ごく最近のこと、私たち夫婦は健康保険証が後期高齢者になってしまった。
その永い夫婦期間中も、仕事や家事に障りがあって旅行などが出来なかった。
高齢な父母との同居だったので、留守にすることさえ憚ることになっていた。
しかし、行動出来るうちに新たなライフワークを持ちたいと言う思いもある。
幸いお婆ちゃんは施設にお世話になって、少し落ち着いている状況ではある。
そこで、計画的継続的で夫婦共通の楽しみになる手軽な旅を思い立った。
思い立った旅とは、関東各地をめぐる「三十三カ所観音霊場めぐり」である。
私達は宗教がかった信仰心はないのだが、丁度お似合いの年代だろうと思う。
毎月一回程度を予定し、家から車での日帰り旅行を繰りかえす事になる。
場合によっては、時に温泉に一泊して二日間の集中参拝しても良いだろう。
私の姉夫婦は、坂東や西国と秩父に加えて四国のお遍路も踏破しているのだ。
一辺倒な過去を振り返るとともに、母や家族の健康等を祈ることも出来る。
また、霊場には観光的な魅力もあれば 近くには見どころも食べどころもある。
それらを廻ることで、新発見や知識が得られて 新たな興味も涌くことだろう。
いよいよ実行ともなれば、第一回目はやっぱり一番札所でと言うことになる。
鎌倉にある一番札所杉本寺は、三十三ヶ所めぐりの必要品が揃えられる。
9月9日、横浜の義兄宅に新米持参も兼ねながら 旅をはじめることにした。
「信心深いわけでも、何かの願掛けでもないのだが・」と、ひげ爺の独り言。
無事三十三ヶ所を廻れれば、納経帳が夫婦円満だったことの証明にもなる。