『相手を完全に信じ込ませる禁断の心理話術 エニアプロファイル』 | 発想の方程式〜知恵が価値を生む時代

『相手を完全に信じ込ませる禁断の心理話術 エニアプロファイル』

「いいのにね。ほんとにいいのにね、この商品」

「そうなんだよね。がんばって開発したのに、なんで買ってもらえないんだろうね」

商品には絶対の自信があるのに、なぜか売れない。

 

いったい、どうやったら売れるのか。

あの手この手で考えますよね。

セミナーにも行って、本も読んで、

研究し尽くしても、なかなか売れない。

そんなことはありませんか?

 

もしかしたら、お客様全部に同じ言葉で話しかけてはいないでしょうか?

 

お客様の性格も、それぞれ違うというのに──

そこを工夫すれば、実はあっさり売れるかもしれないのに──

 

そこに着目したのが、この本です。


 

実は、著者の岸正龍さん(→プロフィール)自身も、

 

・バブルがはじけて仕事がなくなり、実家に戻る

 ↓

・実家の宝飾店で高額な宝石を売ろうとするが

それまでの学びを駆使しても全く売れない

 

そんな見えない霧の中で試行錯誤を繰り返していたそうです。

 

迷い続けた中で、著者が出会ったのが「エニアグラム」という性格分析論

 

目の前の人を、たった一人の個性的でスペシャルな人として見る

        ↓  ↓

エニアグラムをベースに性格分析を行い、割り出したタイプに応じて心理誘導する

 

このプロファイリング手法によって、望む結果が爆発的に得られるようになったのだそうです。

 

話している相手がどのタイプなのか。

それを見極めるために10年を費やし、「使える図鑑」として編纂したのが、この本なのです。

 

ふふ。なんだか、怪しい表紙だなと思いましたか?

帯コピーといい、金押しの文字といい、挑戦的な表紙に押されちゃうかもしれません。

 

でも、中身を読みすすめると「確かにこれならいけるかも」とうなずきます。

 

博士と助手、この二人のやりとりも楽しい。

少しも退屈させずに一気に最後まで読ませてしまう筆力もさすが。

 

おかげで、読者は、著者が苦労を重ねた10年間の研究成果を、何の苦もなく手にすることができます。

(なんだか、申し訳ないくらいですね)

 

そして、特筆すべきは、この手法が本当の力を発揮するのは、相手に心からの関心を寄せて見極めたうえでのこと、だという点。

 

人は皆、たいてい自分のことしか関心がありません。

意識しないと相手に関心を持つことができない……。

本当にそうだなあと、私も思い当たります。

相手に関心を寄せ、信頼で結ばれたときに、「無意識に」相手が信頼してくれる。

まさに、ビジネスの本質を突いています。

 

エニアプロファイルが必要なのは、もちろん販売の場だけではありません。

全ての仕事は人と人。
 

商談、プレゼン、営業、……人と人の間にコミュニケーションがある限り、博士と助手の研究は続くのでしょうね。

 

本物の信頼をしっかり築くためにも、働くすべての人に読んでほしい本です。

 

*ちなみに、著者の岸正龍さんは超人気アイウェアブランド「モンキーフリップ」のデザイナーでもあり、元コピーライターでもあります。

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■前田めぐる■