ダラダラと私の仕事の歴史を書いてきましたが、今日は私の帽子についての考えを書こうと思います。
当たり前ですが、頭に被れない帽子は帽子では有りませんん。そして有史以前から帽子は被る人の地位や職業を表す重要な物でした。
大昔から人と一緒に在った帽子は、頭部を守り寒さや暑さを防ぎ、被る人の誇りや満足感を与える物で在ったと思います。そして何と言っても被る事で、気持ち良さと幸せを与えるもの、それが帽子であると思います。
でも気持ち良さや幸せを与える帽子とは、どんな帽子でしょうか。
もちろんその形や色、デザインなどその外見で、人を引きつける要素は非常に大事ですが、それと共に長時間被っていても、不快を与えない快適な帽子でなければならないと思います。
長時間被っていると頭が痛くなる帽子、帽子の中が蒸れて髪の毛が頭にべったりくっ付いてしまう帽子、頭を急に動かしたり風が吹くと頭から動いてしまう帽子、重たくて肩が凝る様な帽子、等々、デザインとしてはすばらしくても、帽子本来の機能が不足している帽子も少なく有りません。そしてそれは帽子の作り手が、帽子本来の目的を忘れてただの商品として、生産した結果だと思います。
一般的に帽子を被ったとき、頭回り(帽子の頭に触れる裾の部分)は、きつくない程度の装着感が有り、それより上のクラウンの部分は、頭に触れないか触れても頭部を押さえつけない状態の物が、被りやすい帽子だと思います。もちろん水泳や、スピードスケートの帽子など目的の特化した帽子は、そうでない物も有りますが、目的の競技や作業が終わった後、彼らはその帽子をすぐに外すでしょう。水や空気の抵抗を抑えたり頭部を守る為の特化した帽子、保温や直射日光から頭部を守る帽子でも、帽子の外側の機能だけでなく、内側の快適さを併せ持つ帽子が、これらの特殊な帽子でも理想的な帽子ではないでしょうか。
有史以前に描かれた壁画では、人物の地位や職業を表すとき帽子も一緒に描かれていました。また古代の絵画でも同じ様に人物と一緒に帽子が描かれています。帽子を描く事に依って誰にでもその人物の地位や職業が理解できる様になる事は現代に於いても同じですが、その上今はアスリートが優勝したりメダルを取った時の写真やテレビのインタビューでは、そのアスリートを援助するスポンサーの名前の入った帽子が、そのアスリートの顔と一緒に画像に映る様になりました。
スポンサー企業はそのアスリートを応援する為に何人ものスタッフがそのアスリートと行動をともにし、その選手の為の器具や衣服を開発し、器具の手入れや選手のコンデションを最高な状態に保つ為の全ての事をして、選手と一緒にメダルを取った様な物ですから、写真やテレビの画像に選手と一緒にスポンサー企業の会社名やブランド名が映る事は、当然の事と思います。
そのとき最も有効な手段は、名前やマークが入っている帽子です。なにせ顔に最も近いところに有る訳ですから。
そのように帽子は、被る人の考え方や感性、職業や実績、他の人に与えるインパクトは最も強く、手軽に自分をアピール出来る物だと思います。
それだけに帽子自体も被る人にとって苦痛の無い、爽快感を与える帽子を作る事が、帽子を作る立場の人は、忘れてはいけない事だと思います。