｢平和を作った世界の２０人」 ケン・ベラー＆ヘザーチェイス著
岩波ジュニア新書
平和に生きる・ティク・ナット・ハン
「たゆまぬ努力と大きな影響力を備えた、ガンジー以来の卓越した精神
的指導者であり 社会活動家」 であるティク・ナット・ハンはベトナム人
禅僧である。世界平和のために働くとともに 内面の平和を育てる事を
説いています。
彼は世界平和への鍵は、｢平和に生きる事｣の実践に あると信じていま
す。
ティク・ナット・ハンの言葉
本当の力とは権力やお金、武器ではなく心の深みにある平和に根ざす
ものなのです。
私たちははたして敵を愛する事ができるのでしょうか。
その人を理解しその人がどのようにして いまのような人になったのかを
理解するしか、その方法はありません。
民族の運命を決めるという一大事を 政治家のみにゆだねてはなりませ
ん。
私たちの中にある怒りや暴力、怖れの種に日に何度も水をやればその
種は強く育つでしょう。・・・・けれども思いやりの種を育てて行けば自分
の内面や身の回りに平和を育むことになるのです。
人間がまったく非暴力的になるのは難しい事ですが、私たちは非暴力に
向かって まちがいなく歩んでいけると思います。
非暴力は行動しないという事ではありません。非暴力とは愛と慈しみを
持って行動するという事なのです。
私たちは銃をとるために生まれてきたのではありません。
愛するためにうまれてきたのです。
朝起きると、私はほほえみます。
私の前には まっさらな２４時間があるのです。
その一瞬一瞬を精一杯生き 慈悲のまなざしであらゆる存在を眺め
ようと心に決めるのです。
苦しみをなくすこと、どんな小さな苦しみであろうと取り除く事が平和
への大切な行動なのです。
「飢えで子供たちがなくなる現実がある。それでも夜明けは美しい。
壁伝いに咲いた今朝の薔薇は奇跡です。人生は過酷でもあり
すばらしくもあります。」
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著者はいいます。
この様な人生の両面を理解し自らの内に平和の種を 育てる事に
より 人類は世界で豊かな平和の実りを刈り取る事ができるでしょう。
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