特集は<デジタル人材育成2.0 トップから現場まで学びの歯車回す>です。デジタル人材を育成したいという気持ちはわからないでもないですが、ないものねだりの気がします。どうビジネスに生かすことが出来たのかという特集を期待します。
【編集長セレクト】(P.06) 無償登録だけで読める記事です
■米SECがビットコインETFを承認 証券口座を通じた投資が可能に
→とはいえ「ビットコイン自体を承認したわけでない」
■HPEがジュニパーを140億ドルで買収「AI駆動型ネットワークを加速」
→1/11の記事が1/25号に載るとは早くて驚き
■富士通幹部が英議会で証言へ システム欠陥による郵便局の一大冤罪事件めぐり
→英国の私人起訴制度が冤罪の一因だそうです
【デジタル人材育成2.0 トップから現場まで学びの歯車回す】(P.10)
DXを牽引する人材を育てる動きはコロナ前から始まっていました。デジタル(D)に軸足を置く人材育成が1.0、変革(X)に焦点を合わせる人材育成を2.0と考え2.0の勘所を探る特集です。
1.育成は次ステージへ
<住友生命保険>エンジニア向けのDX塾を全社向けに拡大
<三菱ケミカルG>シティズンデータサイエンスを推進
<中外製薬>DXの「全社ごと化」
2.現場発で全社動かす 「非IT」「市民」が推進
<クレディセゾン>伴走型内製開発で要件定義不要とした
→IT知識を持たず勝手な妄想で行う要件定義をやめた
「要件定義をやめよう」を語ろう 動画公開しました
3.トップ起点でけん引 育成サイクルを加速
<日清食品HD>プロジェクト推進者を育てるため独自の手法
【特集 インタビュー 情報処理推進機構(IPA)】(P.22)
理事長の齊藤裕氏です。「デジタルスキル標準(DSS)」を2022年12月に出し、8カ月後の2023年8月に「V1.1」として改定しました。デジタル技術は変化の激しい領域ですので<半年に1度改定があってもおかしくない>
→半年後なら2月ですが、さて・・・
スキルの標準化はIPAのデジタルアーキテクチュア・デザインセンター(DADC)が担います。デジタル社会の変革に必要な基盤づくりを担う「デジタル基盤センター」を2023年7月に新設しました。ここで「データスペース」を作ろうとしています。DXのために企業の壁を越えて業界内でデータを連係する仕組みです。
「DXリテラシー標準」を見直し「デジタルスキル標準v1.1」として公開されたそうです。
【生成AIで追い上げる AWS re:Invent 2023現地レポート】(P.26)
2023年11月27日から5日間にわたりAWS re:Inventが開催されました。内容的にはAI一色のイベントとなっていました。多くのAI機能が発表されましたが、このブログでは新しい生成AIアシスタントのサービス「AmazonQ」をレポートします。4種類の用途があります。
第1:システム開発の支援
→システム開発専用にトレーニング。VerUP支援も
第2:マーケティング、営業など専門職の支援
→40以上のサービスと連携し自社ナレッジで回答
第3:BIツールとの統合
→自然言語によるデータの分析
第4:コールセンター支援
→自動受付システムなどをクラウド上に構築
AWSは特化型AIを目指しています。今後の展開が楽しみ。
【69社のメルマガを緊急調査 グーグルの要件を満たしているのか】
Gmail.comのガイドラインが2024年2月から厳しくなることはすでに報道されています。現在出回っているメルマガがどの程度グーグル要件を満たしているかを調査しました。
①送信ドメイン認証対応(SPF,DKIM,DMARC)
②ワンクリック登録解除対応(1月に条件撤回)
③登録解除ページなどへのリンクの有無
④TLS対応(SSLは禁止)
ドメイン認証に対応合格: 36/69
ワンクリック登録解除合格:20/69
4項目とも全部に合格: 14/69
TLSに対応していないメルマガが2つありました。
【「MEJAR」がオープン環境に移行 ちらつくNTTデータの1強体制】(P.66)
横浜銀行など地方銀行5社が参画する「MEJAR」は2024年1月4日、新システムを稼働させてオープン環境に移行しました。。
