主演アンディ・サムバーグの大ファンなので、この作品は見逃せない。というか、hulu配給と明記していたので配信かと思いきや劇場公開されて二重の喜び。
タイムループものは笑いの "天丼"(同じギャグやボケを二度、三度と繰り返して笑いをとる手法)のカテゴリーに入るのでコメディにもってこい。ここでは "ある結婚式当日" が繰り返されるが新郎新婦が主役ではない、新婦の姉サラとお調子者の男ナイルズである。退屈を強いられる儀式で不道徳な遊びに興じる二人は、ノーリスクだが虚無感しか残らない毎日に喜びを見出せるのか。
途中、サラの不在によって物語の進行方向がずれていく展開が面白い。同じリズムで流れていたのに、突如変拍子によってズレが生じて先が読めなくなってしまう。変わらない毎日は "安心" ではなかった。表層的な人間関係の虚しさがタイムループ脱出の原動力となり、元の世界に戻る決心に "不安" と "希望" を巧みに表現している。
私たちの日常もルーティンで "安心" を得ようとしている。決まった仕事決まった食事決まった睡眠、変わらない行動で将来への "保障" を得ようとする、もしも先が見えない不安定な仕事食事睡眠を余儀無くさせる生活はどうだろうか。ん、ちょっと待てよ。誰が私たちの生活を "保障" してくれているのだろう。私たちはいつの間にそんな習慣を決めているのだろう。自ら志願してるよね。誰からもその決まり事を授けられてないよね。なんだ、私たちが営む日常って実は独りよがりな不確定な行動であって "安心" なんて錯覚だったんだ、と気づく暗喩が仕組まれている。私たちの暮らしには "不安" と "希望" が根底にあって "安心" は "惰性" を本質とした幻想に過ぎない。
欲言うならば、結末のオチに満足できない。"そこ" からのナイルズとサラの心情をみせるかなと思いきや、シチュエーションを提示されて "オチましたよ" と言われても、"それで?" とツッコミたくなる。二人は(時間が)後戻りできない現実に戻ってくる。"くり返し" から抜け出した世界でルーティンに訣別して、新たな第一歩を踏み出していく、かけがえのない時間を噛み締めていく主題へと帰着すべきだろう。
脇役で出演するJ・K・シモンズは、肩に力が入っていない安定の演技力。前に出過ぎない盛り付けない役作りは流石だよ。わきまえてる。最近ではあまり良い表現で使われてないけど "わきまえる" 決して遠慮や沈黙ではない、さじ加減の良さ。人を喜ばせる姿勢がJ・K・シモンズの役者道かもね。その心意気見習います。さじ投げないよ。
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アンディ・サムバーグの代表作であり傑作。めちゃ歌上手い、なんでもこなすエンターテイナーここにあり。
