アニメ版リトバス雑感。かくて彼女らは集いて。 | 残留嗜好

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14話が本当に良かったので一筆、と思ったところでそういえば一度も感想を書いていなかったことに気付き、せっかくなので雑感という形でここまでの全体をふまえた感想をば。ちょっとだけ原作のネタバレにも言及しますのでご注意を。



 

さてさて。待望のテレビアニメ化を果たしたリトバスも気付けば早や1クールが過ぎ、すっかり毎週の楽しみとなっています。twitterでは毎週大騒ぎです。

 

アニメになったリトバスメンバーたち。動いているのを見ているだけでも楽しいですが、中でも私の心を掴んで離さないのは葉留佳。わいのわいのと騒ぎ跳ね回る彼女はアニメ映えするだろうなと期待していた通りです。EDで理樹のまわりをぐるっと回るはるちんに心打たれ、本編中でもいろんなところでちょいちょい動くはるちんに悶え悶え。人一倍動きの多いはるちんがかわいくてかわいくてもうたまりません。はるちん大フィーバー!

 

葉留佳に限らず、アニメになって、画面の中に大勢のキャラがいることもあいまって賑やかさが増して楽しいですね。食堂回、肝試し回に続いてみんなでワイワイする話が今後も見られるといいなと、まずは次回のお泊り会が楽しみです。美魚もようやく加わりましたしね! はるちんとの絡みがあると嬉しいな!


 

そんなわけでアニメになったリトバス、わいのわいのと楽しんでおりますが、気になるのはシナリオ面。

 

美少女ゲーム、ひいてはルート分岐の存在する原作をアニメ化する際に必ず付きまとう、複数ルートの一本化をどのように行うかという問題。私はひぐらしやヨスガノソラ、アマガミのようにリセット&オムニバス形式というのがシナリオ構造的にも良いのではないかなと思っていたりしたのですが、結果として現時点でアニメ版リトバスにおいていわゆる『ループ』は廃されているように見えます。

 

その結果避けえないのが恋愛要素の排除。リトバスの個別ルートは行動と事象の起点が恋愛であるルートが多く、恋愛ストーリーを友情ストーリーへ転換することには不安と不満を抱いていました。恋愛要素を失くして欲しくない、恋してるから萌えるんだよ! てな感じで。

 

美魚ルートもその一つで。恋物語としての雰囲気が好きだったので、恋愛要素の排除は仕方ないにしても、よくある「ただ恋人にならないだけで他はそのまま」のシナリオだと不満だなあという思いがあり。

 

しかし14話はそんな思いを見事に引っくり返してくれました。私が望んでいたのは「原作の編集」ではなく「再構成」。それをしっかりやってくれた。

原作の物語をうまくまとめた上で、それが際立つのが海辺でのラストシーンの変更。

 

アニメでは絵で強調される場面が増えて、より印象の強いファクターとなっていた「影」。

その帰結となる、砂に落ちた戻ってきた「影」に触れる美魚のシーン。

恋がなくなることで、この物語のゴールは「美魚の成長」という点に絞られるわけです。「理樹の元へ戻ってくる」から「世界へと戻ってくる」へ。変更された海辺でのシーンはその良い表現でした。

そして素敵な満面の笑顔と、仲間たちに囲まれる美魚の姿。このラストの流れは原作にない感動を与えてくれました。

 

美魚がリトバスに勧誘されてからもきちんと入りきらなかったことにも納得です。「原作再現の1エピソード」ではなくリトルバスターズという一本の物語としての「美魚がリトバスに入るまでのエピソード」としてうまく出来ている。

 

また、真の目標である「理樹の成長」という点でも目を引かれる演出が。過去と今を重ね、美魚に手を伸ばす理樹の姿。それはまるで、そう、『彼』に手を伸ばすあの姿へと繋がっていくではありませんか。

 

ちゃんとエンディングに「雨のち晴れ」を持ってきたこともグッドポイント。

 

というわけで。美魚編でぐっと評価を上げ、ますます楽しみになってきたリトバス。今後も要チェキしていきますよ。

 

とりあえず次回、理樹のメタモルフォーゼに期待を寄せて待つ!