HATのブログ -4ページ目

HATのブログ

IT関係のニュースを中心に記事を掲載します。日経コンピュータで重要だと感じた記事とコメントを2010年9月1日号から書いています。
このブログは個人的なものです。ここで述べていることは私の個人的な意見に基づくものであり、私の雇用者には一切の関係はありません。

日経コンは2週間に1度、年に52週÷2=26冊出る雑誌です。2010年から全号精読して記事をザッピングしています。
※はブログ筆者のコメントです

 

特集は<メガ銀、リテール再興 主戦場はデジタルに>です。私が日経コンピュータのザッピングを行っているのは、企業の基幹システム刷新に資する情報を得るためです。銀行の戦略には残念ながら興味がありませんでした。政治的な話でなく技術の話を聞かせてほしいです。
 

また、当号には吉例Book in Bookの「日経BPガバメントテクノロジー2025年秋」が55頁と「顧客満足度No.1企業に訊く」という広告が30頁入ってましたので倍ほどの厚みでした。

ITが危ない:システム刷新で「内部統制無効」 相次ぐ決算訂正が示す問題】(P.08)
システム刷新の影響で決算の訂正を行うだけでなく、財務報告に関わる内部統制について「有効でない」と開示した企業があります。
キーコーヒー:2025年1月に新たな基幹システムに移行。在庫データが2重計上され2025年3月期の純利益を37%減と下方修正
ツインバード:2024年11月にERP「mcfreme」導入。システム不具合で原価計算に誤り。内部統制を「有効でない」と開示

防ぐための5つのポイント
①業務プロセスの整理と統制要件の明確化 ②適切な時・人の関与 ③外部委託先の統制確認 ④人材の強化 ⑤経営層の理解とリーダーシップ


※この2件の事例と①~⑤は関係が薄いように思います。単にテスト不足じゃないのでしょうか?

メガ銀、リテール再興 主戦場はデジタルに】(P.11)
1.日銀がならした号砲 個人向け事業に活路
金利のある世界への回帰を日銀が誘導し、個人向け戦略を着々と進めています。
三菱UFJFG:自前主義。個人向け「エムネット」始動
みずほ:楽天グループとの連携
三井住友FG:オープン戦略でTポイントやソフトバンク提携
りそなHD:りそなGアプリで顧客接点。アプリは横展開

2.自前主義の三菱UFJ 単独で新デジタル銀
新ブランド「エムネット」を旗印に、ロボアドバイザー国内最大手のウェルスナビを完全子会社化。家計簿アプリのマネーツリーも買収しました。エムネットの中核を成すデジタル主体の新銀行を2026年後半に単独で開業させる予定です。
 

3.先行する三井住友 Olive軸に提携推進
個人向け総合金融サービス「Olive」を展開し、想定を上回る成果を上げています。2024年には当初計画よりも1年前倒しでOlive事業の黒字化を達成しました。ポイントサービスはTポイント、家計簿アプリはマネーフォワード、決済はPayPayと連携しています。


4.みずほは楽天とタッグ 地銀連合目指すりそな
みずほFGは楽天グループとの連携を中心に、既存チャネルを拡大しています。
りそなHDは2018年から提供する「りそなグループアプリ」を中心とし、アプリで得た顧客の行動ログなどを「りそなDMP」に格納し、デジタルマーケティングを活用しています。また地銀8行と連携して共創関係を築いています。

*みずほFGは4000億円かけ勘定系を刷新。トラブル続きで今年また1151億円かけてリニューアル予定。三井住友の勘定系リニューアルは500億円です。この差はなに?

IT Japan Award 2025】(P.34)
日経コンピュターが主催し、優れたIT活用事例を毎年発表する「IT Japan Award]の19回目の発表がありました。
グランプリ:富士フィルムHD
 →ブロックチェーンで部品調達を刷新。3万品目
準グランプリ:Sustainable Shared Transport
 →ヤマトHDが富士通と構築した共同配送システム
特別賞:
伊藤忠商事・・・デジタル変革
サントリー・・・現場内製で100のアプリ
マツモトプレシジョン・・・SAPのCO2モジュール
明治HD・・・30年来のメインフレーム完全撤廃
KDDI・・・顧客データを暗号化したまま分析する

※グランプリで部品調達にブロックチェーンを利用する意味がわかりませんでした。

インタビュー:ぐるなび 社長CEO 杉原 章郎氏】(P.76)
2025年3月期、コロナの影響で赤字になっていたものが黒字に転化しました。コスト体質を大幅に見直し、1ヶ月に20億円の売上がないと利益がでなかったところを、10数億円あれば利益が出るようになりました。

掲載料を頂いていますが、店の予約を誘導するところまで進めないと掲載料の維持が難しくなっています。2018年7月に資本提携した楽天グループとの連携を強め、楽天経済圏の中で伸ばしていきます。

Googleマップに店舗情報を掲載する運用支援を行っています。ぐるなびへのアクセスには繋がらないこともありますが、飲食店にとって本職ではない販促や顧客関係管理は我々が代行した方が効率的です。今後AIを使ったサポートを行っていきます。

※ぐるなび はほとんど使ったことがなかったのですが独立系だったのですね。画面が綺麗なのでどこか大手の運営かと勘違いしていました。

RKKCS導入自治体でシステム障害 窓口業務ができず、情報伝達に課題】(P.81)
ガバメントクラウドの障害対応に課題があることがわかりました。福岡県広川町では自治体向けシステム開発を手掛けるRKKCSの「新総合行政システム」を利用しています。同システムはガバメントクラウドの1つ、米オラクルのOCI上で稼働しています。

広川町は公表資料で障害の原因がOCIにあることを示唆しましたが断定は出来ませんでした。住民には何が発生しているのかわからない状況でした。

ガバメントクラウドはデジタル庁がオラクル社などのクラウドサービス提供者(CSP)と契約した上で、デジタル庁が各自治体に利用権限を付与します。自治体はデジタル庁やアプリケーションサービス提供者(ASP)などと個別に契約し、アプリケーションを利用します。今回の場合、日本オラクルと、RKKCSとの間には直接の契約関係がないためオラクルの障害情報が入手しづらい状況でした。

