「鬼手」 | やっぱり映画が好き

やっぱり映画が好き

正統派ではない映画論。
しかし邪道ではなく異端でもない。

【ネタバレ】あります。すみません、気を付けてください。

 

前々回紹介した「神の一手」のスピンオフ作品。前作の主人公テソクが囲碁対局で一回も勝てなかった謎の棋士グィス。彼の15年前の出来事が描かれる。

 

前作同様、己の全財産、そして生死を賭けた囲碁バトルが展開する。登場人物全員狂ってる。今回も趣向を凝らした囲碁対局に加えてアクションネタも向上してる。主軸として "復讐" が主人公グィスの原動力となり、姉の仇を討つべくバトルへと向かうも、横槍として少年時代に父親を死に追い詰めたグィスへの報復を誓う孤児ウェトリが登場するのがミソ。"ダブル復讐" という構図が面白い。

 

前作同様、撮影・照明が見事。対局場面における陰影の作り方や碁石が跳ねるシーンの身震いするスローモーションの演出、トイレでの格闘場面における暗闇の恐怖など娯楽活劇として様々なアイデアが織り込まれている。

 

欲言うならば、白装束のグィスがラスボスへ向かう対局場面、もう一捻りあれば申し分ない。そこで伏線をもっと活かせる、瀕死のグィスが耳から血を流すのではなく、目から血を流して視界が閉ざされる、その中で目隠し対局が繰り出せたはずだし、占い師のように対戦相手の過去の悪行を列挙して相手を動揺させ「顔を上げるな、道を見失うことになる」と呟くのもいいだろうし、最終グィスは "復讐" よりも "寛容" が大切なのだと孤児ウェトリから学んだのではないだろうか。

 

とはいえ冒頭から繰り広げられる修行シーンで満腹中枢刺激しまくり。理屈じゃないのよね、こういう突進っぷりは大好き。囲碁の世界がわからなくても映像のハンパない説得力に唸らせる。

 

大ヒットしている「鬼滅の刃」関連グッズもバカ売れする "鬼" ブーム。そういえば「鬼ガール」という映画も偶然公開されてるし、こりゃ「鬼手」も満員御礼かも?そんなはずない、上記のポスター見りゃ、子供でもわかる。あ、でもお年寄りが天然ボケで孫連れてくる可能性なきにしもあらず、オレオレ詐欺ならぬオニオニ詐欺にご注意を。

 

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