ライバルであるIBMが運営する「TSUBASA基幹システム」には10行が参画していますが乗り換えを表明している銀行もちらほら。1強体制もちらつきます。
電信電話公社の一部門が分社化したNTTデータが他の民間企業を押しのけて1強になるという状況はどうなのでしょうね。
【IT内製を推し進めるクレディセゾン リソース不足打破へ「市民開発」決断】(P.68)
特集では伴走型内製化の話でしたが、それと共に<ノーコード・ローコード開発ツールを導入し、事業部が自ら開発する「市民開発」の推進を決断>しました。
ところがどのツールを使うのか書かれていません。頑張って調べたところ<ノーコード・ローコード標準ガイド>を作成しツールを使い分けていることがわかりました。
https://japan.zdnet.com/article/35213053/
これをみてびっくりしました。TableauやDataSpiderは私自身が仕事でやっているツールです。VBAはにプログラムそのものですしPowerAppsはローコードですがデータモデリングが前提になりますので簡単ではありません。
野良プログラムが増殖して管理できなくならないかが心配です。
【NTTが挑む広域データセンター接続構想 IOWN活用、都市部集中の解消へ】(P.70)
次世代ネットワーク構想「IOWN(Innovatibe Optical and Wireless Network)」で培った技術を適用し、多数対多数のデータセンターが接続出来る形式「データセンターエクスチェンジ(DCX)」の開発を進めています。
通常の光回線は、途中は電気に変換して長距離の増幅を行っています。IOWNはNTTが2019年に世界で初めて成功した<光電融合技術>を用いて光だけで増幅通信する技術です。2030年に実用を目指しています。その技術を使い100kmの遅延を1ms以下に押さえる事で分散データセンターを一体運用できるようになります。2024年に実証実験(POC)、2027年前後での顧客提供を目指しています。
【日経XTECH 2023年12月~2024年1月の好評記事】(P.74)
◆止まらない内部不正、NTTグループ「USBメモリー全面禁止」の真意
→内部不正の情報漏洩が止まりません
◆Excelのショートカットキー、時短によく効くベスト3はこれだった
→トップの[Alt]+[Tab]キーは画面切り替えに便利
◆ダイハツ不正の真因は「技術力不足」、トヨタ出身経営者が見抜けぬ訳
→スピード開発の技術力が十分に備えてなかった
【ケーススタディー:イオン銀行】(P.76)
<マイクロサービスを初採用 開発工数の25%削減に成功>
マイクロサービスを前提に設計すると失敗します。どうやったのだろう?と思って読むと、機能は変えず動いているシステムを分割してマイクロサービス化したという話でした。これなら出来るでしょう。相当苦労されたようです。
■サーバレスのAWS Lambdaだと他のクラウドに移行が難しい
→EC2でOpneShiftでコンテナ環境構築
■当初はどこでシステムを分割していいの分からなかった
→日立のツールで分析しどこで分割すべきか測定
新しいシステムをマイクロサービスで設計して破綻している会社も多いと思いますが、地に足を付けて成功させたことは良かったと思います。
【社長の疑問に答える IT専門家の対話術 第258回】(P.100)
<生成AIの効果と影響 年初・年度末に再考を>
生成AIの効果と影響について、年初めに考えようというコラムです。2023年12月に「ChatGPTは世界をどう変えるのか(佐藤一郎著)」が出版されました。
これを元に企業情報システムにおける生成AI利用について考えます。IT企業の幹部や素人プログラマーは<生成AIはプログラミングを相当こなせる>と考えています。
ところが佐藤氏は<AIによる自動プログラミングはまだ課題が多いのが現実>と判断されています。
雇用について次の指摘もありました。日本はメンバーシップ型雇用からジョブ型雇用への移行を求める動きがあります。ところが従業員が行うタスクがAIの進化によって変わることを考えるとメンバーシップ型雇用の方が良いかも知れません。
以上