昨年から話題の『ホモ・デウス』上下をTSUTAYAで買ってきて、さあ今日こそは読んでやろう!と意を決したものの、突発的な仕事が入ってままならず、しかたがないので小一時間で読める『しょぼい起業で生きていく』を手にしてみました。
すると、これがすこぶる面白い。えらいてんちょう。恥ずかしながら(かどうかはともかく)、本書ではじめて著者のことを知りました。
悪いがまったく“しょぼく”ない。ユルくはあるが鋭い。
「たとえば、あなたが埼玉あたりの野菜のとれる実家住まいで、東京の学校まで通っているとしましょう。授業のある日は電車に乗って都内までやってくるのですが、この電車代に関しては、あなたはすでに通学定期を持っている。このとき、あなたがひとりで埼玉から東京にやって来ればただの移動ですが、空のリュックに野菜をいっぱいに詰めて電車に乗り、東京でこの野菜を売ったとしたらどうでしょう。その瞬間、この行為は単なる移動から「輸送」に変わります。あとは、東京の学校の近くで野菜を買ってくれる販路さえ探せば、毎日の通学がお金に換わるわけです。」(P37-38)
「日常生活で必要なものを作り、余ったぶんを売る」「いつもやっている行為をお金に換える」
こういうのを、『生活の資本化』(コストの資本化)と呼ぶんだそうです。
たしかに、習慣化された支出が減ったら、そのぶん収入は増えるよなあと。至極あたりまえのことだけど、いつのまにやら売上&売上&売上・・・との自己洗脳に毒されていたようです。
これはケチになれ、っつうのではなく、頭使えってことだと思う。
すると、生きているだけで、絶対にかかるコストが利益になるってゆう。
こんなふうに、「えらいてんちょう」なる人は、生活の中で自分のやれること・日常あたりまえのようにやっていることを事業化することを推奨してます。
「すでに持っているものを使ってお金を稼ぐ」という発想も、その延長線上にあるものです。これを、「生活の資本化」の発展型で、『資産の資本化』と呼ぶそうです。
そういえば、「民泊」はじめ、世の中的にもこうした動きがチラホラみえますね。
えらいてんちょうが、「店を開け」と言っているのもこの流れで、開店するにはメチャクチャ金がかかるけど、そもそも家じゃなくて、「店」に住んでしまえば今の自宅から引っ越すだけのはなし。
普通の家に住んでたって一円にもならないけど、店に住み移り、その店を開放しておけば、そこそこお金になったりするもので、引越し前・後の家賃がほぼ変わりなければ、そのぶん儲けが上がるというはなし。
本書は、一貫してこのスタンスで議論を広げていきます。
その延長線上で、ちょっとした感動話があったり、巻末におもろい人同士の対談が挿入されたりと、とにかく考えさせられるエンターテイメイントでした。
・・・と、ここまで書いたところで急に思い出したのが、ほんとは今朝ほど読むはずだった『ホモ・デウス』。その著者、ユヴァル・ノア・ハラリの前著ベストセラー『サピエンス全史』のことです。
そこには確か、狩猟採集民の頭脳は現代人にまったく劣らず、むしろ現代人よりも多くの知識を蓄え、知恵を行使していた旨の記述があったかと記憶します。
狩猟採集民には電気も車もないし、食べ物の貯蔵技術もない。まさに「その日ぐらし」の生活を送っていたわけだけど、その中で安全に生きるために知識をかき集め、狩の道具や罠の仕掛け方、植物の特徴や動物の習性などに関する膨大な知識を有していたとみられています。
幅広い技術はなかったけど、いちいち深かった。
このあたりは、クロード・レヴィ=ストロースの『野生の思考』を想起させるものがある。
こんな感じで、「しょぼい起業で生きていく」を経由して、古典に回帰しつつ、現代人の平均的な生き方そのものに対して、(いい歳こいて)大いなる疑念を抱えこんでしまうのでした。
◆本日の朝読み 「しょぼい起業で生きていく」(宝島社) –えらいてんちょう (著)
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◆本日のひらめき 「日常をマネタイズ。」
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