「トゥルー・ディテクティブ」 | やっぱり映画が好き

やっぱり映画が好き

正統派ではない映画論。
しかし邪道ではなく異端でもない。

【ネタバレ】あります。すみません、気を付けてください。

 

マシュー・マコノヒーとウディ・ハレルソン、芸達者な二人が刑事役として活躍するTVドラマは2014年製作なのでもう5年が過ぎようとしている。このドラマは派手なアクションがあるわけではないのだが緊張感が持続する。全8話からなる事件簿は90年代ゼロ年代そして現在へと時間軸が交錯する。この編集が上手い。そして主人公二人の変貌がスゴイ。舞台となるアメリカの田舎町ってコワい印象しかない。差別も貧困もなおざりにされているんだろうなぁ。そこへ宗教という形なき力が介入すると人々は盲信する。世間を信用しないが神の言葉は崇められる。広大な大陸に "縛られた戒律" と "道徳の崩壊" が闇に潜んでいる。この恐怖こそこの物語の主題となる。

 

シーズン一貫して監督したキャリー・フクナガの映画愛は各エピソードの印象に残るラスト場面の演出から伺える。特に中盤、第四話のラストの長回しは圧巻。ギャング団アジトの襲撃シーンだが、無事生還なるかという困難なミッションを観る者の手を引くようにカメラが移動する。フェンスをよじ登る二人を追いかけるカメラもまたよじ登る移動も味があってグッとくる。シーズン2も続けて観ます。もうすぐシーズン3も始まるしね。

 

前述したが、主人公二人の演技は唸らせるものがある。我が家では "マコノヒー兄さん" と敬意を含めて呼んでいるマシュー・マコノヒー演じるラスト・コール刑事の現在の風貌が "あるよね" だし、所作や目力がイイ。第一話の取り調べ場面でビール代の紙幣に息を吹きかける所作がなんとも言えぬ、これは監督の演出なのか、マコノヒー兄さんのアドリブなのか、この際どっちでもいいか。飲み干したビールの空き缶で工作するのも時間経過を映像として表現している。こういうのニクイね。

 

ウディ・ハレルソン演じるマーティン・ハート刑事のダメ男っぷりもイイ。嫁さん(演じるミシェル・モナハンは「ミッション・インポッシブル」では主人公イーサン・ハントの賢妻なのだが)のしたたかっぷりにも人間ドラマに奥行きを与えている。ハート刑事の頭髪は時代設定とともにヅラを替えている。このヅラが実によくできている。卓越した職人芸。目ざといヅラウオッチャーの我がヨメも舌を巻いていた。そんなヅラウオッチャーは昨年末のレコード大賞におけるDA P◯MP の ISS◯の頭を見てすぐさまヅラだと言い放った。うむこりゃバレバレだよアタマ、夢見る若者も見る大舞台なんだからもっとお金かけたヅラつけなさい。あんた儲けたんでしょ。あかん、マコノヒー兄さん、こいつを即タイホなのだ。

 

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