 オラクル ー デジタル庁 ー 地方自治体 ー RKKCS

デジタル庁がガバメントクラウドに関する情報提供などを担う「GCAS(Government Cloud Assistant Service)」に障害情報を共有したのは、障害が解消した翌日でした。

※デジタル庁がオーバーヘッドにしかなっていないことが明白なので運用技術者からオラクルへの直接の連絡手法が必要でしょう。

Google検索の「AIモード」が日本語に AI検索の波が本格的に押し寄せる】(P.82)
2025年9月9日、米グーグルはAIを活用した検索機能「AIモード」の日本語での提供を開始しました。

AIモードでは「クエリー・ファン・アウト(query fan-out)」という技術を活用します。質問を噛み砕いて複数に分解し、それぞれの検索を実行して組み合わせる手法です。

AIが回答を直接示せば、ユーザはそこで概要を閲覧する必要がなくなるため、情報元のサイトはトラフィック数の減少への懸念を強めています。グーグルは「観測されるトラフィック数は安定しており、減少は見られない」とこうした懸念を否定しています。

※回答の横に参考にしたリンクが見やすく一覧されていますのでPCでは使いやすいと想います。

CIO/CDOオブ・ザ・イヤー2025 三菱マテリアル板野則弘氏が大賞に】(P.86)
■日経クロステックが選ぶCIO/CDOオブ・ザ・イヤー2025
大賞:三菱マテリアル 板野則弘氏
 →IT子会社設立、DX戦略を策定し推進
特別賞:日本取引所G 田倉聡史氏
 →現物株売買システム「arrouwhead4.0」指揮
   :みんなの銀行 宮本昌明氏
 →デジタルバンクの設立、勘定系の外販
■日本クロステックが選ぶCTOオブ・ザ・イヤー2025
大賞:サイバーエージェント 長瀬慶重氏
 →生成AI事業成長、AI時代を見据えた人事改革
特別賞:アルバック 清田淳也氏
 →医療や量子コンピュータの事業創出
   :日亜化学工業 成川幸男氏
 →長期視点での内製化にこだわり光デバイスで業界トップ

※CIO/CTOが引っ張ることで企業のITが進む事は間違いないので会社としての表彰よりは意味があると思います。ただ、IT Japan Awardと表彰企業が重なってないことが残念です。

ケーススタディー:東京ガス】(P.90)
基幹系をマルチSaaSで刷新AIなど最新技術も導入し質向上
東京ガスは、経理・会計分野の基幹システムをクラウドサービスで刷新しました。ガスの小売と分配(導管)を分離する成否方針に従い、導管部分を東京ガスネットワークとして分離しました。

 

会計システム移行のためにはオンプレミス環境も2社分を構築するしかなく数十億円必要でした。また経済産業省がルールを定めた「ガス会計規則」と、上場企業が採用する「一般会計規則」の2つの会計規則を使い分ける必要が生じしました。ガス会計規則は5000を超える勘定科目を使っています。

ベンダーに提案を求め、PwCコンサルテイングが持っているテンプレートに決まりました。2023年2月に要件定義開始し、2025年4月に切り替えました。これらの業務をほぼSaaSの標準機能でカバーしました。5000を超える勘定科目の変換ルールは「DataSpider Servista」に人手で整備しました。

会計システム:SAP S/4HANA Cloud
固定資産管理:ProPlus (プロシップのSaaS)
データ連携基盤:DataSpider Servista
伝票登録システム:Spendia (TISのSaaS)
AI入金消込:STREAM AI ARM (MiletosのSaaS)
取引先への帳票:楽楽明細 (ラクスのSaaS)

今後このシステムをグループ会社にも利用できるようにする予定です。

※売上や在庫システムからの仕訳連携に関して殆ど書かれていませんので全体像がわかりませんでした。

動かないコンピュータ:イセトー】(P.96)
300万人分の個人データが漏洩 個情委の行政指導で数々の不備が露呈
京都で情報処理サービスなどを手掛けるイセトーは、金融機関や地方自治体といっった団体から委託を受けて、様々な通知書の印刷・発送業務のための個人情報を預かっていました。
2024年5月に第三者から不正アクセスされ、個人データが漏洩しました。また個人データがランサムウェアによって暗号化され、ファイルがダークウェブ上の公開されました。2025年3月に個情委はイセトーへの行政指導を公表しました。漏洩の影響を受けた個人データは300万件以上であることがわかりました。

イセトーは、社内のネットワークを業務用と基幹用に分けていました。個人データは業務用だけで取り扱うルールでしたが、このルールは明文化されていませんでした。
イセトーの全56部署中3部署では、基幹系ネットワークに個人データをコピーして業務を進めていました。

基幹系ネットワークがVPN機器を経由して不正に侵入され個人情報が被害に会いました。VPN機器は2021年4月以降アップデートされておらず、最新のパッチを適用していませんでした。業務用ネットワークには侵入されていませんでした。

※イセトーは1855年、江戸時代に紙屋として創業し時代の変化に応じて変化し続けてきた企業です。こういう企業は応援したくなります。

キーワード:vibe coding(バイブコーディング)】(P.103)
vibe codingとは、人がコードを記述することなく、AIが記述した結果を受け入れるプログラミング手法のことです。vibeとは「雰囲気」という意味を持ちます。

(生成AIの提案に対し)常に「全て承認」を選びます。エラーメッセージが出たときはコメントなしでそのまま(生成AIに)コピー・アンド・ペーストします。大抵の問題はこれで解決します。

※今後こういうスタイルが標準になる可能性がありますね。

社長の疑問に答える IT専門家の対話術 第302回】(P.108)
現場が主導し業務を改善 要件定義までこなす方法
2025年9月17日に出版された「ビジネスプロセス・マネジメントのための業務フローの書き方」(山原雅人・明庭聡著)を基に、基幹システムの要件定義工程としてBPMをスモールスタートで導入するやり方を見てみましょう。

BPM(ビジネスプロセスマネージメント)は、BPMN(ビジネス・プロセス・モデル&ノーテーション)と呼ぶ国際標準の記述を使って業務フローを描き、そのフローをBPMS(ビジネス・プロセス・マネージメント・システム/スイート)を使って実際に動かすことを指します。BPMはほぼ全てのステップを現場の実務者が進めます。
 Step1:まず現状の業務フローをBPMNで描く
 Step2:業務の改善案を考える
 Step3:新たな業務フローをBPMNで描く
 Step4:さらに詳細化する
 Step5:BPMSというツールで新たな業務フローを動かす

