「GODZILLA ゴジラ」 | やっぱり映画が好き

やっぱり映画が好き

正統派ではない映画論。
しかし邪道ではなく異端でもない。

【ネタバレ】あります。すみません、気を付けてください。

ゴジラ


日本の怪獣映画の名作をハリウッドが製作。

ゴジラは「核」「自然」「科学」がテーマとして描かれることは必至であり、今回のギャレス・エドワーズ監督作品もそこはもれなく描いている。が、主人公を含む登場人物の描写が甘いのか、編集の手腕が悪いのか、リズム感に乏しく、盛り上げ方が上手くない。確かにゴジラの登場をじらすのは分かるが、姿をみせてからも挽回の機会を逸する。ハワイ空港のシーンや、核弾頭を輸送する高架橋の場面など見せ場はキチンと用意されている、面白いシーンなのにどこかギクシャクしている。

思えば、私は昭和ゴジラ世代。正義のヒーロー、怪獣王としてゴジラに心酔する子供たちの一人だった。後に1作目を観て、ゴジラは上記のテーマを内包する奥深い存在だと認識する。今回も人間の驕り、自然に対する暴挙に対して文明の破壊という恐怖のメタファーとして現れるものだと考えていた。しかし、ゴジラは突如現れた怪獣ムートーの進撃から人類を救った英雄であった。そう、人類の味方として良くも悪くも昭和ゴジラを登場させたのだ。なぜ核兵器で解決しようとする輩を助けるのか、主人公に向けたアイコンタクトの意は何なのか、その謎は誰にも分からない。

私は思春期を迎えてゴジラ映画を卒業したのだった。お子様ランチのごとくベッタリした味付けに飽きてきたのだ。したがって平成ゴジラも観ていない。なのに今回、卒業したにも関わらず舞い戻ってきた私自身に自戒する。包装は豪華になれども中身はゴジラ映画だった。もうだまされない、卒業なんて生易しい言葉ではなく「決別」する。創業時の味に戻さない限り。


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