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日本の構造と世界の最適化

戦後システムの老朽化といまだ見えぬ「新しい世界」。
古いシステムが自ら自己改革することなどできず、
いっそ「破綻」させ「やむなく転換」させるのが現実的か。


官僚は仕切りたくてたまらない生物らしい。


補助金のような直接の産業介入が時代遅れになると、今度は現代風のファンドで産業に介入しようとする。
官製ファンド乱立 総資金4兆円、「民業圧迫」批判も(2013/8/18朝日新聞)
官製ファンドは「汚いカネ」「無駄な組織」 (2013/08/21山崎元*ダイヤモンド)
「官製ファンド」という名の究極の税金泥棒(2013/08/18天木直人*元官僚)


乱立する国策ファンド


うほほほ!霞ヶ関でファンド創設ブーム!!


金融危機以降・・

●産業革新機構(経産省)820億円
●企業再生支援機構(経産省)100億円

昨今は・・
○民間資金等活用事業推進機構(内閣府)3200億円
○日本政策投資銀行・競争力強化ファンド(財務省)3000億円
○農林漁業成長産業化支援機構(農水省)2000億円
○官民イノベーションプログラム(文科省)1000億円
○クールジャパン推進機構(経産省)600億円
○環境不動産普及促進機構(国交省環境省)350億円
○官民創薬ファンド(厚労省)予定*iPS細胞ではずみがついたか


「おい民間人!俺達官僚がイノベーションを指導してやるぜ!税金でな!」
アニメの売り方俺達官僚が教えてやるぜ!税金でな!」
「おめーらは受験競争の勝者である我々に頭を下げてついて来い!」
「ちなみに優良な投資先は俺達の天下り先にもなる。賢いだろ!」
国策ガラパゴスをどんどん推進するぜ!俺達のシマを確保するために!」
「それぞれの省庁に宝くじやファンドやらせろ!」
「失敗しても俺達の老後は安心だ!赤字の責任を取るのはおめーらだ!」
「増税で大きな政府=俺達を支えろ!」


  官僚の本音=FUCK YOU PAY ME


こんな野郎いらないのだ。


いつのまにか、官僚は予算にひきずられず、税金から引き出したカネで自らの「資本」を抱えるようになってしまった。このカネで企業人も頭を下げてくる。


しかし財政難で消費税増税だけでなく、1000兆円の公的負債、800兆円の年金原資不足まである。つまり将来は大増税が待っている。


民間は投資意欲を失っているだけなので資金が列島で枯渇しているわけではない。こうした「官僚による官僚のための」官製ファンドを解体し、資本を国庫に戻すべきである。


エルピーダへの投資は結局失敗し、邦銀が誰も助けられないところを米国半導体企業に吸収されて終わっている。失敗の反省もなくどんどんやるべきでない。誰が責任を取ったというのだろうか?

公的資金で再生したエルピーダの崩壊(当ブログ)

やっぱり経産省か(当ブログ)


官僚に資金をプールさせるな!


政府の役割を履き違えるな


必要なのは官製ファンドではない。


莫大な家計金融資産1700兆円を擁しながら、産業投資が進まない。こうした不合理な日本の金融構造を変革すべきなのだ。「貸し渋り」があるのは銀行が悪意であるからではない。日本の金融が産業に投資できるよう環境整備することが国家の役割ではないか?

産業投資と資産投資(当ブログ)


公的金融が必要なのは、資金不足の貧しい国であろう。


日本のような富裕国で、公的金融に頼らなければならないのはおかしい。終戦後の劣悪な貧困経済の中で官界が経済産業を指導して育てたのは、戦後レジームというものだ。この戦後レジームも終わらなければならない。


官僚が民業圧迫して居座る


毎年赤字国債40兆円近く発行し、市場のマネーを吸い上げているが、黒字国家ならば40兆円が市場で余ることになる。その場合、金融業者は投資先を見つけるしかない。毎年40兆円とはすごい額である。東北復興でも15年くらいで15~20兆円の見積もりだったのだから。

国債と産業投資(当ブログ)


たくさんの官製ファンドで民間に介入するとき、民間ファンドと競合してしまいかねない。民業圧迫である。優良な投資先を官製ファンドが良い条件で囲い込み、それ以外を民間ファンドが担当するとしたら、投資市場を歪めてしまうことになる。
*日本プライベート・エクイティ協会は官製ファンドに懸念を示した


  官製ファンド4兆円  → 競合 ← 民間ファンド1兆円


政府の役割は交通整理のようなもので、どんな色の車にするか、何台あるべきか、どこに向かってドライブするかは自由市場にまかせるべきである。暴走車を取り締まるが、スムーズに流れるようルールや信号を設定するのが仕事であろう。


■日本のベンチャーキャピタル/PEはまだ弱い

ところでベンチャーキャピタルは日本でも数は増えた。しかしその運用総額(全体で約1兆円)はあまりにも小さいし、一社に投資される資金も小さい。


 米国プライベート・エクイティ・ファンド運用資産総額 約15兆円相当

 全世界プライベート・エクイティ・ファンド運用資産総額 約94兆円相当


ベンチャーキャピタル/PEは、一種の保険の原理で運用されるもので、通常の高利貸しとは違う。ちょうど5社に投資して4社倒産するが1社が大成功して総収益では儲かるというもののハズである。米国では成功した元ハイテク起業家が目利きとしてベンチャー企業のインキュベーションや投資を行う事例も見られる。欧州では製薬等リスクが高い分野の斥候としての役割を果たしているようだ。


しかし日本の場合、ただの高利貸しに終わっているような気もする。この上、官製ファンドが加わると、ろくなことはない。政府がやるべきことは、民間のPEがもっと活発化・規模拡大できるようにすることではないか。


日本の新興企業の経営者らは、もっと純粋なベンチャーキャピタル/プライベート・エクイティ・ファンドの誕生のために力を発揮すべきである。こうした新興経営者らがベンチャー企業の障壁となっている国内規制に高所から広報活動等産業のための政治的活動を行っていくことも必要だと思う。
*ソフトバンク孫社長はテレビでアイドルになったりせず、意見広告など制度に関して活発な発言を行ってきた
*楽天の三木谷社長は新経済連盟(新経連)という新しい財界を作っている