『相手を完全に信じ込ませる禁断の心理話術 エニアプロファイル』
「いいのにね。ほんとにいいのにね、この商品」
「そうなんだよね。がんばって開発したのに、なんで買ってもらえないんだろうね」
商品には絶対の自信があるのに、なぜか売れない。
いったい、どうやったら売れるのか。
あの手この手で考えますよね。
セミナーにも行って、本も読んで、
研究し尽くしても、なかなか売れない。
そんなことはありませんか?
もしかしたら、お客様全部に同じ言葉で話しかけてはいないでしょうか?
お客様の性格も、それぞれ違うというのに──
そこを工夫すれば、実はあっさり売れるかもしれないのに──
そこに着目したのが、この本です。
実は、著者の岸正龍さん(→プロフィール)自身も、
・バブルがはじけて仕事がなくなり、実家に戻る
↓
・実家の宝飾店で高額な宝石を売ろうとするが
それまでの学びを駆使しても全く売れない
そんな見えない霧の中で試行錯誤を繰り返していたそうです。
迷い続けた中で、著者が出会ったのが「エニアグラム」という性格分析論。
目の前の人を、たった一人の個性的でスペシャルな人として見る
↓ ↓
エニアグラムをベースに性格分析を行い、割り出したタイプに応じて心理誘導する
このプロファイリング手法によって、望む結果が爆発的に得られるようになったのだそうです。
話している相手がどのタイプなのか。
それを見極めるために10年を費やし、「使える図鑑」として編纂したのが、この本なのです。
相手を完全に信じ込ませる禁断の心理話術 エニアプロファイル 1,512円 Amazon |
ふふ。なんだか、怪しい表紙だなと思いましたか?
帯コピーといい、金押しの文字といい、挑戦的な表紙に押されちゃうかもしれません。
でも、中身を読みすすめると「確かにこれならいけるかも」とうなずきます。
博士と助手、この二人のやりとりも楽しい。
少しも退屈させずに一気に最後まで読ませてしまう筆力もさすが。
おかげで、読者は、著者が苦労を重ねた10年間の研究成果を、何の苦もなく手にすることができます。
(なんだか、申し訳ないくらいですね)
そして、特筆すべきは、この手法が本当の力を発揮するのは、相手に心からの関心を寄せて見極めたうえでのこと、だという点。
人は皆、たいてい自分のことしか関心がありません。
意識しないと相手に関心を持つことができない……。
本当にそうだなあと、私も思い当たります。
相手に関心を寄せ、信頼で結ばれたときに、「無意識に」相手が信頼してくれる。
まさに、ビジネスの本質を突いています。
エニアプロファイルが必要なのは、もちろん販売の場だけではありません。
全ての仕事は人と人。
商談、プレゼン、営業、……人と人の間にコミュニケーションがある限り、博士と助手の研究は続くのでしょうね。
本物の信頼をしっかり築くためにも、働くすべての人に読んでほしい本です。
*ちなみに、著者の岸正龍さんは超人気アイウェアブランド「モンキーフリップ」のデザイナーでもあり、元コピーライターでもあります。
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■前田めぐる■