●あらすじ
暇で暇で仕方がなかったので、新宿アルタ前にやってきたジョナサン探偵(32歳・魚座)とワトソン(28歳・B型)。
公衆の面前でワトソンが「僕もあなたのような名探偵になりたいんです!!」とジョナサン探偵に土下座して泣きついたから、さあ大変!
仕方なく、ジョナサン探偵はワトソンに【名探偵になる秘訣】を教えるという。
その教えが、まさかあんな大事件を巻き起こすことになるとは、そのときの二人はまだ知る由もなかったのだった…。
「ワトソン君、探偵に一番大切な能力は観察眼なんだよ。それを身につける方法は知ってるかい?」
「【間違い探し】をやるとか【ウォーリーを探せ】をやるとかそういうことですか?」
「全然違うよワトソン君。ナンパをするのが大事なんだよ。ナンパは声をかけるときに、女性を徹底的に観察する必要があるからね」
「なるほど!」
「例えば、今あそこに立っている女性。君はナンパできると思うかい?」
「あ!!いや、あの人はちょっと止めておいたほうがいいかと…」
「そう、あの女性はとても高級そうなファッションをしていて男性にもモテそうで、一見声をかけてもうまくいかないように思えるだろう?だが、あのヴィトンのバッグをよく見てみたまえ」
「普通のヴィトンに見えますが…」
「僕はヴィトンの新作を毎年チェックしているが、あんなモデルはないんだよ。たぶんあのバッグは十年ぐらい前の古いモデルなんだ。つまり、彼女のファッションには隙がある。隙がある女性は攻めやすいのさ。じゃあ、ちょっと声をかけてデートに誘ってくる!!」
「あ、ジョナサン探偵!行っちゃった…。どうしよう…。二人で話してるぞ…。なんだか盛り上がってるみたいだな…。あ、ジョナサン探偵が戻ってきた!どうでしたか?」
「全然ダメだった…。デートを誘ったのに断られたよ、ちくしょう!!話は結構盛り上がったんだけどねえ。いまだに弟と同じ部屋でベッドで寝てるから大変だとか、いろいろ聞いたんだけど」
「そんなプライベートな話を引き出したのはさすがです!どっちが上のベッドで寝るか、弟と喧嘩になりそうですよね!でも、どうしてうまくいかなかったんですか?」
「彼女のファッションは実は完璧で、隙なんかなかったんだ。あのヴィトンのバッグについて訊ねたら、販売されてない限定モデルだそうだ。僕としたことが、こんな初歩的な事を見抜けないなんて、探偵失格だよ、ちくしょう!もう探偵を辞めるしかない…」
「たったそのぐらいのミスで弱音を吐くなんて!見損ないましたよ、ジョナサン探偵!あの虹鱒村で4つ子の入れ替えトリックを見抜いたときのジョナサン探偵はどこにいっちゃったんですか!!釜茹村での完璧な密室殺人で、合鍵の存在に気付いたジョナサン探偵はどこにいっちゃったんですか!!」
「ふふ、ワトソン君、励ましてくれたありがとう。おかげで目が覚めたよ!ところでふと思ったんだが、君はさっき声をかけた女性の話をしているときに『どっちが上のベッドで寝るか、弟と喧嘩になりそうですよね』と言ったね?なんで君は彼女が二段ベッドで寝てると分かったんだ?」
「え!ジョナサン探偵がそう言ったからじゃないですか…」
「違うよワトソン君。僕は『彼女は弟と同じ部屋でベッドで寝ている』と言っただけだ。二段ベッドなどとは一言も言ってない。ベッドを横に隣同士にして寝ているかもだろ?」
「それは…」
「なぜ君が彼女が二段ベッドで寝ていると分かったか。今まさに、謎は串だんごのように一本に繋がった!!そう、彼女は君のお姉さんだったんだろ?ワトソン君」
「その通りです…。とんでもない偶然です…。ジョナサン探偵がいきなり声をかけたので、言うタイミングを逃してしまって…」
「フフフ。君のお姉さんも君に似て、地中海のような綺麗な瞳をしていたよ」
「たったこれだけのヒントで見抜いてしまうとは、さすがジョナサン探偵!僕はまだまだ助手として修行させてください!ジョナサンのサイドメニュー(290円)はいろいろ種類があって迷いますが、【からあげ+ポテトセット】が一番お得な気がします!」(完)
次回【ジョナサン探偵がアバターの世界で空を飛ぶ、の巻】でまたお会いしましょう!(未定)