「泣ける小説なんかない
」
と、友人にたまに訊かれることがあるが、そんなとき、僕はとても困ってしまう。
今まで読んできた小説を思い返してみて、必死に泣ける小説を探すが、全然浮かんでこない。
悩んだ挙句に、
「まあベタだけど、リリーフランキーの『東京タワー』あたりでいいんじゃないでしょうか…」
と答えるやいなや
「それはもう読んだよ。『東京タワー』読んで感動したから、似たような小説が読みたいんだよ。なんか他にないのかよ!!」
と、激昂され、
「あ…あ…いや…その…」
と、あたふたしていると、
「なんだよ。本が好きだって言う割には、泣ける小説のひとつも知らないのかよ」
と、罵倒されるのです。
いや、実際には、そこまでひどいことは言われないのですが、なんかそんな感じの雰囲気になるんです。
すごく、悔しい。
今まで、ホラーとかサスペンスとかミステリーとか、そのほかにも、変な小説はたくさん読んできたのに!!
なぜ、感動系の小説をもっと読んでおかなかったのか![]()
泣ける小説、誰か僕に教えてください![]()
ただね。
泣ける小説は残念ながら存じないのですが…
泣ける映画なら知ってますよ![]()
とっておきのをね![]()
アッバス・キアロスタミ監督『友だちのうちはどこ?』
この映画はタイトルのまんまで、主人公が友だちの家を必死に探す話です。
ストーリーは、ただそれだけ。
間違えて持って帰ってしまった友だちのノートを返すために、主人公は奔走します。
そのノートがないと、友達が先生に怒られて、学校を辞めさせられてしまうかもしれないからです。
こんなシンプルなストーリーだけど、僕はボロボロ泣いてしまいました。
というか、たぶん誰が見ても感動すると思います。
そう言い切ってしまってもいいぐらい、圧倒的に素晴らしい映画です。
この映画を観ると、
「子供のころは遊んでばっかで、悩みなんてなくて楽しかったよなあ」
という記憶が、過去をかなり美化していることに気付かされます(少なくとも僕の場合はそうです)。
子供には子供の悩みがあって、些細なことで、人生が終わるんじゃないかと思うほど苦しんだりしていたことを、思い出しました。
監督のキアロスタミ氏はイラン人で、巨匠と呼ばれているほど、映画界で地位を確立しています。
莫大な制作費をかけるハリウッド映画とは、正反対の映画。
金をかけなくても、いくらでも面白い映画が作れるということを、キアロスタミは証明してくれました。
キアロスタミ作品は他にも何作か観ましたが、どれも感動します。
デビュー作の『トラベラー』は、少年がサッカーのチケットを買うためにいろいろ頑張る話なんですが、これもぐっときます。
『友だちのうちはどこ?』はたぶん、ある程度大きなレンタルビデオ屋に行かないと置いてない気がします。
ただ、わざわざ他の街のビデオ屋まで行ってでも、借りて観る価値はあると思います。
『友だちのうちはどこ?』が置いてあるビデオ屋はどこ?って感じで、頑張って探して欲しいです![]()
