会社のためにやりました!
ショーン・コネリーが出演した映画『ライジング・サン』に出てくる日本企業では企業犯罪に手を染めた日本人が泣きながら「会社のためにやりました!」と言う。
*日米貿易摩擦の頃の映画なので若干偏見がある映画だが「会社のためにやりました」は日本文化であろう。
泣きながら「会社のために(違法行為を)やりました!」
と言えば、日本のサラリーマンは「わかるよ・・会社のためにはグレーゾーンだって渡るしかないんだ・・・」と言って同情する人も多いのではないだろうか。
身内の幸せ優先 ← → 法(公益)の維持
近頃愛国が盛んにはなっているが、多くの人は実は国法などどうでも良く、身内仲間が一番大事で、身内のためには国法も公益も平気で侵害するという前近代的文化の残照がある。「身内=絆」至上主義だ。国防に必要な兵器ですら、不良品を納品して儲けようとする会社がある。
・機関銃の試験結果改竄 防衛省が住友重機処分へ(2013/12/14産経新聞)
・住友重機械工業(株)に対する指名停止の措置等について(2013/12/18防衛省)
*理想的には一社に万年独占受注させず、最低二社を競わせることで兵器装備の価格と品質
のプレッシャーを与えている国が多いようだが、住友重機は万年独占だったようだ。
外国での日本人の談合
ところで異国にわざわざ出かけていって商売するとき、日本的情緒だけでは通じないだろう。もちろん国家間には経済摩擦もあるが、それを承知で商売しているはずである。イヤなら外国でビジネスせずに国内に閉じこもっていればいい。
*トヨタのブレーキペダル事件は結局はトヨタの技術的問題ではなかったようで、選挙前の米議会の人気取りも手伝ったものだった。ビジネスは政治と無縁でない。
日本が海外に市場を求める場合、日本ではない世界でビジネスすることになる。その場合、日本司法や日本社会とはまったく異なる場合がある。
■米国で日本企業の日本人次々実刑
昨年から米司法省のエリック・ホルダー長官は反トラスト法適用を強化しており、摘発され有罪を認めた23社のうち21社が日本企業であったという。捜査は現在進行形で、証拠隠滅などをすればますます罪は重くなる。例えば、デンソー元幹部の服部誠氏は禁固刑を受け入れたとされる。
・デンソー元幹部に禁錮刑、部品カルテルで司法妨害認める=米当局(2014/02/21ロイター)
・日本人が米国で続々と刑務所送り「普通に働いただけなのに…」(2014/1/17週刊朝日)
・DENSO Corporation Executive Agrees to Plead Guilty to Automobile Parts Price
Fixing and Bid Rigging Conspiracy(2012/4/26米司法省)
日本で大手企業の価格談合があっても、せいぜい会社が罰金、最悪の場合でも執行猶予が付く場合が多いのではないだろうか?
日展不正のようなインチキ公募・最初から会派ごとの割当が決まっているというシマ分配型の日本的世界からすれば、自由主義経済のルールなどどうでもいいと思っている人が多いのではないだろうか?
*ルールなき自由は強者の横暴を許すゆえ、ルールのある自由となる。少なくとも自由競争を前提とするなら、それが目指すべき理想となる。
外国ではどうなるかわからない。
イスラム圏で麻薬所持だけで死刑になる国があるのと同じである。「そんな!日本ではそうではないのに!」と言う寝ぼけた奴にならないことだ。
グローバル化は語学の問題ではない
わざわざ海外でビジネスしたいなら、当然にその国の司法、社会、ビジネス慣行を知るべきだ。知らない種類のサメや毒クラゲが泳いでいる海に飛び込むのである。
「グローバル化」というのは語学だけの問題ではない。
国内需要低迷でどうしても国外に進出せねばならぬなら、もうちょっと免疫をつける研修でも受けるべきではなかろうか?
*輸出や海外展開の必要のない人たちに英語教育のみ強制している現在のシステムもヘンテコであろう。
まして、司法が腐っているような第三世界の変な国でビジネスする場合は大変であろう。駐在している間に政変やクーデターが起こる国だってあるのだ。賄賂を要求してくる外国の官僚もいるのだ。内心の「心の清さ」さえあればどうにかなるものでもない。
日本人が得意な「臨機応変」だけで外国の公権力をかわせるだろうか?あなたの会社は、外国の司法権力よりも強力で常にあなたを守ってくれるのだろうか?
「そんときはそんときさ!」←そんときが来ました!米国で禁固刑です!