産業空洞化の債権国=日本 | 日本の構造と世界の最適化

日本の構造と世界の最適化

戦後システムの老朽化といまだ見えぬ「新しい世界」。
古いシステムが自ら自己改革することなどできず、
いっそ「破綻」させ「やむなく転換」させるのが現実的か。

産業空洞化の債権国=日本


思うに、カネとヒトを余すことなく有効活用することが国の豊かさとなる。


イノベーションや新規製品が生活を向上させ、さらにその富が循環的に投資されることによっ雪だるまのように豊かさが増していく。


しかし日本の国内投資が減っていけば、設備は老朽化し、雇用拡大もない。


■産業空洞化と資本流出

日本の構造と世界の最適化 バブル崩壊以降、日本の海外資産(純資産250兆円)は増すばかり(ドイツの2倍以上)だが、国内経済活性化
になってない。低金利でカネを供給しても外へ流れていく。産業空洞化はわかりやすいが、カネも着実に外へ逃げているのだ。例えば戦略性のある日本大手企業は今後の存亡のため、海外展開の資金を増資や社債でかき集めている。日本国内での増資なら、カネが国内よりも国外で使われるために出て行くということだ。大手企業は本格的にグローバル化しなければならないが、それは儲からず先行き暗い日本国内との決別でもある。ビジネスは最終的には情実を捨てざるをえない。
対外純資産 過去最高250兆円(2008/05/23読売新聞)
三井住友FG、海外進出目指して増資も視野(2009/12/29WSJ)
・沸騰!上海コンビニ競争 (2009/05/28ダイヤモンド)


           産業も流出+資本も流出


           日本国内経済を救うため低金利政策!

                ↓

           さあ、低金利でマネーを集め、海外に投資しよう

                ↓

           日本国内にマネーが落ちてこない=低迷


70年代以降の貿易自由化あたりから、一国社会主義的な日本経済は壊れてきていた。大手企業がはっきりとグローバル化をめざすとき、国家は法人税増収が期待できるかもしれないが、海外に行けない国内専業零細や国内従業員は冷や飯を食うだろう。新しい投資や事業が日本では展開されず、海外で展開されるからだ。


「技術立国日本!」などという古舘伊知郎ばりの勇ましい言葉を幾度聞いたことだろうか。


東京で売れた凄腕大阪芸人は大阪に帰ってこない。また技術優位性だけで済むのなら、ビデオはベータ規格が残り、ドコモのiモードは海外で成功していたはずだ。失敗から学ぼうとしない頑固さは、失敗してもクビにならない年功序列経営のせいだ。


経済環境が変わる中で、過去の構造を温存するだけではとても持たないだろう。グローバル企業の成功は、かつてのように国内企業城下町を豊かにはしない。「技術立国日本!」というだけではダメだ。構造改革がいる。


   構造的分離:グローバル組 ←→ 国内組


そのうちより多くの生活保護世帯と補助金やつなぎ資金を政府に頼る零細企業の群れが日本国内を覆いつくすかもしれない。


イギリスが経験した産業空洞化は


イギリスはかつて技術立国・産業立国として世界の頂点にあった。


■イギリスの資本流出

ドイツなどは大昔は、安い小麦や材木の輸入先でしかなかった。フランス・ドイツが産業革命を導入しはじめるとイギリス資本は成長著しいイギリス外欧州へ流出した。イギリス国内への産業投資鈍りはじめた。欧州鉄道バブルなどイギリス国外での儲けのネタは多かった。

水は上から下へと流れる。


カネも非成長地域から成長地域へ流れる。カネが動くことで、技術も産業も追随していく。経済原理のすばらしいところは、人間のセンチメンタリズムや政治的誤魔化しが効かないところだ。


日本でビジネスしたいか?


グローバル企業がその優位性ある技術を海外で展開し、海外投資を行い、海外生産・海外雇用を拡大して法人税収がマシになっても、国内は零落していくのはとまらない。日本国内のヒトが活用されないからだ。日本の富が外国に最新設備を導入し、外国でヒトを雇用するのに使われるからだ。豊かさとはヒトと富を余すことなく活用しなければ失われる。


日本が魅力的な投資先でなければカネは逃げる。


だが「法人税」は零細事業家を優遇した二段階制になっている。戦後になって地方自営農民と中小零細が日本の保守本流となった。だから、彼らは特別待遇を受けている。そして海外からの投資を盛んにしようとする試みにはナショナリズムの壁がある。日本とは異なる短期的利益を求める外資は「ハゲタカ・ファンド」とともされ嫌われる。


外国資本は嫌?


だが肝心の「日の丸」資本はどんどん外に投下されている。これほどのカネを国外に投資している国もそうないのだ。


さあ、どうする?


日本のバブル経済の頃も、海外投資が盛んになったが、それはカネ余りの結果だ。金持ち国家日本は、国内にカネがまわらず海外資産・海外投資が拡大していく様相にもなってきている。また弱者にカネをばらまいても、強者にはならない。


結論=構造改革がいる


大胆な構造改革を主張する政党が見当たらない。谷垣自民党も民主党政権の経済無策ぶりを批判できる絶好の機会なのに憲法と消費税くらいしか掲げられない。


日本の構造と世界の最適化-リセットボタン 戦後冷戦時の経済構造を改革し、国内のしがらみをリセットしない限り、債権国になっても生
活保護世帯が増えていくという矛盾は解決できないのではないか。


以下のようなことを推進すべきだ。


・衰退産業から新興成長産業への資本移動(時間稼ぎから脱却)
特権国策企業(親方日の丸・政官財)の専横抑制(独占禁止法強化)
ゼネコン体質を解体し新規参入促進
地域的カルテルの解体と新規地域投資促進
・産業投資を増進し資産投資を抑制する
・囲い込み的雇用を解体し「同一労働同一賃金」を徹底する
・小自治体の特権を縮小し、日本三極(東京・大阪・福岡)を経済拠点集中化


リセットできないなら、スペインオランダイギリスが経済大国の座からすべり落ちていったようにすべり落ちるだけだ。


減らす、縮小するというのは、想像以上に辛いことだからプライドを捨て構造リセットしたほうがいい。