BPMSは各業務を自動化するとは限りません。手作業ではなく自動化したほうが良い業務については
 Step6:自動化についてシステムで対処する
ということでIT部門が担当します。

※新しい業務フローを各担当に集まってもらってサンプルの伝票で業務が回るか確認してもらったことがあります。それを仮想的にできるツールがBPMSでしょう。

以上
 

日経コンは2週間に1度、年に52週÷2=26冊出る雑誌です。
2010年から全号精読して記事をザッピングしています。
※はブログ筆者のコメントです
 

特集は<セブンの次世代店舗システム 変化し続ける構造へ全面刷新>です。選択された基盤やツールは精力的に取材されていますが、「何故」という点で色々疑問が残る記事でした。ベンダーごとに深掘りしてほしかったです。

ITが危ない:無防備PDFが標的に 生成AIで高まる改ざんリスク】(P.08)
文書として改竄されにくくマルウエアが混入する恐れも低いと思われているPDFですが、生成AIの普及で状況が変わりつつあります。

広く利用されている生成AIサービスは通常悪意のある指示には従いませんが、制約のない生成AIを使うと数字や文書を書き換えたり、見えない文字を組み込んだり出来ます。

改正伝帳法では、受信したPDFをおおよそ最長2か月以内に電子署名やタイムスタンプをつけるルールになっています。そのため、タイムスタンプ付与は受け手側の負担だと考える企業が多く、発行時に付与している企業は1〜2割とのことです。

電子署名を付与する前に改竄されるリスクがあります。

※帳票ツール専業のウィングアーク1stが発行時に電子署名出来る機能を出しましたのでそのアピールでしょうか

セブンの次世代店舗システム 変化し続ける構造へ全面刷新】(P.10)
1.将来を担うシステム 5年かけ全国稼働へ
セブンイレブンの1日あたりの平均来店客数は2000万人。おにぎりの販売個数は年間20億個。1秒当たり63個売れています。この膨大な件数を処理する店舗システムを刷新します。
2026年2月までに全国約2万店に展開する予定です。予算規模は推定で500億円です。
2.クラウドを全面採用 ストコンは廃止へ
次世代店舗システムの大きな特徴は、ストアコンピュータ(ストコン)の廃止しクラウド化した発注検品用の専用端末を廃止しiPad/Android機など汎用端末に変えた の2点です。
ストコンとはPOSレジからの売上データや発注データなどを集めて本部システムへ送信する役割を持っています。次期システムでは、タブレット端末やPCなどから直接クラウドにアクセスします。クラウドはGoogle Cloudを選択しました。

ネットワーク遮断で業務がとまらないように、発注や検品、現金支払いなどの重要業務は、緊急時にはタブレットやモバイル端末だけでも実行出来るようにし、処理に必要なデータも端末で保持しています。
3.3000人の体制構築 ツール共通化で統制
従来は野村総合研究所(NRI)とNECの2社が中心となって開発していました。今回は業務領域ごとに担当ベンダーを分けました。

発注システム:NEC、営業計画システム:NRI、

教育:富士通、POS:東芝テック、

GoogleCloud:クラウドエース、PMO:アクセンチュアなど

先行展開から2万店の全国展開完了までは約1年間。多い日は1日に200店でシステムの入替作業を実施する必要があります。
4.2万店データを集約 即時処理の分析基盤
全国の店舗からデータを収集・分析する基盤、セブンセントラルを構築しデータの活用を行っています。旧システムでは店舗在庫はストコンから1日1回のバッチ処理で本部に送っていましたので最短でも翌日の朝まで在庫分析は出来ませんでした。新システムでは全てクラウドに入っていますのでリアル分析が可能になりました。

※昔少しだけセブンイレブンのシステム構築に関わった時は鈴木敏文会長(当時)がお元気でしたので、トップダウン決済でした。2016年に退任されてから買収提案などもあり心配していました。システム刷新で全社一丸となったという事でしょう。日本を代表する企業です。一層活躍して欲しいです。

インタビュー:マルハニチロ社長 池見 賢氏】(P.42)
<デジタル生かし「魚食のリデザイン」 事業と企業文化の変革に挑む>
水産物の価値を改めて皆さんにお伝えしたいと考えて「魚食のリデザイン」という表現で事業変革に取り組んでいます。魚の価値を改めて色々な形で伝えていきます。

従来は工場で商品を作り、市場に流して買ってくださいと提案していました。今後マーケットドリブン、消費者志向にするために消費者に関するデータを集めて活用しています。

マルハニチロは山口県下関市のマルハ(旧・大洋漁業)と新潟県三条市のニチロ(旧・日魯漁業)が2007年に経営統合した会社です。その後徐々に事業統合し2014年に完全に合併しました。マルハは缶詰、ニチロは冷凍食品に強みを持っており、強みを活かして事業を推進してきましたのでそれぞれのやり方が残り続けています。2026年3月社名を「Umios」に変更し企業の土台から変えようと考えています。

※Umiosは推し活が流行っているので、「海+推す」かと思ったら違いました。umi(海)+ one(一体化)+ solutions(社会課題解決) とのこと。グローバルブランドを目指すなら、ぜひ佐藤可士和さんにブランディングを依頼して欲しいです。

情報処理技術者試験が全てCBT化 対策業者から「合格率が上がる」の声】(P.56)
2026年から情報処理試験のうち、ペーパー方式で実施してきた「応用情報技術者試験」「情報処理安全確保支援士試験」「高度試験」の3区分をCBT(コンピュータ・ベースド・テスティング)方式に切り替えます。これにより全ての情報処理技術者試験がCBT方式で実施されることになります。


試験日は、一定期間内に複数の日程で試験が実施され、受験者が選べるようになります。科目A試験(旧・午前試験)と科目B試験(旧・午後試験)は別日で受験できます。

在宅では受験できず、試験会場に行き用意されたパソコンで回答します。論文もキーボードで書きますので、「手書きでの文書執筆に慣れていない」ITエンジニアには楽になるでしょう。

