「海底47m」 | やっぱり映画が好き

やっぱり映画が好き

正統派ではない映画論。
しかし邪道ではなく異端でもない。

【ネタバレ】あります。すみません、気を付けてください。

 

サメにまつわるパニック物は数多くあれど、出来が良くない作品は大抵サメに襲われる恐怖から逃げ惑う主人公たちを描くことに終始してしまい、あろうことかそんな状況にもかかわらず恋愛や愛国心を取り込んでしまいがち。バカな、サバイバルという境地でイチャイチャとかクタバレ悪党どもなんて余裕あるやん、じゃなくて助かりたいんだよ、死ぬのヤダ、だからこっちくるなー!と状況脱出を試みる姿が観客側も感情移入できる。この作品はそこが実にうまく演出されており、練り込んだ構成や伏線が見事。納涼パニック映画の一本です。

 

ベタなんですが、主人公となる姉妹の対照的な性格、数値化されてわかり易い酸素ボンベの残量、急浮上すると脳障害を招く潜水病という関門、方角が全くわからない海底の景色、どれをとってもパニックの要素満載であり、姉妹は数少ないアイテムで果敢に脱出を試みる。そこに忍び寄るサメの存在が重要なファクターとして突出してくる。さらに海上にいるマシュー・モディーン演じる船長がいかにも胡散臭く、救助の手を差し伸べるのか否か分からないという状況がこの物語のツボを押さえている。

 

さらにクライマックスへと向かう時に姉妹の立場が逆転する構図は映画の常套手段であり、そこで物語が加速していく。孤独へと追い込まれた窮地から脱却しようとする姿はまさにサバイバルであり生への執着がサメの恐怖を克服する局面でもある。いわば開き直り。来るならかかってこんかい!いいよ開き直り。地獄へ行きやがれ!

 

当初この作品は劇場公開ではなくDVD発売とビデオオンデマンド配信を予定していたのだが、別の会社が作品の内容を評価して配給権を取得、晴れて劇場公開したら予想外のヒットとなったとの事。批評家の辛口な見解も見受けるが、私は太鼓判。音楽は少々ダサいけど…ビバ!サメ映画!来年の夏もあるかな?サメ映画!

 

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