みなさんの周りにスズメはいますか?

 

私は毎朝「チュン、チュン」とやさしいスズメの声に起こされていましたが、数年前からその声は聞こえなくなりました。私の家には、三ヶ所必ず巣を作る場所がありましたが、一ヶ所も作らなくなってしまいました。

 

スズメは、群れで行動しているのに、たまに見かけるのはせいぜい2〜3匹です。以前は、窓を開ければどこかに必ずスズメを見ることができましたが今は探せません。近頃は、田んぼにカカシもいません。

 

 

ミツバチも同じです。

野生種のニホンミツバチは、山にはいますが人里では随分減ったように感じます。近所の神社に長年営巣していた群れもいなくなりました。広いひまわり畑に行っても蜂を探す方が大変です。

 

養蜂家もミツバチを飼いづらい時代になってしまいました。私は地元養蜂組合の事務局長を長年していましたが、我が町には郡内で最も多い10人程の会員がいつもいました。ところが、ここ数年で激減し、きちんと飼育できている養蜂家は、奥山で飼育する専業養蜂家(うちの実家を含め)2軒、そして人里で飼っているベテラン養蜂家の方とたった3人になってしまいました。そのベテランの方も近頃はたびたび蜂を買うようになっています。

 

養蜂家の間では「蜂飼いではなく蜂買いになってしまった」と笑い話にならない洒落が飛び交っています。

 

 

いったい何が起こっているのか?

農薬の影響だといわれています。15年ほど前からネオニコチノイド系農薬が使われるようになってから、スズメもミツバチも激減しました。山形人の好物のイナゴもいませんし、当たり前にいたカブトムシやクワガタ、アゲハチョウ、カマキリ、カミキリなど人気の大型昆虫も人里では見かけなくなりました。

 

数年前、残念ながら果樹系のハチミツから、国が指定する基準値超えの残留農薬が見つかりました。以前ハチミツは1kg中 0.01ppmまでしか許されていなかったのです。まもなく国は、見つかったネオニコチノイド系農薬のアセタミプリドを0.2ppmまで緩和しましたから、果樹系のハチミツは流通が再開され、それほど問題になりませんでした。

 

ただ、無下に心配なさらないでください。その値は私たちが食べているほとんどの果物や野菜よりもずっと低い値です。(トマト2ppm、イチゴ3ppm、黄桃5ppm)それにハチミツは、どんなに食べても1日で大さじ2〜3杯です。1kgはとても食べられません。しかし、ほうれんそうはお浸しや炒めれば1kg食べられそうですが、アセタミプリドで3ppm、クロチアニジンに至っては40ppmまで許されているのです。

 

農薬のメカニズムが変わったのです。以前は虫にかけて殺していましたが、人気のネオニコチノイド農薬は、それに加え、あらかじめ農産物に吸わせておいて守るしくみに変わったのです。農産物そのものが殺虫剤になっていると言っても過言ではありません。さらに、残効性も高くなり、いつまでも殺虫効果が続くのだそうです。

 

アオムシが食べると死んじゃう?スーパーのキャベツ

 

たとえば、水田の殺虫剤で考えてみます。夏、花が咲く前にラジコンヘリで航空防除が行われます。この辺りでは、商品名スタークル、薬剤名ジノテフランというやはりネオニコチノイド系農薬を使っています。すると稲は農薬を吸っている状態でまもなく花を咲かせます。

 

稲は風媒花なので蜜を出しませんが、ハチたちは花粉を取りに行きます。花粉は大切な幼虫たちの餌になるのです。しかし、その花粉にはネオニコチノイドの神経毒が入っていますので幼虫たちは脳を破壊されて育たなくなってしまうのです。ですから、成虫がすぐに死ぬことを免れたとしても、しだいに次世代の子供たちが増えられずに群れは小さくなって社会性が成り立たなくなってしまうのです。

 

花が終わるとまもなく稲穂をつけます。稲穂にはまだ硬い米ではなく米ジュースが入っています。これがスズメたちの大好物なのです。これを吸われないように農家の皆さんは昔からカカシを立てたのです。

 

しかし、その米ジュースの中にも農薬が入っています。米の特別残留基準値は農薬によって違いますが、商品名スタークルのジノテフランなら1kgあたり2ppmまで許されています。これは農薬会社がマウス実験をして50kg体重の成人に影響ない値とされています。

 

人間は1日で体重の0.5%の米を食べるそうですが、体重25gのスズメは小さな体で、1日に体重の14%もの餌を食べるそうです。体の大きさで考えると相当量の農薬を食べていることになります。すぐに死ななくても徐々に死んでいるか、次世代の繁殖に徐々に影響して数を減らしたと思われます。同じことが農薬を使う畑や家庭菜園で起こっているのではないでしょうか。

 

そして、私たちもミツバチやスズメや虫たちが死ぬ農薬入りの農産物を食べているのです。小さな胎児をおなかで育てているお母さんも食べています。

 

脳を破壊するネオニコチノイド系農薬が私たちの心や体を壊しているといわれています。

 

ここ15年、ネオニコチノイド農薬の売り上げに比例するように、うつ病や発達障害、認知症などの精神疾患が200万人から400万人に倍増しています。若者の自殺率は世界一です。日本は遺書がないと自殺認定はされず変死扱いとなります。その変死者は15万人ですから、本当の自殺者は18万人いるといわれています。ガンもなぜか日本だけが激増し2人に1人が発症し、3人に1人が亡くなっています。

 

EUでは、2013年より暫定禁止とし、2018年に「ネオニコ3剤のハナバチ類へのリスクが再確認された」とし使用が禁止されました。

 

私の無農薬家庭菜園は4年目になり、やっと基本的なことが少しずつわかるようになりましたが、本業をやりながらでは収量が少ないです。しかし、幸いなことに隣町の無農薬農家のはしもと農園さんがいらっしゃいます。安心な野菜やお米が定期的に届きます。橋本さんには心から感謝しています。

 

            さつまいも

 

以上、さらに詳しくは、3年前に私が書いた作文「不安」を読んでみていただけましたら幸いです。

 

参考サイト

ネオニコチノイド問題/アクト・ビヨンド・トラスト

残留農薬基準値検索システム/日本食品化学研究振興財団

新ネオニコ系農薬の解禁をとめたい5つの理由/グリーンピース

蜂蜜中の残留農薬に関する報道について/日本養蜂協会

米国小児科学会が「発達障害には農薬も関与している」と発表/発達障害.com

 

【ネオニコチノイド系農薬商品名一覧】

ダントツ・モスピラン・アドマイヤー・スタークル・バリアード・アクラタ・ベストガード・アルバリン・オルトラン・ハスラー・マツグリーン・フルスゥィング・プロパック…

 

 

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