※全国の試験場でネット障害があると中止でしょう。私も手書きの論文に苦労して何度も練習しました。キーボードは楽だと思いますが、エディタが使いやすいかが心配です。一太郎の縦書きじゃなければ良いのですが

島根銀行がAWSで勘定系を刷新 SBIの次世代システムを採用】(P.58)
島根銀行は2025年7月22日、勘定系システムを刷新しました。新システムにはSBIHD傘下のシステム会社とフューチャーアーキテクトが共同開発した「次世代バンキングシステム」を採用しました。

旧システムは日本IBMの勘定系パッケージである「BANK/E」のラストユーザでした。保守メンバが減少し、新機能追加が難しくなったためシステム刷新に乗り出しました。

2019年9月、SBIHDと資本業務提携しました。SBIHDは資本業務提携先の地方銀行に次世代バンキングシステムを横展開する取り組みを行なっています。

※フューチャーとは一度仕事を行ったことがあり圧倒的な技術力を持った会社だと認識しています。SBIの北尾氏とフューチャの金丸氏が組めばすごいことが出来そうですので楽しみです。

ヤンマーがグローバルの人事システム 世界展開を前に国内で先行稼働】(P.61)
ヤンマーHDはグループ全体で海外売上比率は60%を超えます。従業員約2万1000人のうち、約7000人が海外在住です。日本だけでなく海外のメンバーをアサインするプロジェクトも増えています。

そこで、2019年ごろから人事制度をグローバル全体で適用できるように方針を転換していきました。その1つとして2020年ごろからグレード体系を策定しました。グレードごとの報酬制度や職種ごとにどんなスキルセットが必要かを定義しています。

人事制度の改革が進んだ2023年7月、Workdayの導入を検討し始めました。2年弱のプロジェクトを経て
 ①2025年4月に国内での展開を完了
 ②2026年4月までに全世界への導入を目指し展開中
 ③2030年ごろまでには報酬体系や海外採用など完成
プロジェクトアサインで、求めるスキルを検索すると社員の候補リストが出てくるためアサイン候補の選択肢が広がります。

※有名な非上場企業ですが着実に企業改革されています。

CIOが挑む:トライアルカンパニー CDO 古賀輝幸氏】(P.72)
基幹刷新で店舗増に追従 新会社で流通網最適化へ
格安スーパーマーケットの「トライアル」は1984年の創業時からシステム内製体制を維持し、POSや発注システムを自社開発してきました。「ITで流通を変える」という思想が根付いています。

今当社が抱える最も大きな課題は基幹システムの刷新です。これまで日次や月次のバッチ処理を前提に構築してきましたが、今回リアルタイム処理を行うクラウドシステムで構築します。

2025年7月には西友の買収を完了しました。基幹システムの刷新により大型店から小売店まで、業態が異なってもシステムを統合できる柔軟性とスケーラビリティーを確保します。現在国内外で500〜600人のITエンジニアを抱えています。

※トライアルは当初IT開発会社がスーパー経営に乗り出したという大変ユニークな会社です。ITで流通を変えて欲しいと思います。

社長の疑問に答える IT専門家の対話術 第301回】(P.92)
情報活用で仕事をより良くする そうできれば日本は元気になる
前号で300回となりました。それを記念してFacebookで意見を求め299回と300回でその意見を紹介しました。今回はこの連載をどう進めるかについて読者の3点の意見から考えてみます。
▪️進む先を自ら示す
これまでも「情報化」「SIS」「BPR」「IT革命」「DX」「デジタル化」など色々な言葉が登場しましたが、乱暴に言えば同じことを言ってました。「情報を活用して仕事をより良くする」という事でしょう。今後も色々な方の意見を聞きつつ対話の術を紹介していきます。
▪️変革に注力する
連載の変革にAIを使うべきか。本音を言えば使いたくないが読者の意見を読むと「解くべき問題」は自分で設定すると言っている。世界の情報がとても少ないため情報収集のためAIを活用すれば良いのだろうか?
▪️将来の担い手を育てる
「情報を活用して仕事をより良くする」ための手法はこれまでも書いてきましたが、引き続き後進にも役立つように分かりやすく書いていきます。

※AIを情報検索として使う事はまだ悪手です。最新の情報が入ってないためです。壁打ち相手として使うべきだと思います。

以上
 

日経コンは2週間に1度、年に52週÷2=26冊出る雑誌です。
2010年から全号精読して面白かった記事をザッピングしています。
※はブログ筆者のコメントです
 

特集は<次の30年も頼られる存在へ 第30回 顧客満足度調査>です。何と第1回から30回までの全ジャンルの1位企業名を数頁に一覧されてました。第1回の1994年には「汎用機」がありました。ジャンルが毎回微妙に違うので横串が通らない残念な一覧でした。

次の30年も頼られる存在へ 第30回 顧客満足度調査】(P.10)
第30回 顧客満足度調査は、19部門が成立し首位交代が9部門でした。
・システム開発(基幹業務):日立システムズ
・ERP:オービックビジネスコンサルタント(OBC)
・人事・HRテックソフト:OBC(給与奉行など)
・データ分析:ウイングアーク1st(MotionBoadなど)
・経費清算ソフト:ラクス(楽楽清算など)

著名CIOらが直言 選ばれる3カ条
①ユーザと議論・共創する力を育てよ
②スピードの価値を知るべし
③AIを積極的に活用せよ

※楽楽清算はCMが印象的ですが悪い噂も聞きませんので優秀なソフトなのでしょう。一度調べてみたいです。

米ユーデミー CEO ヒューゴ・サラザン氏】(P.48)
動画学習プラットフォーム「Udemy」運営会社のトップに2025年3月に就任されました。日本での事業は10年。企業変革に挑まれています。

オンライン学習のプロバイダーから、企業や学習者のリスキリングを支援し、将来の労働力の強化に貢献する立場になりたい。そのためには次の3点が必要だと考えています。
①企業の支援 ②プラットフォーム型の事業への転換 ③AIを活用しニーズを反映した学習内容を提供
Udemy内には約25万のコースがあります。AIで学習者のニーズを捉えた提案などを行いたいと考えています。

