国鉄士幌線とアーチ橋

 国鉄士幌線は帯広~十勝三股間を78.3km結んでいたローカル線で、1987(昭和62)年3月に廃線となりました。
糠平(ぬかびら)周辺には、音更(おとふけ)に沿って走ることから、いくつものアーチ橋が架けられていて、多くが今でも現存しています。
 
タウシュベツ川橋梁を訪ねた際に、あわせて訪れてきましたので、主な見どころをご紹介させていただきます!

タウシュベツ川橋梁の記事はこちら 。


 

第三音更川橋梁

 帯広駅からクルマを走らせると最初に見えてくるのが、1936年に完成した第三音更川橋梁です。
泉翠橋を渡り切ったところの駐車スペースにクルマを停めて、橋の上まで歩いて戻ると橋の全景が見えます。
 
 

 
ずいぶんきれいで、今にも列車が走ってきそうですが、これは1億円を超える寄付金で2020(令和2)年に再生工事が行われたためです。
 
味わいがなくなったという声もありますが、列車が走っている姿をイメージするには好都合かもしれません🤔
 

第二・第四音更川橋梁

 まずは、第二音更川橋梁です。
こちらは鱒見トンネルの手前を側道に入るのですが、慣れていないと難しいポイントです。
森に還ろうとしている、5連のアーチ橋が美しいです。
 
 
そのまま、鱒見トンネルを歩いて抜けてると左側に第四音更川橋梁が見えてきます。
中央部には鉄の桁橋があったとのことですが、すでに撤去されてしまい、前後のアーチ橋部分が残されています。
 
 
この2つのアーチ橋は駐車スペースがなくなってしまったことから、一般的にはスルーすることをおすすめします。
 
しばらくクルマを進め、糠平温泉郷に入っていきましょう。
 

上士幌町鉄道資料館(旧 糠平駅)

 温泉街の入口にあるのが、旧糠平駅跡地にある上士幌町鉄道資料館です。
9:00~16:00で入館料は100円。月曜と冬期間は休館となります。
 
 
館内には士幌線関連の展示がされており、写真などで当時の活況をうかがい知ることができます。

ひとまわりして見終わってしまうほどの広さですが、この地に来たならば、ぜひとも立ち寄っておきたい施設です。

 

 

資料館の敷地内に、実際の車両(車掌車)が置かれているので、雰囲気があります。
ちょうど、ルピナスがきれいに咲いていました🏵️
 
 
夏季限定で、廃線跡を利用したトロッコもあるようです。

 

 
 さて温泉街を抜けて、残りのアーチ橋を巡っていきましょう。


三ノ沢橋梁・五ノ沢橋梁

 まずは三ノ沢橋梁です。
大きな専用駐車場があるので、すぐにわかります。

道路からは、木々の間から少ししか見えません。
 
 
三ノ沢橋梁は、糠平ダムの建設に伴って作られた新線上にあるので、1955(昭和30)年にできた橋です。
 
奥には糠平湖が見えています。
 
橋梁上は遊歩道として整備され、歩いて渡ることができます。
 
 
続いて、五ノ沢橋梁
 
こちらは道路端の駐車スペースにクルマを停めて、国道の白樺橋の上から眺めるのですが、長さ7mの小さな橋梁なのでよく見ないと気がつかないかもしれません😅
 
 
この先に、遠目にタウシュベツ川橋梁が見える「タウシュベツ展望台」があります。
「タウシュベツ展望台」の様子は、前回のブログでご紹介しています。
 
 

幌加駅~第五音更川橋梁

糠平駅十勝三股駅の中間駅として、幌加(ほろか)があります。

国道沿いの幌加除雪ステーションにクルマを停めて、幌加駅第五音更川橋梁をあわせて巡ります。
 
除雪ステーションから、幌加駅の看板の方へ歩くと、線路が残っているところがあり、こちらが幌加駅跡となります。
 
 
駅名標も設置され、まるで絵本にでてくるような、美しい駅跡です🥰
 

きれいすぎて、ピクニックでもしたくなります。 
 
 
幌加駅を後に、廃線跡をそのまま進んで行きましょう。
 
こんなに美しい廃線跡があるのでしょうか✨
 
 
白樺林の中を進むこと300mほど。
行き止まりの鉄柵の向こうには、第五音更川橋梁があります。
 
この先、橋の上を歩くことはできませんので、国道方向へ抜ける歩道を進みます。
国道の橋の上からは第五音更川橋梁の全景を見ることができます。
 
 
樹木に覆われて、一部はみえにくくなっていますが、橋をまたぐ部分が23mのアーチ橋で、全長は109mになるそうです。

見どころいっぱいの士幌線廃線跡アーチ橋めぐり。
タウシュベツ川橋梁と一緒にお楽しみください!