「PAN AM103 パンナム機爆破事件」 | やっぱり映画が好き

やっぱり映画が好き

正統派ではない映画論。
しかし邪道ではなく異端でもない。

【ネタバレ】あります。すみません、気を付けてください。

 

1988年12月21日、スコットランド・ロッカビーの上空でパンアメリカン航空103便が爆発・墜落して、乗員乗客259名全員と地上の住民11人が犠牲となった。地元警察やFBI捜査員などが捜査していくと、手荷物の中に爆弾が仕掛けられていたことがわかる。その持ち主はどのような経路で運び込んだのか。次第にわかる真相に世界が震撼する。全6話。Netflixにて配信中。

 

実話に基づく内容としてかなり緻密さを感じさせる。その取材力や脚色を含めて当時の関係者が事件へ真摯に取り組む姿に感嘆する。"ここは話盛ってるでしょ" ってな箇所は置いといて、被害者遺族の団結が公権力を動かしていく過程は、民主主義を体現している。

 

捜査過程の中で容疑者が浮かび上がり、その家族までもマスメディアの餌食になる。その嫌疑が晴れて解放されても一度流布された情報は消去されず、誹謗中傷の的となって日常生活を脅かす。しかし公権力は自ら招いた無実の人の悲運を看過する。ここで事件解決を英雄譚に仕立てない権力批判が込められているからこそ重厚なドラマとして成立している。

 

終盤、国際刑事裁判所(ICC)が舞台となる。法の支配がここで描かれていく。果たして判決はいかに…。話は変わる。現在、トランプ大統領はこのICCを "邪悪な組織" と中傷する。法の支配を軽視する彼は、決して英雄にはなれない。"権力は腐敗する" を見事に体現する愚かなリーダーである。日本のリーダーは大丈夫か?

 

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