歴史は、想像力がすべてだとハトは思う。
日本の歴史教育は、もっと想像力に働きかける教育プログラムを採用したほうが良いのではあるまいか。
そういう意味では、この本などはかっこうの補助教材になると思うのである。

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「古事記の邪馬台国」を題材にして、内容の是非を生徒に論争させるのである。いったいどうなることやら・・・。
それはともかく、いきなり本書の「結論」についてふれておくのである。
前置きは省くが、魏志倭人伝に出てくる「卑弥呼」の正体は、『夜麻登登母母曾毘売命』である。
酔っ払って書いているわけではない。誤字脱字の類無く、紛れもなく『夜麻登登母母曾毘売命』(ヤマトトモモソヒメノミコト)である。
もちろん、女性である。なぜ、彼女が卑弥呼と言えるのか?
それは、極秘口伝にそう伝わっているからである(笑)
もう、こうなると何でもありって感じになってしまうのだが、ハトはこの結論には妥当性があると思う。
少なくとも、「卑弥呼は神功皇后だ!」などという主張よりもよほど信憑性がある。
また、「アマテラス=卑弥呼」という説もあったりするが、ハトのようなド素人からみても、なんじゃいそりゃ?としか言いようがない。
それに比べると、怪しさ満点の竹内氏の結論付けは至極真っ当のように思える。
卑弥呼は「日巫女」だ。
つまり、天照大御神(太陽=日)を降ろすことが出来る特別な巫女だ。
こういうのを現人神という。
そして、天照大御神を降ろすことのできる能力をもった「日巫女」は歴史上少なからず存在する。
しかし、魏志倭人伝に描かれている当時(3世紀半)の日巫女に該当するのは、著者の言うとおり、『夜麻登登母母曾毘売命』(ヤマトトモモソヒメノミコト)としておくのがもっとも無難といえそうなのである。
ちなみに、『夜麻登登母母曾毘売命』というのは、第7代・孝霊天皇の皇女である。
この皇女の墓は、邪馬台国の有力な所在地と見做されている奈良県桜井市の纏向(まきむく)遺跡のなかにある、かの有名な「箸墓古墳」とされている。
その規模も、「魏志倭人伝」が伝える卑弥呼の墓の大きさとほぼ同じだ。
ただし、注意しなければならないのは、著者だけがこの結論を主張しているわけでなく、「卑弥呼=夜麻登登母母曾毘売命」説を支持している歴史学者がけっこういるのだ。
ところが、学会を支配するような定説にはなっていない。
その理由は、『夜麻登登母母曾毘売命』は単なる皇女にすぎず、魏志倭人伝に描かれる「卑弥呼」のような絶大な権力を振るった女王とは、とても呼べないと考えられているからだ。
ふーむ。なんじゃいそりゃ?
ともかく、ハトが本書で最もエキサイトしたのが、学会の限界を超越した、この問題に対する著者による「結論付け」だったのである。
どういうことかというと、「魏志倭人伝」では表現しきれない、つまり「外国人」にはけっして理解できない、日本特有の支配体制に問題を解く鍵がかくされているということだ。
つまり、日本では当然あるかのように、「国体」と「政体」の区分けがなされていたのである。
国体を維持するための『祭祀王』と、政を担う『統治王』とが並存していたのである。
そして、序列としては、『祭祀王』が『統治王』の上に来る。
もちろん、天照大御神を降ろすことのできる「日の巫女」である「卑弥呼」は祭祀をつかさどる『祭祀王』だったので、対外的にも邪馬台国のTOPとみなされていた。
しかし、実態は、政や軍事は、比古布都押之信命(ヒコフツオシノマコトノミコト)が担っていたのである。
このような明確な役割分担にもとづく二元的な支配について、日本人は違和感をもたない。
現在において、象徴天皇制なるものに違和感を持たないのと同じような感覚である。
「祭」と『政』は別モノなのだ。
ごく簡単に結論にのみ触れてしまったが、本書では、この結論に至るまでの議論が立体的に展開されていて、かなり説得力があるよいうに思う。
面構えは「トンデモ本」のようであるが、なかなかどうしてすごいもんだ、というのが率直なハトの感想なのである。
ついでにいうと、「邪馬台国」についても北九州説や四国説ではなく、「畿内説」で落ち着くのであるが、ここに至る理由付けにしても、ただ単に「卑弥呼の墓=箸墓古墳」ということだけで結論付けているわけではないことにも感心する。
結果としては、邪馬台国は「大和畿内」なのだが、実際には、九州と畿内を行ったりきたりしている。
なぜ、そうなったのか?
桃太郎にまつわる伝説とともに、面白い推論が展開されているので、それは実際に本書を読んで確かめてみていただきたいのである。
そんなこんなで、まだ病み上がりの完ぺきではないハトの体調。このへんにして寝ることにするのである。
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◆本日のひらめき 「歴史学にエンターテイメントを」
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