『ドーハの悲劇』
関東に来て丸1年。
馴染みつつあるこの街で、ようやくバイク仲間ができた。
週末を利用して1泊2日のツーリングをしようってんで、決めた先は“尻焼温泉”。
群馬県草津温泉にほど近いところにある秘境だ。
これまでhirowinさんと鞍馬までの日帰りツーリングは言った事あっても、泊りがけは初体験。
期待に胸を膨らませ、当日を待った。
だがしかし・・・・・
当日はどんよりとした曇り空。
天気予報では降水確率50%。うう、なぜ今日に限って・・・。
でも50%とはいえ、降らないかもしれないしな!
市川を出て5分もしないうちに土砂降り。
神は我を見捨てたか!
新しい仲間に電話連絡するも繋がらない。おそらく運転中なのだろう。
しばらく国道の軒先で待ってみるも返事は来ず。
そのうちに小康状態になったので、とりあえず集合ポイントまで行ってみよう。
のっけから濡れ絵ねずみになりながら、予定より30分送れて合流地点に到着。
ランデブーに指定されたのは埼玉県イオン与野。
市川から50km離れたところだった。ここに来るだけでも1時間かかる。
電話をするとすぐに彼が出てくれ、ほどなく面会。
新しい友人の名前は“じーる”さん。
その由来は彼の乗るバイク“ZEAL”からだ。
ネイキッドタイプの普通二輪で、すでに4代目らしい。
じーる氏は俺の出で立ちに少なからず驚いていたようだ。
革のライダージャケットにジーンズ、小さなレザーカバン。
これが俺の装備。
かたや彼は登山にでも行くかのような大型のサックに、防寒対策ばっちりの上下を着込んでいた。
え、そんな大掛かりなの???
そのワケはすぐに分かった。
とにかく今日は雨が降りっ放し。
与野を出発して瞬時に俺のジーンズはぐしょぐしょになった。
サングラスも雨よけにしかならない。。。
見るに見かねて予備のジャケットと、曇り止めを貸してくれるじーる。
すごい、雨の中のツーリングということを完全に念頭に置いていたんやね。それに比べ俺は・・・・。
彼の気遣いに感謝しつつ、群馬県へ向かう。
こんな雨だからと、当初の下道ツアーは諦め、とにかく宿に直行しようと高速道路に乗った。
ところが・・・・。
(雨に濡れる愛機シャドウ400。後ろは相棒のバイクZEAL)
ぎゃーっ!
雨が顔に突き刺さって痛いよー!
時速70キロを越えると雨粒も凶器となる。
お気軽にハーフヘルメットで来た俺をあざ笑うかのような天からの打撃。
優雅なツーリングを想像していたのでハーフヘルムしかもって来てなかったよぅ。
じーるさんに倣い、次からは長旅はフルヘルメットにしよう。
高速を走るのすらおぼつかないのに、雨というバッドコンディション。
自然と速度は落ち、じーる氏は俺に合わせてゆっくり走ってくれた。足手まといでスマン・・・。
こんな雨なら中止にしてもよかったのに。
泣きべそをかきながらそんな想いが胸にこみ上げる。
けどももう群馬県に入ってしまった。引くに引けない状態である。
ええい、もうどうにでもなれ!
渋川・伊香保ICを降りたのは14:00過ぎ。
市川を出たのが8:30だったからもう6時間近くなる。
その間、雨は降りっ放し。
もう泣きたい。俺が思ってたツーリングとだいぶん違うぞ。
インターを降りてからがまた長い。
国道から県道へ。草津温泉へ向かう峠は急カーブの連続。
天気はここに来てますます悪化し、集中豪雨並みの降雨量。
不慣れな山越えを、小回りの利かないシャドウで進む。
週末となればバイカーたちのメッカとなるこのあたりなのに、今日はほとんどその姿を見せない。当たり前か。
そして事件は起こってしまった。
それは、今日の宿がある草津温泉まで、あと11キロの距離での出来事。
はっちょとじーるは、渓谷に大きな橋が架かるその場所にさしかかろうとしていた。
神よ、なぜあなたはそこまで俺の行く手を阻むのか!
ああ、今でも考えられません。どうしてそんな非道い仕打ちを課すのです。
次号、驚愕の展開に。
できれば読むな!
(がっかりを演出するはっちょ。そんな余裕があるのも今のうちだけだ。。。)





