膵臓がんと向き合う 第七話 目指せ夏泊 | すい臓がんサバイバーhassiの日記

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2023年1月から9年ぶりに再開しました。2019年9月2日にすい臓がんの手術をしてからの闘いは今も続いています。

膵臓がんの手術から11ヶ月経ち、順調な回復をしていました。しかし、まだまだ食欲はなく、朝は6時30分、9時、11時30分、14時、16時30分から17時、19時前後と少しずつ6回に分けての食事が日課でした。家族の協力もあり、少しずつ食欲が増すとともに、体力も目に見えて回復してきました。また、朝の素振りの効果もあり、スイングスピードが日々上がってくるのが実感できました。新型コロナも少し下火になってきたこともあり、青森夏泊ゴルフリンクス行きの準備を始めました。

そして、8月、本州最北端のゴルフリンクスに向かうことになりました。東京駅から新幹線で約3時間で新青森駅に到着し、青森駅には約20分後に到着し、初めて青森県を訪問することに少し興奮していました。この頃は、自分が膵臓がんの大手術をしたことを忘れるくらいにまで回復していたことを思い出します。早速、駅前のホタテ屋さんでホタテづくしの昼食をとり、その後は青森市内の観光と三内丸山遺跡の見学などをして、ゴルフクラブ手配の送迎タクシーで夏泊半島を目指しました。2019年は、ねぶた祭が中止となり、市内も閑散として、コルフ場も宿泊客は少なくゴルフに没頭するには最高の環境が整っていました。

しかし、天気は急変し、見たこともない異様な雲の夕焼けに不安がつのりつつの夕食でした。食後は、クラフハウス併設のゴルフネットワークが見放題のロッジという名の立派なコテージでくつろぎながらも、思わずパターを取り出し、ロッジの目の前の練習グリーンでボールを転がしていました。

 

翌朝は、土砂降りの雨で目を覚ますことになります。朝の5時、「今日はゆっくりスタートしようか」と相談している間に、徐々に空が明るくなり、みるみる晴れ間が広がっていきましたが、この時期には珍しく、北海道と東北南部にそれぞれ低気圧があり、夏泊半島はその間に挟まれる格好で、めまぐるしく天候が変化していました。予定の8時30分にはすっかり晴れ上がりましたが、風が吹き荒れるようになっていました。ラインド開始直後から風速10m以上の強風が吹き荒れるコンディションでしたが、強風でグリーンでボールが止まず、最後は笑いながらのラウンドでした。フレンドリーな従業員も「今日は夏泊のそよ風くらいですかね」と笑顔で答えてくれました。その日は体調が良いことに加え、この時期としては珍しい気温25度というなかで、1.5ラウンドしたのちに2時間近くアプローチとパターの練習をして、温泉にはいり、夕食は夏泊の名物ホタテ中心の料理を一口ずつゆっくりといただきました。体力の回復が実感できる一日でした。

 

この時の新型コロナ感染者は、東京都500人、青森県0人で、まわりの目線が気になる中での青森への一歩となりました。

《続く》