今回、N市から一組のご夫婦が、来られました。
ご主人は、元観光バスの運転手。
奥様は、主人を支える農家の主婦です。
ご主人は、糖尿が元で白内障手術を2回。低血糖のせいか
歩けない状態でした。奥様も白内障手術2回、狭窄症とすべり症を
併発しておられます。
今回、ご主人の妹でありバスガイドさんを立会人に同席されました。
今回の話は、この社交的なバスガイドをしている妹さんから伺った
話なのです。
彼女の務めるT観光バスは、老舗の観光バス会社です。北は北海道
から南は九州まで、皆さんを楽しく案内するベテランガイドさん
なのです。
お歳は、70歳前後でしょうか。
その話は、35年から40年前の話に遡ります。
青森県は恐山への観光バスツアーのガイドを頼まれた彼女は
恐山へ安全にお客様を案内して行きました。
当時の恐山は、まだまだ観光地化されず、むき出しの岩肌に
ゴツゴツした山道だそうです。
賽の河原のような雰囲気だそうです。
至る所に”イタコ”が、お客の要望を聞きながら、交霊をしていた
そうです。
その近くの山すそに小さな湖があるそうです。
何気なく彼女は、湖を散策していると山の茂みからゴソゴソと
2人の男が下りてくるではありませんか。
彼女は、何事かと多少驚きましたが、「山伏」なのだろうと挨拶した
そうです。
2人は、真っ黒く焼けた顔に髪も髭も腰まで伸ばし熊の毛皮をまとい
藁草履を履き、山伏より迫力のあるいで立ちでした。
後ろの男は、大きな荷物を肩に背負いながら、彼女の前を勇壮に
通り過ぎて行ったそうです。
彼女は、遠い記憶を思い出しながら、
「きっと、今、目の前にいるお方が、当時のあの方に違いない!」
彼女:「先生! 昔、恐山で先生にお会いしたことあります。」
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大師様:「そうかね、多分、そうかもしれないねえ。」
大師様も昔の記憶を辿るように、間をおいて、返事されました。
この方は、歴史の生き証人だと、私は思いました。
施術を受けたお兄さん夫婦は、今までの痛みを忘れ
大師様へ心から感謝して帰られました。
「蓮実さん、今日は本当に来て良かったよ。ありがとう。」
私も嬉しい限りでした。
蓮実英樹 感謝 合掌