タイトルからすると車業界で対立する2社の熾烈なるレース競争かと思いきやフォード社の経営幹部とレースチームの現場メンバーの対立、そしてレースチームの男臭さ満載の人間ドラマである。オイルとゴムの焦げる臭いがあればソコはレース会場、思わずハンドル握りたくなる。
60年代を舞台にした衣装や美術でその世界観にどっぷり漬かった主演のマット・デイモンとクリスチャン・ベイルはまさにそこにいる職人にしか見えない。丁々発止や意思疎通する二人のストイックな姿、特にアクセル踏むタイミングをシンクロさせる場面でニヤリとしてしまう。
男臭い主演の二人はもちろん、チームメンバーの職人ぶりにも拍手喝采。レース車の閉まらないドアのトラブル応急策や副社長を軟禁する悪戯な抵抗に思わずガッツポーズをしてしまう。活躍する脇役陣にそれほど台詞はないが、そこに確固たるチームワークが伝わってくる。
欲言うならば、ケン・マイルズ(クリスチャン・ベイル)の奥さんの気取った所作が鼻につく。職場でダンス、旦那と友人が取っ組み合いの喧嘩してる傍ら椅子出して雑誌を読む素振りは気障ったらしい。男性から見たイケてる女性像ってこういうの?ってな具合。女性が見たら不快感あるのではないか、と男側の都合の良さだけがしこりとして残る。あの夫婦関係は何事でも相談する相思相愛を表現するだけでいい、旦那を助手席に乗せて爆走する嫁のハンドルさばきがギリセーフ。
ニーナ・シモンなどの60年代ジャズをBGMとしているのはナイス。このセンス良い選曲を終盤ル・マン24時間レースの場面でも使用して欲しかった。そこだけギリギリダサい楽曲になる。なんで?と訝しるが、そういえばカーレースといえばすぐに連想する T-SQUAREの曲もギリダサい。これはこれでいいんだと納得。あ、こんな軽率な発言したらF1ファンからバッシング受けるやろね。その時はアクセル踏んで俺は逃げるよ。
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