秘境駅

秘境駅とは、周辺に道路や人家がなく、鉄道以外でたどり着くことが難しいような立地の駅のこと。

 

鉄道愛好家の牛山隆信氏が、秘境駅ランキングなるものを発表しており、その頂点にに君臨するのが、室蘭本線の小幌(こぼろ)なのです👑

ちなみに牛山氏の秘境駅の格付けには5つの要素があり、秘境度、雰囲気、列車到達難易度、車到達難易度、鉄道遺産指数なのだとか。

 

 
私はかつて飯田線秘境駅号 に乗車して、飯田線秘境駅を巡った経験があり、秘境駅には多少の免疫があるものの、日本一となれば覚悟して訪問しなくてはなりません😤
 
小幌駅は両側をトンネルに挟まれた80mほどの空間の位置し、四方のうち三方を山に囲まれもう一方は海という場所に設けられており、民家などはあるわけもなく、道路でのアクセスはできないという予備知識を得て、訪問しました👜
 

いざ小幌駅へ

小幌駅の様子は特急「北斗」号の車窓からも、伺い知ることができます。
わずか3秒ほどなので、瞬きしていると通り過ぎてしまいますが、何とか撮影に成功しました。
 
 
わずかに開けた空間に草むらがあるくらいで、もちろん人の姿はありません。

普通列車も一部の列車しか停車しないため、鉄道で訪問することさえ難しいのも特徴です。
停車するのは(2023年6月現在)、
 下り2本(15:50、19:44)
 上り4本(8:36、15:06、17:34、20:18) のみ。

そうなると訪問する列車も限られるわけで、15:06の列車で到着し、15:50の列車で帰る44分間の滞在プランを立てました。
 
長万部行きの1両編成の列車に乗り、いよいよ小幌駅が近づいてきました。
 
 
先頭で様子を見ていると、確かにトンネルに挟まれた場所に駅があります。
 
 
そしてついに、小幌駅に降り立ちます。
 
 
列車は走り去ってしまいます(当然です)😥
 
 
さて「いよいよ秘境を満喫だ!」と思ったら、同志の方が8人ほど降り立ちました(笑)😂
 

駅構造

まずは駅全景を。
複線で上り線と下り線にそれぞれホームがあり、それらはやや離れていて、構内踏切で連絡しています。
 
 
東室蘭方の礼文華山(れぶんげさん)トンネル・新礼文華山トンネルが口を開けています。
その間にある坑口が鉄板で塞がれていますが、こちらは旧トンネルの跡で、そこに延びていた線路跡が残っています。


長万部方の、幌内(ほろない)トンネルの坑口がこちら。
 
 
ここから特急列車や貨物列車が猛スピードで飛び出してくるので、構内踏切で立ち止まるのは危険です⚠️
 
ちなみに、列車が接近してくると「ファン、ファン、、」とトンネル警報音が鳴り、その後しばらくして構内踏切が作動し、トンネル内から風が吹いてきます。
 
この際に、通過する列車が来るホームは避けて、反対側に避難した方が安全だと思います。 
 
 
下りホームの駅名標の脇には、駅ノートなどが入った箱が設置されています。
 
 
箱を開けてみると、駅ノートの他、ダイヤグラムや観光案内の冊子が入っていました。
 
 
「礼文華観光案内」には駅の成り立ちや、周辺の散策ルートなどが記載されていて訪問前にぜひ読んでおいたい冊子でした。
(この冊子は駅の備品のため、持ち帰るのは厳禁です。文末で購入方法をご紹介します。)
 

海岸線に続く 駅前の道

下りホームから駅前を見てみると、保線小屋があります。
小幌駅は保線の基地になっているようで、当日は保線員の方がいらっしゃいました。
 
 
保線小屋近くには、トイレもあるので安心です。
 
 
それでは少し、駅を離れてみることにします
駅前から登山道のような道が延びていますが、トレッキングシューズ程度の装備が必要な感じです。
 
 
道を見失わないように、後ろを振り返りながら進むと、岩屋観音と文太郎浜への分岐点に差し掛かります。
 
 
下調べしたところ岩屋観音方面は上級者向けのようなので、文太郎浜方面に向かいます。
 
とは言うものの、途中に倒木があるような荒れた道で、かなりの急勾配を下ります。(帰りは上り坂になるわけで無理は禁物です。)
 
 
歩くこと5分ほどで、文太郎浜に到着します😆

駅めぐりの同志はここまでは来ないようで、誰もいないプライベートビーチを満喫できます。
 
 
帰りは上り坂になるので、余裕を持って上ることにしましょう😌
 
ちなみに上り下りともに、構内踏切が閉まる前にホームに行かないと、乗り遅れますので十分に注意してください⚠️
(踏切は一度閉まると列車が出発するまで開きません)
 

無事に帰りの列車に乗れた安堵感と、秘境駅を訪問できた達成感を包まれながら、2つ先の豊浦(とようら)を目指します。

天然豊浦温泉しおさい

 目指すは、豊浦駅から徒歩15分ほどの場所にある「天然豊浦温泉しおさい」です。
 
 
受付で「小幌駅の駅名標と一緒に撮影した自撮り写真」を提示すると、当日のスタンプを押印した「秘境到達証明書」が貰えます🙌
※「道の駅とようら」でも発行しています。
 
 
せっかくなので日帰り入館料(600円)を支払って温泉を満喫しました♨️
帰りに売店をのぞいてみると、小幌駅グッズが売られていました。
 
 
ここで気になったのは、小幌駅にも置いてあった「礼文華観光案内」の冊子。
旅の思い出に購入し、駅の成り立ちや周辺の様子を学ばせていただきました😆

※メルカリで「礼文華観光案内」と検索するとヒットしますし、筆者の方から直々に通販もやっていると教えて頂きました。
(ご購入はご自身のご判断でお願いします。)


ではまた、どこかの駅でお会いしましょう👋
2023.6.22訪問
 

↓豊浦温泉は宿泊することもできます。