筋肉痛とともに迎えた2日目の朝
高地の夜はとてつもなく寒かった
気温は5℃を下回っていたと思う
ガイドが用意してくれていた暖かい寝袋の中で服を着込んでようやく眠りにつけたぐらいだ。
今日はトレッキング2日目
いよいよ山頂を目指す
グレートリフトバレー(アフリカ大地溝帯)の中を歩いている。
標高3000m級の山々が幾重にも連なっている。
昨日もそうだったけど、今日はいっそう空気が澄んでいて、どこまでも見渡せる。
向かいの岩肌にバブーンの群れが見える。
よくよく見ると、群れはどこまでも広がっていて、100匹以上はいそうなバブーンが大群で岩肌を移動している。
登山サポーターのマリグもこんなに大きな群れはめったに見られないと言っていた。
メニューは、バナナ、オレンジ、パン、ハチミツ、ピーナッツバター、そして泊めてもらった家のお母さんが調理してくれたポテトとスパイシーなソース。
昨日よりも高いところを歩いているのに、すべての景色に感動しているせいか、あまり辛い気がしない。
とにかくどこを見渡しても絶景だ
ご飯を食べていると、どこからともなく高地に住む子どもたちがやってきた
ガイド、サポーターを通訳してもらって、子どもたちと話してみた(^^)
ハンナ 「将来の夢は何?」
子どもたち 「医者になりたい」 「僕は飛行機のパイロット」
ハンナ 「それはどうして?」
子どもたち 「みんなの病気を治したいから^^」 「飛行機があればたくさん歩かなくても早く遠くまでものを運べるから」
お金持ちになりたいという子どもは一人もいなかった。
畑瀬 「一番欲しいものはなに?」
この答えにはびっくりした
誰も何も答えなかったのだ。
畑瀬 「じゃあ、靴はどう? 欲しい?」
子ども 「靴はいらないよ^^」
何も知らないからかもしれない。何も持っていないのに、服だってボロボロで古いのに、何もいらないと言っていた。
ラッシュマス 「デンマークとドイツとフランスと日本のことは知ってる?」
子ども 「アメリカとイギリスは知ってる!」
畑瀬 「学校に行っている子はいるの?」
子ども 「私!」 「私も!」
十数人も子どもがいるのに学校に行っているのは2人だけだった。
マリグ 「この子たちは欲しいものはないけど、みんな学校に行きたいって言ってるよ」
高原地帯にも学校はある。でも子どもたちは学校に行くお金がないし、それ以前に家の手伝いをしなければならない。朝ごはんを食べた後は、男の子はウシやヤギやロバを放牧させに行き、女の子たちは薪を運ぶ。まだ3、4歳の子どももお兄ちゃんやお姉ちゃんについて朝早く仕事に行く。家に帰ってくるのは夕方で、食事は一日2回。勉強する時間も教科書もない。
畑瀬 「もし可能ならで良いんだけど、みんなの足の裏を触っても良い(^w^)?」
マリグ 「Why not?(^^)」
通訳してもらうと、子どもたちが次々に裸足の足を出してくれた。
畑瀬 「おー、思ったより柔らかいよ でも年上の子は裸足歴が長いから皮膚が頑丈になっているね^w^」
子どもたちは足を触られてくすぐったそうにしていた(^w^)笑
僕が子どもの足を触っていると、子どもが真似して僕の頭を触ってきた(笑)
真似をして、アムハラ語で「思ったより(髪の毛が)柔らかい」とでも言っているようだったww
僕は僕が知り合った人を助けたいのではない。
僕が一生出会うことのない人にも幸せになってほしい。
でも、こんな純真でまっすぐな目をした子どもたちに会うと、こんな子どもたちこそ幸せになってほしいと思う。
以前の記事でも書きましたが、アフリカの貧困層の80%は農村の人々です。
彼らの親が貧困から脱出することで、その子どもたちを学校にやるお金ができる。
彼らの耕作や酪農が効率的に行われることで、子どもたちは働き手として扱われるのではなく、学校に行って勉強することができる。
高原地帯で生活する子どもたちと異文化交流をしているうちに時刻はすで14時になっていた
マリグ 「今から目的地の山頂を目指すには時間が足りないと思う。3800mではないけど、ここもすでに3600mはあるよ。まだあの山頂を目指す? それとも明るいうちに家に帰ろうか?」
ボランティア4人とも引き返すことに合意した。
山頂を目指して歩いてきたけど、すでにたくさんの絶景を見ることができたし、子どもたちと会話することもできた。
引き返す僕たちを子どもたちは見えなくなるまで見送ってくれた。
「アムセグナロ!」(ありがとう!)と言うと、子どもたちは恥ずかしそうに笑って手を振ってくれた。
また絶景の中を歩いて、土の壁と藁の屋根でできたあの家に帰る。
アムセグナロ(*^^*)