1990年代のアメリカ。両親との不和から現状に疑念が募る若者が自然を舞台に彷徨するロードムービー。実際に起きた出来事に基づくノンフィクション原作から着想を得てショーン・ペンが製作・脚本・監督を手掛ける。ショーン・ペン監督作で抜きんでて面白い。2007年製作。U-NEXTにて配信中。
様々な土地で出会う人びととの交流を経て主人公クリスは幸福と感じる瞬間の大切さを理解する。それはモノの豊かさや快適な空間の所有ではなく、自然の雄大さと人の謙虚さの平衡にある。私たちは自然の一部であり、支配者ではない。
謙虚は同調と似ているようで違う。謙虚は "驕り" という愚かさに無自覚ではない。"俺の言う事が正しいんだ" "批判する奴は排除する" ってな勇ましい断言をする輩には "で?" とやり返したくなる。"それちょっと前に言ってた事とちゃうやん" "辻褄おうてへんで" と関西弁で反抗するのはこの際良しとしよう。つまり自然という大きな力と権力者の横暴、どちらも抗う術が無いようだが、自然に対して制御ではなく手入れという配慮がある一方、権力が人を虐げようとする不条理には "間違っている" と声をあげる権利がある。無条件でその空気に流される "同調" ではなく、沈思黙考して正しい選択を判断するのだ。
ここで "驕り" の例をあげる。全国の街で開発(再開発)という名の自然破壊が蔓延っている。経済活性や物流・人流などと喧伝するが、昔からある言葉で「栄枯盛衰」人や場所はやがて衰えていく。それに気づかない(ふりをする)のは、如何なものか。そんな「栄枯盛衰」人による創造物はワンサイクルで終了なのだが、自然の力は繰り返し「栄枯盛衰」が巡る、このサスティナブルな側面は、自然の力に勝るものはない。ならば私たちは自然の力に居候すればいい。居候なのだから威張れないし心配りが必須となる。これが "謙虚" 。
終盤、静かな時を迎えるクリスは、そこに至る道程で自然や人びとと向き合い一喜一憂する。特別な出来事や体験は無いが、クリスにとってそんな特別じゃない日々こそ価値があり、それに気づいた彼に悔恨は無い。そこに幸福は宿る。
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