「ネタニヤフ調書」 | やっぱり映画が好き

やっぱり映画が好き

正統派ではない映画論。
しかし邪道ではなく異端でもない。

【ネタバレ】あります。すみません、気を付けてください。

 

ガザ地区で勢力を持つハマスによるイスラエルへの奇襲によって、イスラエル軍が人質の奪還を目的としたガザへの侵攻を開始する。住民の生活を脅かす紛争は、停戦という言葉と攻撃という現実が交錯する。今作はイスラエル首相のネタニヤフがガザ侵攻以前に問題視された汚職の嫌疑で警察担当者から取り調べを受ける映像を主軸においたドキュメンタリー作品。

 

問題の映像は、この作品を制作するチームにリークされた。そこに為政者の横暴に対する憤りと裁きへの執念が見えてくる。一国のリーダーの過ちに有権者はどう立ち向かうのか。警察が追及するのは首相とその家族の私利私欲の範疇だったが、首相が権力に固執するあまりパレスチナへのジェノサイドを正当化する非人道行為まで波及している。人質解放という旗印は為政者の保身をくらます手段になっていないか。そこまで人びとの尊厳を毀損するほど残酷になっていく姿はやりきれない。

 

権力は維持するほど腐敗していく。独裁へ進行すると、弱者を虐げることを厭わない非人道な思考が侵食する。極右との連立政権によって、民のデモ行為が効力を失っていく窮状は、暴力を日常化していく。さらにガザ侵攻という惨状を正義だと開き直る。この悲惨な紛争を止める手立てはないのか。反政権の声をあげる人びとは少なからずいる。クーデターで政権を転覆させてはいけないのか。このジレンマを抱くのは左派の人びとだけではない。

 

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