エジプトに海外赴任するジャーナリスト家族の娘が行方不明になってしまう。懸命の捜索も徒労に終わり8年の歳月が流れる。アメリカに帰国した家族にエジプト警察から連絡が入る。娘が発見されたのだ。思わぬ朗報に喜ぶも束の間、変わり果てた娘の姿に動揺する両親、それでも娘を引き取って帰国するも不可解な出来事が家族を苛んでいく。
最悪が流転するホラー作品。皮膚感覚が宿る特殊造形は見事だしロケーションを存分に活かした撮影が世界観を増幅させている。ただ各エピソードの詰めが甘い。なぜ娘はモールス信号で父親に伝えようとしたのか、束縛からの解放を "娘のSOS" でなく "悪魔の画策" だったのだという転換がイマイチ表現できてない。でも私の "推し" リー・クローニン監督の過去作「ホール・イン・ザ・グラウンド」と同じ構図にニヤリとする。
ラストシーン。事件の主犯であった魔術師への報復という内容に疑義を唱えたい。彼女は加害者かつ被害者なのだ。魔術師の家族も惨禍から逃れることが出来なかった。それをうっすらと知っているのに…とモヤってしまう。ならばその手前の場面、棺越しに父親と娘のモールス交信で終えるべきだろう。8年前に娘を救えなかった父親の雪辱を果たした結果、ふたりは永遠に会えない切なさと人情味が伝わる。さらにもしかして、その棺を隔てる交流も "悪魔のささやき" かもしれない、という怖さに気付いてしまう。これこそホラーの魅力なんだが。
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