ブライアン・デ・パルマ監督の映画は、いつだって、熱い。
『カリートの道』、『キャリー』、『ミッションインポッシブル』など、最高にかっこいいギャング映画も撮りつつ、ホラー映画もよくできていて、さらに、ハリウッド大作も撮ってしまうのだが、どの映画も、情熱にあふれている。
ときに、熱くなりすぎて、監督の壮大なビジョンに観客がついていけなくなり、空回りしているようなシーンもあるが、そんなところも含めて、デ・パルマ映画は愛おしい。
あまりの監督の気持ちの激しさに、思わず映画を観ていて笑ってしまったことも、何度もある。(全然笑うシーンではないのにもかかわらず…)
そんなデ・パルマ監督の新作『リダクテッド 真実の価値』を、映画館・シアターN渋谷で観てきた。
この映画は、イラク戦争で、米兵がイラク人の少女をレイプして、さらにその家族を殺した事件を題材にして作られている。
重いストーリーだった…。
映画のはじめに
この物語はフィクションです
というメッセージが出てくるが、限りなくドキュメンタリー映画に近いと思う。
デ・パルマ監督は「撮影の魔術師」とも呼ばれていて、撮影の仕方にすごい拘りを持っている(とくに、『スネーク・アイズ』の冒頭13分間にも及ぶ長廻し撮影には、度肝を抜かれた)。
今回の映画でも、兵士がプライベートビデオで撮影したり、YouTubeの画像になったりと、凝った仕掛けが目白押しだった。
デ・パルマ映画を観たあとはいつもそうなるように、この映画を観たあとも、僕の感情はとても高ぶっていた。
しかし、そのどうしようもないほどの興奮は、とくにやり場がないのであった…。
