「ビッグ・リトル・ファーム 理想の暮らしのつくり方」 | やっぱり映画が好き

やっぱり映画が好き

正統派ではない映画論。
しかし邪道ではなく異端でもない。

【ネタバレ】あります。すみません、気を付けてください。

 

1組の夫婦ジョンとモリーは殺処分寸前の犬トッドを保護し飼うことになる。犬なので吠える。その鳴き声がうるさいと近所からクレームがついてアパートを追い出される。料理家の妻モリーは体にいい食材を思い巡らせて郊外の荒れた農地を購入する。広大な土地に居を構えて少しずつ耕していく二人は自然の厳しさに翻弄されながらも理想の農地を目指して試行錯誤を繰り返す。果たして解決策を見出す事は出来るのか。二人を取り巻く数年間を記録したドキュメンタリー作品。

 

様々な外敵が作物や飼育する生き物に襲いかかる。知恵を絞って防御するもまた異なる障害が立ちはだかる。農地コンサルタントのアラン・ヨークの助言を受ける二人は月日は流れど思うように成果が現れない現実に苛まれる。自然は数式ではない、方程式のようにイコールで答えは出ない。見えざる環境がふいと姿を現わす。

 

養鶏を狙うコヨーテの存在がこのドキュメンタリー作品の鍵となる。自然に不要なものはない、命を奪い授かる壮大なサイクルで成り立っている。人間はそのサイクルの一部であり決して支配する立場ではない。主題がわかりやすい構成で描かれる動物・植物の生き様に感嘆する。

 

財政を危惧して国民の命を連日報道される数値でしか頭に入らない日本の行政の愚かさ。利権・忖度に固執して壮大なる自然のサイクルを見ようとしない為政者こそこの作品をみて学ぶべき、答えはそこにある。分からなければ誰かに聞けばいい、聞く耳持たぬならば辞することをお勧めする。

 

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