「マン・オブ・スティール」 | やっぱり映画が好き

やっぱり映画が好き

正統派ではない映画論。
しかし邪道ではなく異端でもない。

【ネタバレ】あります。すみません、気を付けてください。

マンオブスティール

70年代、クリストファー・リーヴ主演のシリーズは、 当時小学生の私にとって胸おどる内容だった。   今回、クリストファー・ノーラン製作、ザック・スナイダー監督が
リブートした。   故郷、クリプトン星の崩壊から逃れたカル=エルは カンザス州の農家で拾われて、クラーク・ケントとして育てられる。 少年期、自らの能力に気づくクラークは、 養父に人様にそのチカラを見せるなと咎められる。 それは、人類にとっては脅威であり、 使い方によって英雄、もしくは怪物になる。

青年に成長した彼は、出生の秘密を探して流浪の旅にでる。 極北の地でその秘密を知るクラークは、図らずもクリプトン星から 幽閉されたゾッド将軍達を地球に招く結果となり、 将軍達による人類崩壊の危機からの救世主として、 英雄の選択をする…   前半、主人公の養父母(ケビン・コスナーとダイアン・レイン)
展開がすごくイイ、 というか、ゾッド将軍が現れてから退屈になる。   確かにスピード感あふれる救世主と将軍の対決はスゴイ、が、 闘い方がパワー勝負で延々と繰り返すのみ。 感動に導くことができないのは、明らかにアイデア不足。 どちらも強いのは分かる、ただ都市や街並みを壊してるだけでは
アラレちゃんと変わらない。 いや、アラレちゃんには、ユーモアがある。 この作品にはそれが皆無なのだ。   前シリーズにあった陽気な場面を継承しろ、とまでは言わないが、 苦悩する主人公の支えとなるべき、 ヒロイン、ロイス・レーンの描写が疎かになっていると感じる
かなり冒頭で己の特殊能力を明かしてしまう
クラークとロイスの距離感がイマイチ伝わらないので、 肝心のキスシーンも盛り上がらない。   メトロポリスの崩壊も、将軍来襲以前の平和な描写を入れないと、 超人たちが壊していく対象物に過ぎない。 破壊が人類の恐怖につながらない。   ロイスが務める新聞社の編集長は、 クライマックスの活躍につながる伏線をきちんと描くべきだろう。
他者に厳しい職場の顔と自己犠牲をいとわない人間性を 振り子にすると、もっと面白くなるのに。

クラーク少年が、スクールバス事故で救出した同級生のいじめっ子は
伏線があるにも関わらず、後日の活躍が乏しい。
人間の弱さを描写したキャラクターなので、これまた惜しい。

映像技術だけでは傑作にはならない。 観客にどうやって伝えることが面白いのか、 新しいスーパーマンは果たして
人類は救えても、観客を救う事が出来たのだろうか?



----------------------------

ここまで読んで下さってありがとうございます。
ブログランキングに参加しています。もしよろしければ、
↓下をクリックしてください。よろしくお願いします。



にほんブログ村