マクドナルド店舗の屋根を破壊して侵入する強盗を繰り返すジェフリー(チャニング・テイタム)は警察に逮捕されて収監される。妻子から縁を切られてしまうジェフリーは娘の再会を求めて脱獄を決行する。しかし世間に姿をさらすことが出来ない彼はトイザらス店舗に身を隠す。そこでパート店員リー(キルステン・ダンスト)に好意を抱き身分を偽って接近する…日本劇場未公開。U-NEXT AmazonPrime 等にて課金配信中。
犯罪者は本当に悪い人なのか。日頃私たちも善悪の境界線を揺れ動き安定していない。それでも規律に反する人は刑罰を受け更生の道を歩むのが社会のルールである。ジェフリーは逮捕されて法の裁きを受けることになるが、彼に関わった(一部の)人たちの証言は、悪行への非難よりも善行への謝意が内包されていて酌量の余地を残す。本当の良心とは何か、私たちはこの複雑な課題に思いを巡らすべきだろう。それが彼の足跡になる。
犯罪が主軸となる物語だが、暴力は一切無い。それはジェフリーの信条でもあり、彼の優しさが愚かな力の行使を排除している。だからこそクライマックスで発露する暴力はジェフリーを苛ませる。そこで初めて彼は罪を自覚したかもしれない。それは大切な人の信頼を失うこと、悲しませることに他ならない。
ところで世界では一部の為政者たちが非人道を是とするような愚行を続けている。彼らには信頼なんて大切に思ってないだろうし、人が悲しんでも痛くも痒くもないだろう。優劣はつけたくないが、ジェフリーの愚行は愛おしい。罪の深さに雲泥の差がある。
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