帽子作り50年のブログ -6ページ目

帽子作り50年のブログ

帽子やアパレルを海外工場で生産する経験談

フィリピンの合弁相手との提携を解消して、香港の "SUNSHINE SPORTS PRODUCTS LTD. が独自に生産工場を確保しようとしていた頃、元アシックスの品質管理のマネージャーから電話が有り、今度 ユニクロを展開しているファストリテイリングに入り海外生産のバイヤーとして仕事をするので、香港で打ち合わせをしたいと連絡が来ました。
 当初アパレル全般の要求が有りましたが、当社としては帽子や手袋などの小物で、対応する事になり、中国の生産工場をチェックしました。
 しかしファストリテイリングの品質基準は、以前アシックスと相談して作り上げた品質管理マニアルをそのまま使う事になり、当時の中国の工場では、まだ無理ではないかと思った私は、今迄の韓国台湾の工場や、香港の地場工場での生産を計画しました。
 当時はまだユニクロ商品の生産数もそれほど多くなく、中国では、要求する品質管理マニアルを実行出来るか疑問だったせいも有りました。
 
しかしその後すぐにコスト面や生産能力として、韓国台湾や香港の工場では無理に成り、日本への輸出になれている華中(特に上海や江蘇州)の工場と交渉して、ユニクロ商品の生産が始まりました。
 当時日本向けに合った中国の工場を新たに見つけようとして、以前中経総公司と初めて中国で、工場を探した時とは違うルートをたどって、上海、杭州、寧波、南通、徐州、常州、南京等の工場を回り、いろいろ試験生産もしたのですが、最終的に上海に有る台湾人が経営する布帛帽子の工場と、同じく上海のニット帽子や手袋を中心に輸出している会社に依頼して、当時爆発的に伸びていたユニクロの注文を生産する様に成りました。
 特に布帛の工場では、『不良品が発生する前に不良品を作らない』をモットーに材料の入荷から各工程毎に品質管理を行い、不良品を次の工程に渡さないシステムを作り上げ、この工場は数年のうちに飛躍的に伸び、上海の田舎に合った小さな工場は、浦東の工業団地に大きな工場を作る様に成りました。
 その頃から中国では、『品質管理を徹底して良い物を作れば、利益に繋がる』との発想がどの業種でも芽生え始めた為、今日の様な『生産大国』になったのではないでしょうか。
以前は『品質を守る事は、コストが上がる』との思想がはびこり、問題が起きるといかに責任を逃れるかに終始していた事は、日本の企業が中国で生産する為の生産責任者の誰もが感じていた事では無いでしょうか。