※25万のコンテンツがあるならAIを活用して様々なことが出来そうです。コンテンツを持っている企業が強くなる可能性を秘めています。

米オープンAI、新モデルGPT-5発表 「博士号レベル」とアルトマンCEO】(P.56)
アルトマンCEOはGPT-5の発表でこういいました。

「GPT-3は高校生、

  GPT-4はそこそこ賢い大学生、

 GPT-5は、博士号レベルの専門家

に感じられるようになった」
有料ユーザは、<難易度が極めて高い複雑なタスクに対応できる「GPT-5 Pro」も使えます。またコーデイング性能が高くなりました。GPT-5が特にすごいのは「質の高いソフトウエアを即座に書いてくれること」だそうです。

※無料版のchatGPTも一斉にGPT-5に変わりました。レベル違いに優秀になりました。情緒が無くなったというクレームもあるそうです。

カプコンが「モンハン」でTiDBを導入 500万人規模の不可試験に耐える】(P.60)
カプコンはゲーム「モンスターハンターワイルズ」で異なるゲーム機をまたいでユーザ同士が協力できる機能を導入しました。従来のデータベースは、AWSのNoSQL「Amazon DynamoDB」をメインに利用していました。ところが検索負荷が高い今回のゲームでは不安があるためPingCAPが提供する「TiDB Cloud Dedicated」を導入し6ヶ月に及ぶ負荷テストを実施しました。500万人規模の負荷に耐えたそうです。

※TiDBはPostgreSQL互換で動かせる分散DBです。大規模システムにはもっと使われるべきだと思います。

競技プログラミングで世界2位に オープンAIのAIが人間に次ぐ好成績】(P.61)
2025年7月、競技プログラミングの大会「AtCoder World tour Finals 2025」でエキシビション枠で米オープンAIが開発したAIが参戦。10時間にわたる最適化問題プログラミングで参考記録ながら2位になりました。
1位はポーランドのPsyho氏でした。AIは複数のバリエーションのプログラムを自動生成し、推定得点が高いプログラムの選択を高速で繰返す戦略を取っていました。

※競技プログラミングはいわば「教師あり学習」です。様々な分野の競技プログラミングを開催すればAIも進化するでしょう。

乱反射:AI授業に支えられ売上高は14%増 大手19社の2025年4~6月決算】(P.63)
企業向けIT世界大手19社の2025年第2四半期決算の報告です。データセンター、ソフトウエア、サービス、クラウドの4分野合計について、売上は前年同期比14.2%増となり5四半期連続の2桁成長になりました。特筆すべきはAIのワークロードを支えるインフラ(データセンター)への前例のない規模の投資です。

<クラウド>  売上(M$) 伸び率(%)
マイクロソフト  46,700  26.6
AWS        30,873  17.5
グーグル     13,624  31.7
セールスフォース   9,829    7.6

※セールスフォースの伸び率は10年前は20%以上でしたが2024年11月に10%を切り1桁常連になりました。

AIリーダーズ:中外製薬 DXユニット長 鈴木貴雄氏】(P.70)
<創薬研究などで価値創出>
※大変興味深い経歴でした。
 2000年にNTTコム入社、大手法人向けのSaaS開発
 →データやAIは使う事が目的でなくビジネスインパクトが重要
 その後米国でシステムアーキテクトなどを経験
 2018年 マイクロソフトへ転職
 →非常に衝撃的。全てがデータとAIで動いていた
  社会に対するインパクトや倫理まで考えてAIを活用
 2024年 中外製薬に転職
 →AIを使い、自ら責任を持ってビジネスで価値を創出

生成AIはすでに社員90%以上が使っていますので、今はAIエージェントに注目しています。例えば創薬や臨床試験(治験)、生産現場の規制順守など適用領域は多くあります。AIエージェントには社員と同じようにログインIDを与える方向で議論しています。ゆくゆくは社員と同じ扱いをしていく覚悟が必要です。

日本がAIビジネスで勝てる要素は3つあると考えています。①超高齢化社会になり関連マーケットが大きい ②日本人の勤勉さや匠の技、こだわりの部分がユニーク ③日本人の強みである協調性で非競争領域なら共同出来ます。

※社員全員教育とか何の意味があるのかわからない話が多かった中、ようやく本物のAI活用企業に出会えた感じです。教育コンサルや大学に騙されていないかもう一度考えてはどうでしょう?

社長の疑問に答える IT専門家の対話術 第300回】(P.82)
※連載300回おめでとうございます。継続こそ力なりですね。

コラム筆者がFacebookに「社長(経営者)が今すぐすべきこと」というお題で意見募集した回答。前回に続いて今回は4ページにわたってほぼ原文通り全18人の回答を載せました。「進む先を自ら示す」「変革に注力する」「将来の担い手を育てる」の3点に大別出来ました。

※ここには3点だけピックアップします。
自分が所属する業界のデジタルトランスフォーメーションを提案し、仲間を集めて提案する
社長の使命は業界を活性化すること。社内は役員に任せておけば良い。自分の役職の1つ上のために動くべき

AI戦略における軍師、つまり「AI使いの諸葛孔明」「AI使いの李牧(りぼく)」「AI使いのガンダルフ」のような人をパートナーとして確保し、社長自らAIを使い倒すことで魔法のような効果を実現する
課題は社長が自分で出し「AIの真価とすごさを実感」するという体験なく「これからはAIの時代」といっても何も変わらない。

長い間経営層にいるならAIの世界で話題の「ポチョムキン理解(見せかけの理解)」を理解する。取り巻きの巧言令色は遠ざけなければならない。

※李牧はキングダム、ガンダルフは指輪物語でしょうか。上のインタビューの中外製薬の鈴木氏はそういう役割かも知れません。

以上

 

日経コンは2週間に1度、年に52週÷2=26冊出る雑誌です。
2010年から全号精読して面白かった記事をザッピングしています。
※はブログ筆者のコメントです


特集は<生成AI活用の命運握る「AI-Ready」データ>です。私が今年4月に投稿した<基幹システムがポンコツならAIエージェントはゴミを出す>もぜひ参考にしてください。

ITが危ない:AIエージェント技術「MCP」に脆弱性 外部接続に情報窃取のリスク】(P.08)
AIエージェントと外部システムをつなぐ共通プロトコル「MCP(モデル・コンテキスト・プロトコル)に関する脆弱性の報告が相次いでいます。

