なってしまったよ | 医学と遊びと製作と

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ついになってしまったよ、ノロウイルス

カキにあたったのか先日診療した患者からの暴露なのかわかったもんじゃありませんが、とりあえずノロなのでしょうな、これは...

ノロウイルスの検査をしてないから他の可能性は残りますが、次亜塩素酸Naで部屋を消毒してまわったことは言うまでもありません。。。

 

そういうわけで、今回はノロウイルスの話、食物暴露関連です

 

今回なってみて初めて分かったのですが、「ここ1週間以内に生もの摂取されましたか?鶏肉とか卵とか、シチューとか...」という問いかけをすることってあると思うんですけど、これあんまり意味ない気がしてきました

 

というのも、実体験があったからです。

 

Med.y.mはこの前夜通し嘔吐しておりまして、

『やべぇ、念のため取れる所見を取っておくか...』

と思い、腹部診察と胸部診察を出来る限り行い、問題ないことを確認するも嘔気が止まらず慌ててERへ受診して参りました。

 

どうせ問診で食事歴を聴かれる、と思ったのでがんばって1週間分の食事を想起、そして想起した料理を想像して嘔気が...という繰り返しを中待合とトイレで繰り返しておりました。

でも、人間って心と身体に余裕がなくなるとイライラしてくるもので、Med.y.mも例外ではありません

「さっさとソルアセトFとプリンペランいれてくれ、頼む......!」

この1文しか脳内にはありませんでした(笑)

 

でも、診察で必ず問診はつきもの

ソルアセトFとプリンペラン以外を所望していないMed.y.mに『生もの食べましたか?最近鶏肉とかシチューとか...』という問診はやってきました

 

「1週間もあれば色々食べるよ(苦笑) シチューも刺身も食べてるし、1日前におにぎりも食べてる。数日前に卵焼きも食べた」

と、吐き気と下痢が続き過ぎてイライラしてた自分はこう答え、点滴(ソルアセトFのみ)をされて経過観察...

 

「はぁ、胃腸炎かよ、面倒だな...でもまぁカキとか貝類は食ってないしノロじゃないよな!」

と思っていたら

 

そして知り合いとのやり取りで

『数日前にカキ食べてたよね?ほら、イタリアンで』

「......なんてこった、ノロじゃん」

 

そういうわけで、人間の記憶はあまり当てに出来ません(自分だけ...?)

ぐったりしているところにノロウイルスという言葉がさらに追い打ちをかけ、この後さらにトイレへ...

 

食事摂取だけに囚われるのではなくてそれ以外の症候(発熱、下痢、嘔吐、血便、便性状・色調)についてもアンテナを張っておく必要があるなって気付かされた思いです

ぶっちゃけ胃腸炎は吐き気がなくて脱水補正が出来てれば問題ない、帰宅、となることが多い*ので甘く見ていた、というか狭まった目で見ていました。 

大反省です...

 

そんな感じの近況報告です

それではまた

 

*胃腸炎でも見逃しちゃいけないのもある

 EHECとかボツリヌスとか一部の自然毒とかカンピロバクター後のギランバレーとか、他にも...

 胃腸炎自体が除外診断的な意味合いもあるので、一応他の疾患の可能性もないかどうか検討しなくちゃダメだと思われる。

  血便だった、どうも様子がおかしい(精神症状)、眼球結膜みたらどうも黄色かった、息が苦しいetc...

  注意すべき症候は多い

  どうせ点滴するのならEHECスクリーニング目的に血液検査くらいしてもいいのかも。