【M】『ある島の可能性』ミシェル・ウエルベック | 最強の作家への飛翔

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M




「ミシェル・ウエルベック(Michel Houellebecq)」




本と映画と作業日誌


ミシェル・ウエルベックの小説って、毎回同じことを丁寧に描いている気がします。


主人公が「愛」を軽蔑しながらも追いかけて、幻滅して、それでも必死に手を伸ばそうとする姿勢。




『プラットフォーム』ではアジアの買春ツアーをビジネス化しようとしたり、『ある島の可能性』では人間の進化した形であり、愛についてもはや悩まなくなった「ネオヒューマン」が出てきたりしますが、ウエルベックの小説の主人公が抱えている悩みが


「てか、女の子にモテなくて辛いんですけど!!」


というものであることに、変わりはありません。




この、多くの男性が人生でずっと付きまとう悩み(女性はどうだか謎ですが…)をウエルベックは文学に昇華して、思わず眼をそむけたくなるほど執拗に、表現し続けます。




結局全ての悩みは愛に行き着く、ということに主人公は気づきます。


愛とは観念的なものだけではなくて、性行為のような具体的な行動もおそらく含まれるのでしょうが、そういった問題が人間にとって一番重要なんだ、という身も蓋もない人生の根底を残酷に暴き出します。


『ある島の可能性』から引用してみます。






おそらくは「愛」なんてニーチェのいうところの「同情」と同じで、弱者が強者を糾弾し、強者生来の自由を制限するために作り出した虚構なのだろう』





『誰かに心底夢中になった場合に、唯一生き残るチャンスは、相手の女性に自分の気持ちを隠し、どんな場面でも、とにかく気のない振りをすることにある。この事実ひとつとっても、なんと悲しいことだろう。愛は人間を弱くする』




徹底したニヒリズムで主人公は「愛」を否定していきますが、それでもやはり、愛を求めてもがきます。辛口の作者は、主人公の台詞を使って、プルーストやラリークラークを罵倒していき、それらの批評はときに痛々しく、ときに痛快です。




ウエルベックは、読んだあとに何日もひきずるくらいの衝撃を与えてくれる数少ない作家の一人であり、今、新作が最も楽しみな作家です。






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