4月にはこれまでの数倍にもなる、1日50近い数のMCPサーバーが公開されました。ところがそれらの中に脆弱性のある、または悪意のあるMCPサーバーが見つかっています。攻撃手法の1つが「ツールポイズニング」攻撃です。MCPサーバーに記載するプロンプトに悪意のある指示を埋め込んでAIを作動させます。

 

例えば、「指定されたURLにアクセスするには、機微ファイルが必要」とプロンプトを記載し、ユーザが認証を許可すると機微な情報が外部へ送信されてしまいます。怪しいMCPサーバーを特定する事は困難なので、公式のMCPサーバーだけをつかうなど自営が必要です。

※現時点で具体的な漏洩は聞こえてきませんのでセキュリティ会社の単なるアピールかも知れません。恐がり過ぎる必要はないでしょう。

<生成AI活用の命運握る「AI-Ready」データ】(P.12)
生成AIを業務で活用するには、業務データの質を高める必要があります。同じ「売上」でも意味の違うデータを与えるとまともに活用出来ません。
1.住友生命も構想中 AI-Ready5つの条件
(1)わかりやすい構造 (2)適切な意味づけ (3)高い品質 (4)統一的なデータ管理 (5)継続的な改善
2.リクルートが着手 非構造を扱いやすく
物件画像や間取りなどの非構造化データをどうAIに入れるかについて各社方法を模索していますが、まだ決定打はありません。
3.ミスミの品質確保策 DataOpsで継続改善
上記の5つの条件の中で「(3)高い品質」が最も重要です。
品質を保つための要素として3つが必要です。
①全社で定めたデータ品質基準があること
②データ品質の善し悪しを定量的な可視化出来ている事
③顧客ID、商品IDなどマスターデータの標準が整備されている事
4.大手ITがお膳立て データ基盤内にAI
米Google、オラクル、データブリックスなどデータ基盤を提供している大手企業が、データ基盤の中にAIエージェントを組み込み、自動で整備する動きが進んでいます。

※ミスミは日経コンピュータ2023.08.31で、800垓種類(垓は10の20乗、100エクサ)の基幹システムをマイクロサービスでAWSに乗せ替えた技術力のある会社です。データカタログを作り全社で定義を統一するなど真っ当なデータモデリングの正攻法で対応されているのでしょう。「AIで使うデータの整備をAIに任せる」という事を日本企業が是認するとは思えません。データモデルを見直しましょう。

デジタル日立への脱皮 Lumada核にコングロマリットへ】(P.26)
今となっては世界唯一かもしれないIOT基盤であるLumada。2024年度の売上割合は31%でした。2025年4月、徳永俊昭社長の新体制となり、「2028年3月期にLumada事業を50%、将来的に80%に高める」という目標を打ち出しました。

Lumadaは2016年5月に立ち上げ、すでに10年目に入っています。2021年に約1兆円で米グローバルロジックを買収した以降を2.0とし、今後AIを核にした3.0に進化させます。

米グローバルロジックは日立の文化を変えています。アジャイルで意思決定の早い文化によって日立を変革しています。「2日後に顧客プレゼンの予定が入った際に、平気でプロトタイプを用意する」そうです。

※Salesforceのような商談の進め方です。これが日立全体に広がるかがポイントでしょう。そのためにはSalesforceがやっているV2MOMを取り入れるべきでしょう。


フォーカス:オリックス銀行 社長 寺元 寛治氏】(P.46)
オリックス銀行の前身は1998年に買収した山一信託銀行ですが、大変ユニークな銀行です。キャッシュカードを発行してませんし、口座振替も手掛けていません。主力は投資用不動産ローンですが、保有する貸出債権を金融商品化して投資家に販売するマーチャントバンク事業にも注力しています。
 

寺元氏は三和銀行(現UFJ)、新生銀行(現SBI)を経て2013年に当行に加わりましたが、当時オリックス・グループCEOの宮内義彦氏から「普通の銀行と同じようなことはやめてほしい」と言われました。

クラウドゼロ、内製ゼロからのスタートし、2018年から「クラウドファースト」戦略や内製開発を主導しました。クラウド化は2025年3月時点で92%に達しました。ただ、システム開発を全て内製化するつもりはありません。勘定系など大型のシステムはITベンダーに任せた方が良いと考えています。

クラウド100%を目指すだけでは進歩がありませんので、SaaSやPaaSなどをもっと上手に活用し、AIも含めて内製化を推進していきます。

※オリックス銀行の記事は周辺システムの話がメインでしたのでパスしました。Salesforceも使われているようです。

地銀法人口座からの不正送金が急増 手口はボイスフィッシング】(P.53)
2024年ごろからネットバンキングで不正送金される被害が急増しています。2025年1〜3月の被害総額は16億円を超えました。このうち13億円は「ボイスフィッシング」によるものでした。

ボイスフィッシングは電話などの音声を組み合わせるフィッシング攻撃です。例えばこういう手法です。
1.犯人は金融機関を騙る自動音声の電話を企業にかけます
2.ネットバンキングの更新手続きが必要と案内します
3.このガイダンスに応じると職員と名乗る攻撃者に繋がります
4.企業の担当者のメルアドを聞き出しメールします
5.フィッシングサイトに誘導して認証情報を窃取します

※重要な操作をする時はこちらから電話しましょう

ケーススタディー:アサヒグループHD】(P.62)
調達基盤をグローバルで統合・構築 147億円のコスト抑制効果
アサヒグループHDは2016年ごろから海外企業買収を重ね事業を拡大してきました。事業会社の商習慣を尊重してビジネスを推進してきました。各種システムも地域リージョンごとに構築していました。

2021年、DX戦略の一環として「プロセスイノベーション」に着手しシステム統合を検討してきました。調達はシナジーが出そうだという結論になり2022年から設計開始。独SAPの「SAP Ariba」に統合しました。2024年4月から順次リリースし、2025年4月には各社が個別に使っていたシステムを廃止し、本格稼働しました。

システム稼働と並行し、システム統合のための組織「AGPRO(Asahi Global Procurement Pte. Ltd.)」を2024年1月に設立、調達機能の集約を図りました。各社各リージョンは必要な原材料などの資材からソフトウェアライセンスまでAGPRO経由で調達することで、価格を抑え各地の状況把握ができるようになりました。

