僕自身の2010年の流行語は「金がないなあ」ですね
この言葉を今年一番つぶやいていたと思います
ちなみに去年の流行語も同じですね![]()
先日から書き始めた小説の、本日は第4回になります![]()
今まで書いたのはこちらです![]()
→『カフェモカ、お前もか』~第3回~「下手な鉄砲数撃てば当たる、は間違い!?の巻」
そしてなんと、早くもこの小説に対して書評を書いてくれた方が現れました!99パーセントの確率でぬめんちょという人物の仕業だと思いますが、もしかしたら他の人かもしれません。僕が言いたかったことを代弁してくれていますので良かったらチェックしてみて下さい!
【前回までのあらすじ】
カフェの女性店員に惚れてしまった今泉は、カフェに行く度にカフェモカを注文するが、どうしても話しかけることができない。そんなとき友人藤堂に、伝説の恋愛マスターとして知られるドボルザーク・ゴンゾウを紹介される。ハロウィンのかぼちゃのお面と黒いマントを身につけて登場したゴンゾウさんは、「恋愛をマスターするには下手な鉄砲をたくさん撃てばいい」と今泉にアドバイスする。そしていよいよ、カフェの店員に自然に話しかける方法を今泉に伝授するときがきたのだった…。
『カフェモカ、お前もか』
第4回
「人生はコーヒーのように苦いことばかりです。辛いことや嫌なことが次から次に起こり、それらを避けることは困難です」
ゴンゾウさんが一見関係ないことをしみじみと語り始めたので、今泉は将棋で初手にいきなり端歩を突かれたときぐらい驚いてしまった。
「ただ、ときには泡立ったミルクのように心が和むできごとや、チョコレートシロップのように甘い素敵なこともあります」
ここでゴンゾウさんは、ふうと息継ぎをした。
「そう、人生はもしかしたらカフェモカのようなものなのかもしれません。いや、もう言い切ってしまってもいいでしょう。カフェモカこそ人生なのです!!カフェモカ・イズ・JINSEI!!苦しいことを減らすのは難しいですが、楽しいことや胸がワクワクすることを自分の力で増やすことはできるのです」
ゴンゾウさんがここでゆっくりと間をおいた。
「どうかあなたの人生という名のカフェモカに、チョコレートシロップをたくさんかけてあげてください」
ゴンゾウさんが、決まった!と言いたげな調子でたっぷりと余韻を残した。
「そもそもカフェ全体を宇宙に例えると…」
「あの…」
「どうしました?ミスターイマイズミ?」
「その話まだ続きそうですか?」
「ええ、まだ第一章が始まったところですが。これからカフェ宇宙とラーメン宇宙の戦いの話になっていく予定ですが」
「そういう抽象的な話はもういいんで、そろそろ具体的な方法を教えていただければと…」
「ああ、そうでしたそうでした、カフェの店員に自然に話しかける方法をお話しするつもりだったのについつい脱線してしまって…まったく私としたことが、アハハハハハ、こりゃ傑作だ、アハハハハハハ、イヒヒヒヒヒ」
ゴンゾウさんが腹を抱えて笑い始めた。
「はあはあ…やっと落ち着きました…。そろそろ本題に入りましょう。ミスターイマイズミ、あなたは毎週カフェモカを注文しながらも、店員の彼女に話しかけることができない。そうですね?」
「はい」
「ならば簡単です、カフェモカを二つ注文すればいいのです」
「は?」
「ミスターイマイズミ、もしかしたらあなたは今こう思っているかもしれない。さんざん引っ張っておいて何をしょうもないこと言ってるんだこのパンプキン野郎と、違いますか?」
「いや、そこまでは思ってませんが…」
「安心してください。秘儀ダブルカフェモカは古くから王家に伝わる戦法の一つなのです。カフェモカを一人でダブルで頼む客なんてほとんどいないですよね」
「はあ」
「すると店員の彼女は不思議に思い、あなたのことを意識し始めるのです。この客は何かが違う、と。そこで不思議がっている彼女にあなたはこう言うのです。『あなたの作るカフェモカは最高だから、一杯では足りないのさ。ところで、今度一緒に食事でも行きませんか?』と。この流れでうまくいきます」
「そんなの無理に決まってますよ!」
今泉は体を揺らしながら叫んだ。
「カフェモカを二つ頼むなんて、そんなことできないですよ!変な人だと思われそうで怖いですよ!」
そのとき、藤堂が今泉の腕をガシッとつかんだ。
「今泉、お前ならできる。俺は信じてるよ。お前ならきっと、カフェモカを二つ注文することができるはずだ」
藤堂の目は、今まで見たこともないほど真剣だった。
「ミスターイマイズミ、こんなことわざを知ってますか?虎穴に入らずんば虎子を得ず、カフェモカ頼まずんば女子を得ず、お金を預けずんば利子を得ず」
そのとき、今泉の中で何かがスパークして体中からエネルギーが沸き起こってきた。
「俺やってみます!カフェモカを二つ頼んでみます!!」
「ブラボー!ブラボー!!さすがです!教えることはもう何もありません!」
ゴンゾウさんが大きく拍手をした。
「ゴンゾウさん、ありがとうございました」
今泉はゴンゾウさんに頭を下げた。
「ミスターイマイズミ、最後に一つだけ言い残したことがあります」
今泉はゴンゾウさんからの最後の伝言をしっかりと受け止めようと思った。
「本当はアドバイス料として一万円頂いているのですが、あなたの熱意に免じて、たったの9800円にまけておきましょう!!グッドラック!!」
「ありがとうございます!」
今泉は二百円安くなったことに、ゴンゾウさんは金をボロ儲けしたことに、そして藤堂は紹介料として千円もらったことに、三人それぞれが不敵な笑みを浮かべていたのだった。
(つづく)