スティーブン・スピルバーグ監督最新作。地球外生命体に関する情報は公に開示すべきか、機密として隠蔽すべきか、その攻防が描かれる。
公権力が秘匿していた事実は、明るみになると同時にそれって "往年のSF" と見間違う凡庸な真相なのだ。この使い古されたネタをスピルバーグ監督は堂々とやってのける。それでも物語を牽引して退屈しないのは彼が極める技量にある。ふたりの主人公、マーガレット(エミリー・ブラント)とケルナー(ジョシュ・オコナー)それぞれに長回しショットがあるけど、後者の撮影方法がわからない、ドローン使ってるのか?CGで処理してるのか?そんな最新技術を披露しつつ、光と影を使った基本の映像表現を…映画の楽しさを提供する。
さらにユーモアも欠かせない。マーガレットが敵側にGPS追跡されないようにスマホを捨てる場面、ジェイソン・ボーンやジャック・バウアーのようなスマートさは微塵も無い。むしろ一旦車のタイヤの前に丁寧に置いて轢いたスマホをとどめに足で踏んづける様は滑稽である。一方ケルナーが恋人ジェーンを救うべく敵の車両を盗み出して向かうや否や木に衝突、後進しても木に衝突という失態も間が抜けている。そんなド素人の醜態が面白い。
今作は大御所の落語家が古典落語を披露するかの如く、真打スピルバーグ監督の名人芸を楽しむ興行なのだ。そう思えば、ジョン・ウィリアムズ先生のサントラもそんなにウザくない。やっぱスピルバーグ師匠のカメラワークやアングルは好きだ。語呂が似てるけどハンバーグ師匠じゃないよ。
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