サプライチェーンやデータ分析基盤も構築しましたがこれらはグローバルでのシステム統合はしていません。

※統合してメリットがあるかを見極めて進める姿勢は買収した企業を尊重しているということですので素晴らしいと思います。

キーワード:EUデータ法】(P.73)
EUデータ法は、データへのアクセス性を高め公正な共有を促すために2024年1月11日に発行した規則です。2025年9月12日に施行します。

EU市場にIoT製品を展開する製造業者や関連サービス、クラウド事業者などが対象です。IoT製品を使い生成される全ての生データと前処理済みデータで、製品やサービスの提供企業が容易に取得可能なデータについて3つの対応を求めます。
1.IoT製品のユーザがデータへ直接アクセスするUIを用意する
2.ユーザが求めると自身のデータを別の企業に提供する義務
3.他企業のサービスに切替る時データ転送する協力義務

※自動車やスマート家電、ヘルス機器など影響が大きいでしょう。

社長の疑問に答える IT専門家の対話術 第299回】(P.84)
「社長が今すぐすべきこと」は「現場が今すぐすべきこと」だ
当連載が記念すべき300回を迎えるにあたり、(谷島氏の)Facebookで「社長が今すぐすべきこと」を募集しました。18名から投稿がありその意見は次回300回で報告します。

今回はその前振りとして、社長がするべきことの意見の大枠を示します。意見の中には現場が今すぐすべきこともありました。
1.進む先を自ら示す
組織が進む先、将来像を描き示す。自組織だけでなく所属する業界や国、世界まで見渡してどこに進むかを示す。
2.変革に注力する
社長なら「1つ上」の業界全体の変革に尽力するべき。現場担当であれば、課長なら部の方向性を考えて課の運営方針を決めます。
3.将来の担い手を育てる
一番指摘が多かったのは人材についてでした。「長い間経営層にいるならAIの世界で話題の『ポチョムキン理解』を理解すべきだ」という指摘もありました。社長の意に沿うように表面的につくろう人材を作ってはいけないということでしょう。

ポチョムキン理解とは<18世紀のロシアで軍人グリゴリー・ポチョムキンが、女帝エカチェリーナ2世の視察のために、実態のない張りぼての美しい村を作って見せたという逸話に由来する。>いわば「見せかけの理解」と定義されています。

以上

日経コンは2週間に1度、年に52週÷2=26冊出る雑誌です。
2010年から全号精読して面白かった記事をザッピングしています。
※はブログ筆者のコメントです
 

特集は<DXの組織風土づくり 改革マインド醸成の「3変化」>です。これまでの組織風土では変革が出来ないためどんな工夫をしているかの話です。あまり興味ありませんので簡単にザッピングします。

ITが危ない:自治体が給付事務負担で悲鳴 「一律2万円」公約で浮き彫りに】(P.08)
2025年7月の参院選で自民党と公明党が「全国民に2万円を交付」と公約を出しました。時期や給付方法などの詳細は何も決まっていませんが、機先を制して指定都市市長会が、給付金事業の事務を国の責任で一元的に行うよう求める緊急要請書をデジタル相に出しました。

デジタル庁は「公金受取口座登録制度」を進めています。登録率はまだ51.1%にとどまります。アナログとデジタルの2種類の対応を行うと作業量は減らず増えるだけとのことです。

※これを機会に口座登録した人にだけ振り込むという法律を作るべきだと思います。

DXの組織風土づくり 改革マインド醸成の「3変化」】(P.12)
1.戦略的に風土を醸成 DXの停滞原因を打破
 日本郵船、住友化学、クレディセゾンの取り組み
 必要となる3つの変化①安心化 ②自分ごと化 ③定着化

2.事業部門に責任者 「自分ごと化」図る
「DXはIT・デジタル部門に任せる」という誤った認識を払しょくすることが重要。三菱マテリアルの取り組み

3.心理的安全性を確保 加点方式で挑戦促す
 従業員が失敗を恐れないように「心理的安全性」が求められます。SUBARU、ダイワハウス工業、オリックス銀行の取り組み

4.成功例を全社に拡散 次なるDXへ種をまく
部分的に始めたDXを全社に広げる「定着化」についての事例
クボタ、東京ガスの取り組み

※「DXを推進するため社長を交代」という事例は載ってません。イトーキの事例が知りたいです。

ソフトのサプライチェーン新時代 透明性確保で開発力を強化】(P.38)
1.ソフトSCの規制強化続々 透明性確保が必須に
ITシステムだけでなく、ハードウエアに組み込むソフトウエアが増えており、ソフトウエアサプライチェーン(ソフトSC)をしっかり管理し、その透明性を高めようという取り組みが広がっています。
自動車業界では、米国のコネクティッドカー規制で「中国製とロシア製のソフト/ハードを搭載した車両の輸入や販売を禁止」されます。ソフトに関しては2027年製造モデルから対象になる予定です。
2024年12月に発効し2027年12月に全面適用となる欧州サイバーレジリエンス法(CRA)は付属書にSBOM(ソフト部品表)の作成を求めています。

2.SBOMを全社で整備 委託先含め開発力強化
NTTとNTTデータではSBOM統合管理システムを作り、数年トライアルを経てて展開を決めました。セイコーエプソン、三菱電機、パナソニックAS、デンソーでも独自ツールで対応しています。

※中露ソフトを使っていない証明は大変でしょう。自動車業界は待ったなしですね


インタビュー:ケント・ベック】(P.58)
<生成AIは自身が学ぶための道具 生まれ変わってもプログラマーに>
生成AIを使って開発スピードだけが上がっても、組織全体のバランスが取れていなければ逆効果になることがあります。営業やマーケティングの準備が出来ていない場合は、開発スピードの向上が逆に負担になる可能性もあります。私は生成AIを、成果を出すためではなく学ための道具として使っています。今はまさに、AIによってソフトウエア開発の「ゲームのルール」が書き換わっている最中だと感じます。

新著「Tidy First? ―個人で実践する経験主義的ソフトウェア設計」で言いたかったことは、システム全体の構造を念頭に置き、コードを少しずつ試しながら自身の課題解決につなげる方法を学びます。それにより将来の変更や再利用がし易くなり、結果的に価値が高まります。

