯蓄を認めたりする必要があると考えます。
 また、高校卒業後に就職してしまうとこの子どもの収入によって保護が打ち切られてしまうことになるので、子どもが就職することを望まない親がいると聞いています。これでは子ども達が自立し、貧困状態から抜け出していくことが出来なくなってしまうと考えます。
だからといって高卒のお給料で一人暮らしをするのは家賃の高い東京では厳しいのが現状です。
高校などを卒業して子どもが就職した場合、同居でも世帯分離を認めて、親の生活保護を打ち切ることなく、そのまま一緒に暮らし続けられるようにすることが貧困の連鎖を断ち切ることに繋がるのではないかと考えます。
 「不正」受給というと道義的に許されないような酷いことをして保護費を騙し取っていると感じている方も多いと思います。中には悪質なケースもありますが、今回のように不正とするには酷なケースが多々あるのが実態です。
 刑事告発が必要になるような悪質なケースを除いて「不正」受給とするのではなく、別の呼び名、保護費の過払いとか返還数だとかで公表するようにした方が実態に即するし、国民に間違った印象を与えることが無くなると感じます。
 生活保護が貧困の連鎖を断ち切り、格差の是正に本当につながる制度となるように努めてまいります。