世の中には、二種類の男がいる。
共学の学校に行ってきちんと青春を満喫した男と、男子校に行ってしまい奇妙な青春を送ってしまった男だ。
男子校に行った男にとって、共学の学校生活はSF(サイエンスフィクション)である。
細田守監督の前作『時をかける少女』は、すばらしいSF映画だった。
すなわち、共学の高校生の甘酸っぱい青春という名のSF。
さらに、男女3人の三角関係という名のSF。
ついでに、主人公の女の子が時間をあやつれるというSF。
SFの三乗の迫力を持ったこの作品は、何度も観たくなる傑作だった。
そして、今回の『サマーウォーズ』は、その『時をかける少女』をも凌ぐ、非の打ち所のない作品だった。
センチメンタルな高校生の青春を描きつつ、田舎の親戚一同が力を合わせて世界を救おうとする、というとんでもないストーリーは、伝統と革新を見事に融合させていて、見終わったあとしばらく、興奮状態と放心状態が交互にやってきた。
本当にすばらしい作品には、ただ、「面白かった」というしかない。
「あのシーンって実はこういう意味があったのかしら?」みたいな解釈の余地はない。
映画の中で、全てが明らかになっていて、多くの人が満足できるように仕上がっている。
2009年に観た映画の中でトップであり、おそらく今年、この作品を超える映画は表れない気がする。