※ケント・ベック氏はテスト駆動開発でよく使われるJUnitの開発者でエクストリーム・プログラミング (XP) の考案者、アジャイルマニフェスト (Agile Manifesto) の起草者の一人でもあります。クリスタル手法の提唱者であるアリスター・コーバーン氏と2002年にNEC関西ビル地下で講演されたのを(会社をサボって)聴きに行きました。簡単な写真や絵だけが大スクリーンに表示され、寓話や比喩でソフトウエアがどうあるべきかを説明する素晴らしい講演でした。当時NECに居た牛尾剛氏が幹事をされてました。牛尾氏がマイクロソフトに移り、私がSalesforceに移ったのもこの時の講演がきっかけかもしれません。

OpenAIが「ChatGPT agent」 強化学習による新モデルで実現
米オープンAIは2025年7月17日、「ChatGPT agent」を発表しました。AIモデルがWebブラウザーなどを自律的に操作してタスクを実行する機能です。

AgentがWeb上にある悪意ある指示に従わないとか不審な指示を無視するようトレーニングされました。

※agentはRPA(Robotic Process Automation)に取って代わる可能性がありそうです。8月7日にGPT-5が発表されました。agentを組み込んでいるという噂もあります。記事が楽しみです。

日証協が口座乗っ取り対策の新方針 ワンタイムパスワードは原則禁止へ】 (P.66)
最近、相次いで証券口座の乗っ取り被害が発生しています。それを受け日本証券業協会(日証協)は2025年7月15日、「インターネット取引における不正アクセス等防止に向けたガイドライン」の改訂案を公表しました。8月18日までパブリックコメントを受け付けています。

・ログインなど重要な操作ではフィッシングに耐性のある多要素認証を実装すること。
→パスキーによる認証、PKI(公開鍵基盤)をベースとした認証

※上記案内もPDFだけで公開するなどいかにも古い体質です。ネット専業の証券会社が表に立って規制するべきだと感じます。

三井住友FGがAI新会社を設立 専担チーム設置、組織変革急ぐ】(P.67)
三井住友FGは、AIソリューションを提供する新会社をシンガポールに設立します。CEOには元マイクロソフトアジア社長のアーメッド・ジャミール・マザーリ氏が就任します。

将来的にはAI関連サービスの外販も視野に入れます。

※よく引き抜けたと思います。本気でAIを業務で使うためには機密情報も含めて学習が必要ですから、このフォーメーションが最短でしょう。

ケーススタディー:ソニー銀行】(P.74)

勘定系システムをフルクラウド化 富士通とパッケージを並行開発
 ソニー銀行は設立した2001年から、業務システムをオンプレミス環境で運用していました。必要なシステムをアドオンする形で機能追加したため「加速度的にシステムがグチャグチャ」になったため、システムのクラウド化を検討しだしました。

 

・2013年に周辺系システムでAWS利用開始

・2018年に富士通パッケージ(現在のクロスバンク)の採用に向けて検討を開始。6年半かけ共同で刷新

(1)パッケージ自体の作成と並行してソニー仕様追加

(2)現行機能の踏襲を徹底的(ソース確認し機能追加)

(3)リリース時の障害発生の未然予防の徹底(現新比較半年)

・2025年5月、クラウド勘定系システムを全面稼働

 

富士通のパブリッククラウドではなくAWSを採用させるなどパッケージ自体の要望も実現しました。多い時で富士通のエンジニアが約1000人、ソニー銀行は約200人の体制でした。

※1200名のプロジェクトを富士通さんはよくやり遂げたと思います。現新比較が出来るということは機能追加を最小限に絞ったのだと思います。その判断も素晴らしいと思います。


動かないコンピュータ:埼玉県所沢市】(P.80) 
所沢市の職員が2025年7月にマイナンバー法違反の容疑で逮捕されました。公務員が同法52条(職務以外の目的でマイナンバーを集めることの禁止)違反で逮捕されたのは初めてだそうです。

容疑者は次の4段階で虚偽の扶養控除手続きで税還付を受けました。扶養対象にした親族は5年でのべ40人だったそうです。
1.多数の親族の戸籍謄本を不正に入手
2.住基ネットから親族のマイナンバーを不正に取得
3.統合アテナシステムを使いマイナンバーから所得情報を調査
4.所得が少ない親族を扶養対象として控除を申請

不正が発覚したのは、同市の公益通報窓口に届いた内部告発文書でした。システム利用の承認はアナログで申請書類と押印だけですのでデジタイル承認にしない限り自動チェックは難しいとのことです。

※扶養40名なら、控除は38万円x40=1520万円。年収7百万だと税率23%ですので350万円ほど還付されますね。

キーワード:MCP(Model Context Protocol)】(P.85)
MCPとはAIエージェントと外部システムをスムースに繋ぐための共通プロトコルです。米アンソロピックが2024年11月に発表しました。OpenAIやGoogle、Microsoft、Salesforceなどの主要ベンダーが自社製品にMCPを実装したことをきっかけに広がりました。

とはいえ開発者利用者が、どの程度MCPに利便性を感じるかが鍵でありすぐに事実上の業界標準になるとは限らないとの事です。

※最近では、MCPの脆弱性についてのニュースも出てきています。一歩ずつ広がって欲しいです。

社長の疑問に答える IT専門家の対話術 第298回】(P.92) 
プロジェクトマネジメント推進団体PMI(Project Management Institute)が、プロジェクトでより多くの価値を生むための取り組みを4カ条にまとめ「M .O .R.E」と呼びました。その4カ条は人間にしかできません。

2025年7月12日、「PMI日本フォーラム2025」の基調講演で、Ike Nwankwo氏が新定義を解説しました。


プロジェクトの成功:かけた労力と費用に値する価値を提供
M:Manage perception(認識をマネジメントする)
 多くの関係者にプロジェクトの目的、価値の認識を揃える
O:Own project success beyond project management success(プロジェクト管理の成功を超えたプロジェクトの成功)
 チームメンバーに成功の定義を徹底する
R:Relentlessly reassess project parameters(プロジェクトのパラメーターを絶えず見直す)
 PJの状態をレビューし内外の変化に合わせて微調整する
E:Expand perspective(視野を広げる)
 会社全体、社会全体への影響を考える

※面白いのですが英単語が難しくて覚えきれません。

以上